SDGsを社内に取り組むことが求められていますが、資金不足でSDGsに本腰を入れることができないと悩む企業も少なくありません。
そのような悩みには補助金を検討してみることをおすすめします。
行政や地方自治体、独立行政法人がさまざまな補助金を用意しており、活用することで会社にSDGsが浸透しやすくなります。
そこで今回はSDGsに関する補助金について解説します。
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SDGsに関する補助金
SDGsに関する補助金・助成金は行政や地方自治体、独立行政法人が行っています。支援対象や内容についてSDGs目標ごとに紹介していきましょう。
SDGs目標3に関する補助金
既存不適合機械等更新支援 補助金
対象者:中小企業者である法人、又は、労災保険に特別加入している個人事業者。 |
最新の構造規格に適合しない機械の改修、買換え等費用の一部への補助金制度です。申請に対して審査があります。
心の健康づくり計画助成金
対象者:事業主 |
職場のメンタルヘルス対策を進める事業者に対 する助成制度です。
「心の健康づくり計画」やスト レスチェック制度の実施方法等に関する規程を策定する必要があります。助成額は、1事業者1回限りで上限10万円となっています。
ストレスチェック助成金
対象者:50 人未満の事業場 |
医師によるストレスチェックを実施した事業場に対して費用を助成します。
限度額は、年1回1従業員につき 500円+1事業場1回につ き上限 21,500円で年3回までとなっています。
治療と仕事の両立支援助成金
対象者:労働保険適用事業場で両立支援コーディネ ータを配置している |
傷病を抱えながら仕事を続ける労働者への取り組みとして、事業主が「両立支援プラン」を策定し、 対象となる労働者に適用した場合に助成が受けられます。
限度額は1事業場1回限りで一律20万円です。
小規模事業場産業医活動助成金
対象者:労働者数 50人未満の事業場 |
産業医や保健師と契約し、産業保健活動を行った事業場に対して費用を助成します。
限度額は、1事業場につき上限10万円で2回までとなっています。
職場環境改善計画助成金
対象者:事業場 |
事業場を対象としており、その中でも従業員50人以上については、労働安全衛生法でスト レスチェックが義務化されています。
ストレスチェックの集団分析の結果を活用し、 職場環境の改善を行った事業場に対して費用を助成します。事業場コースと建設現場コースが あります。
1事業場につき1回限り、上限は10万円となっています。
SDGs目標5
両立支援等助成金(女性活 躍加速化コース)
対象者 : 数値目標の達成に向けた取組目標を達成した事業主(加速化 A コース︓常用労働 者 300人以下、加速化 N コース︓常用労 働者 301 人以上) |
女性活躍推進法に基づき、自社の女性の活躍に関する「数値目標」や「取組目標」を策定 し、この目標を達成した事業主に対しての助成制度です。
受給額は1企業につき1回限り28万5千円~60万円が受け取れます。
SDGs目標7
中小企業等に対する省エネル ギー診断事業費補助金
対象者 : 民間団体等 |
中小企業の省エネ診断と情報提供事業および地域の省エネ推進事業を支援する補助金制度です。
平成31年度の予算案額は10.7億円が用意されている補助金です。
省エネルギー投資促進に向けた支援補助金
対象者 : 中小企業者等 |
工場・事業場における既存設備を省エネ設備に更新する際に必要となる費用の一部を補助し てもらえます。工場・事業場単位か設備単位で省エネ率や省エネ量、更新設備の申請を行います。公募と審査があります。
SDGs目標8
伝統的工芸品産業支援補助金
対象者 : 伝産法に基づき各種 計画の認定を受けた 組合、団体及び事業者等 |
伝統工芸品産業の原材料確保、人材育成、需要開拓、意匠開発などへの支援のための補助金 制度で、原則下限50万円~上限2000万円が助成されます。公募と審査が行われます。
中小企業・小規模事業者人材対策事業費補助金(サプライヤー応援隊事業)
対象者 : 民間団体・地方自治体 |
自動車の電動化への潮流を受け、関連する指導者育成事業と現場派遣事業への支援を行う補 助金制度で、上限金額は1500万円程度です。募集と審査があります。
キャリアアップ助成金
対象者 : 正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主 |
非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対しての助成金制度です。「正社員化コース」、「賃金規定等改定コース」など、7 コースがあり、事業主の申請に対して、審査が行われます。
雇用調整助成金
対象者 : 業績不振の状態にある雇用保険の適用事業所 |
経営悪化の際、従業員を解雇するのではなく、 一時的に休業させるなどの雇用調整によって雇用を維持した場合に受給することができる助成金制度です。対象となる雇用調整は休業・教育訓練・出向で、休業手当の一部が助成されます。
時間外労働等改善助成金 (時間外労働上限設定コース)
対象者 : 36協定(時間外労 働・休日労働に関する 協定)を締結している、労働者災害補償保険の適用事業主 |
長時間労働の改善に向けての取り組み(研修、 人材確保、コンサルティング等)を行った事業主への助成金制度です。取組の実施に要した経費の一部が、事前に提出した成果目標の達成状況に応じて支給されます。
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)
対象者 : 労働者災害補償保険適用の中小事業主 |
労働者災害補償保険適用の中小事業主 で、「勤務時間インターバル」を導入していないか、導入していても十分ではない場合(対象労働者が半数以下、休息時間が 9 時間未満)、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上 の「休息時間」を設ける「勤務間インターバル」を導入した事業主への助成金制度です。
取り組みの実施に要した経費の一部が、事前に提出した成果目標の達成状況に応じて支給されます。
時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)
対象者 : 前年における労働者の月間平均所定外労働時間数が10時間以 上である中小企業事業主 |
所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主への助成金制度です。取り組みの実施に要した経費の一部が、事前に提出した成果目標の達成状況に応じて支給されます。
時間外労働等改善助成金 (団体推進コース)
対象者 : 傘下の事業主のうち 労働者を雇用する事 業主が3以上で組織する、中小企業事業主の団体又はその連合団体 |
時間外労働の削減や賃金引上げに向けた取り組みを実施した場合に、その事業主団体等に対しての助成金制度です。
事前に提出した成果目標の達成状況に応じて支給されます。
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)
対象者 : 在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークに取り組む中 小企業事業主 |
在宅またはサテライトオフィスで就業するテレワークに取り組んだ際に、その実施に要した費用の一部が助成されます。評価期間内の目標達成状況に応じて支給されます。
受動喫煙防止対策助成金
対象者 : 労働者災害補償保険 の適用事業主であって中小企業事業主 |
中小企業事業主による受動喫煙防止のための施設設備の整備に対しての助成金制度で、上限金額は100万円です。
人材開発支援助成金
対象者 : 企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、コ ース別の支援内容について実施した雇用保険適用事業主又は事業主団体等 |
職務に関連した専門的な知識及び技能を修得させるための職業訓練等を実施した事業主への助成金制度です。
特定訓練コース、一般訓練コースなど7コースがあり、コース別に経費助成の割合・賃金助成額が設定されています。
人材確保等支援助成金
事業主が雇用管理制度整備計画の認定や雇用管理制度の導入などの措置を実施することが必要 |
雇用管理制度入や介護福祉機器の導入等により、離職率の低下に取り組んだ場合に助成されます。「設備改善等支援コース」など全6コースがあり、計画期間内に目標が達成されると助成金が支給されます。
中途採用等支援助成金
雇用保険適用事業所で、中途採用計画を労働局へ提出した事業主 |
雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図った場合や45歳以上の初採用を行った場合の助成制度です。また、一定期間後に生産性が向上した場合には追加の助成が受けられます。
特定求職者雇用開発助成金 (被災者雇用開発コース)
対象者 (2)平成23年5月2日以降、雇用保険一般被保険者として雇い入れ、1年以上継続 して雇用することが見込まれること |
東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を、ハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主への助成制度です。また、この助成金の対象者を10人以上雇い入れ、1年以上継続して雇用した場合には、助成金の上乗せがあります。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース・生涯現役コース)
対象者:65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、1年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主 |
雇入れ日の満年齢が 65 歳以上の離職者を ハローワーク等の紹介により、1年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
助成金額は、1人当たり年間40~70万円と設定されています。
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
対象者 : ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一定期間試行雇用した事業主 |
安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークや職業紹介事業者等の紹介により、一 定期間試行雇用した場合に1人あたり月額4万円助成されます。
両立支援等助成金(両立支援関係)
対象者 (2)支給のため審査に協力すること |
仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主へ の支援制度です。「出生時両立支援コース」など、4コースがあり、育休取得や介護休業、再雇用などで1人当たり12万円~72万円の助成が受けられます。
労働移動支援助成金
対象者 : 事業縮小でやむなく離職させた労働者の再就職援助のための措置を講ずる事業主 |
事業縮小でやむなく離職させた労働者に対し、再就職支援の取り組みをした事業主に、取り組み費用の助成金を支給するものです。
SDGs目標11
地域まちなか活性化・魅力創出支援事業費補助金
対象者 : 民間事業者 |
中心市街地を活性化するため、波及効果の高い 複合商業施設等の整備等を支援します。
調査事業への補助金制度で、100万円~1000万円が助成されます。公募と審査があります。
SDGs目標17
中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金
対象者 : 中小企業 「地域団体商標」の模倣被害については、 商工会議所、商工会、NPO法人等も対象。 |
日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じて、海外で取得した特許・商標等の侵害を受けている中小企業が、模倣品業者への警告や摘発をする際の費用の一部を助成しています。
国内・海外販路開拓強化支援事業費補助金
対象者 : 中小企業者等 |
地域資源を活用した新商品・新サービスの開発や販路開拓に取り組む中小企業等を支援する制度です。調査や展示会の開催費用の一部を上限2000万円補助してもらえます。
戦略的基盤技術高度化支援事業(補助金)
対象者 : 中小ものづくり高度化法の認定等を受けた 中小企業・小規模事業者および大学、公設試等による共同体 |
中小企業・小規模事業者が大学・公設試などと連携して行う、研究開発や試作品開発、その成果の販路開拓に係る取り組み等への補助金制度で、単年度あたり 4,500万円以下の助成が受けられます。公募と審査があります。
中小企業・SDGsビジネス支援事業
対象者 : SDGsビジネス支援型(原則大企業) ・中小企業支援型(中小・中堅企業) |
開発途上国でのビジネス展開のための基礎調査、案件化調査、普及・実証、ビジネス化事業について JICA による支援が受けられます。年2回の募集・審査が行われます。
地域独自で行う補助金制度
長野県の補助金制度
SDGs活用販路開拓モデル創出事業
対象者:長野県内に主たる事業所 があり、法人格を有する中小企業者 |
SDGsの達成をめざす製品・役務の販路開拓を行う事業(モデル事業)について、経費の一部とビジネスモデル普及事業受託業者による 支援が受けられます。
横浜市の補助金制度
横浜市中小企業設備投資等助成金
対象者:中小企業 |
市内の中小企業者が生産性の向上のために行う設備投資等に対し、経費の一部を助成するものです。
助成金は、省エネルギー型・IoT 型・操業環境改善型・一般型の4つの区分に分かれています。
助成率は対象経費の10~30%となっており、上限800万円です。
今後予想されるSDGs補助金
日本でのSDGsの補助金は雇用に関する目標8に多く、その他の目標にはそれほど多くの補助金がみられません。
そこで海外で支給されるSDGs補助金をもとに、日本が近い将来設立するであろう補助金を予想していきます。
海外で現在設けられている補助金の一部がこちらになります。
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また最近日本が活動を活発にしている事業に
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上記のような事業が挙げられます。
そのため、いまはまだ大きな補助金が見受けられないものの中から
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といった補助金制度が設けられるのではないかと推測されます。
各省庁の補助金に関する担当部署ではSDGsにまつわる補助金について質問ができるので、問い合わせることで新規補助金制度について知ることができるかもしれません。
まとめ
今回はSDGsに関する補助金について紹介してきました。
SDGsに関する動きは毎年大きく変化しているため、随時更新される情報を追わなくてはいけません。
しかしそれほどSDGsに取り組む団体が多く、社会が変化しているとわかります。その波において行かれないように補助金を活用し、SDGsを社内に浸透させましょう。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
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