2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、テレビなどのマスメディアでも大々的に取り上げられるようになり、さらに私たちに広く認知される存在になってきました。
これに合わせて多くの企業が積極的にSDGsに取り組むほか、個人としても環境や社会の持続可能性(サステナビリティ)について考える人が増加しています。
SDGsは高校の教育現場でも触れる機会が増加し、目標達成のために何ができるかに興味を持つ高校生も増加しています。この記事では、高校生でもできるSDGsの取り組みをテーマに解説していきます。
見出し
高校生がSDGsに取り組む意義とは
SDGsは将来世代のためのもの
SDGs目標の達成予定である2030年には、高校生の皆さんは人生これからという年代を生きています。
それまでに目標が達成されなかった場合、自分が住み続けられる街や、汚染されていない海や山、現在と変わらないくらいの十分な食料があるとは誰も言い切れません。
SDGsが達成されなかった時に深刻な被害を被るのは、大人ではなく、今高校生や中学生といった年代の人々なのです。
就職の軸が定まる
SDGsを知ることは、上に挙げたような長期的な視点だけでなく、就職活動という短期的な目標にも関連しています。
就職活動でみなさんが出会う企業はとても幅広く、いざ志望業界を決めたとしても、業界内の企業全てを実際に見て回ることは、物理的には不可能でしょう。
その際に、最後の決め手として「SDGsを理解し、実現のために会社全体で努力している会社かどうか」という軸を持つことをオススメします。
SDGsを学生の間に学ぶことで、「SDGs活動を単なるパフォーマンスとして行なっていないか?」や、「採用活動の中で社員が差別的な表現を無意識に使っていないか?」という観点から、企業の良し悪しを判断することができます。
高校生でもできるSDGsの取り組み|3選
①学校でできること
まず、もっとも手軽に始められることからご紹介します。
それは、図書室で、普段は読まないSDGsに関連する本を手に取ってみることです。
諸外国と比べ、日本のSDGsに関する知識は非常に遅れています。世界経済フォーラムの調査では、日本におけるSDGsの認知度は、調査対象となった28ヶ国中最下位という結果を記録しています。
このような現状において、日常生活の中で主体的にSDGsを知ろうとしなければ、その差し迫った危機感や達成すべき目標の理解はできません。
そのために、こちらの記事では、SDGsを知りたい人・理解を深めたい人向けのおすすめ入門書をご紹介します。
例えば、池上彰さん監修の『世界がぐっと近くなる SDGsとボクらをつなぐ本』(学研出版)という本がオススメです。
図やイラストが豊富で、高校生なら時間をかけずに読むことができるでしょう。
この本なら短い時間でも、今まで自分に見えていた世界とは違う世界の姿を見せてくれます。
さらに上級者の方には、南 博・稲場 雅紀著『SDGs 危機の時代の羅針盤』 (岩波新書)もおすすめです。
かつて外務省で諸外国との折衝の最前線にいた著者が、貧困や格差、環境破壊等に加え、コロナウイルスによるパンデミック危機を迎えた現代世界がどのようにこの「危機の時代」を乗り越えていくのかをの考えを著したものです。
上述の本よりやや難解ですが、 21世紀を俯瞰し、市民として私たちが何ができるかを教える良
本なので、ぜひご一読ください。
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②家でできること
次に、家庭生活で高校生ができる取り組みをご紹介します。
それは、リサイクル可能な資源を燃えるゴミとしてではなく、資源ごみとして分別する癖をつける、というとても基本的なことです。
資源ごみとは、主に新聞・雑誌・段ボール等の古紙、そして地域によって異なりますが、びん、缶、ペットボトル、紙パック、発泡トレイ、廃食油などが当てはまります。
高校生という年代では、家庭で出されるゴミがどのように分別されているのか、よくわからない方も少なくないのではないでしょうか?
この記事をきっかけに、今自分の家庭でどのようにゴミが分別されているか、慢性的に分別されていないものはないかチェックして見ましょう。
これらの知識は、大学生になって一人暮らしをした後も、必ず役立つ知識となります。
③SNSでできること
最後は、学校でも家でも、短い時間でできることをご紹介します。
それは、SDGsや環境保護について紹介しているSNSアカウントをフォローしたり、「いいね」と思った記事に素直に「いいね」をすることです。
SDGsは、その語感からどこか意識が高いものに見えたり、その記事を「いいね」することで周囲からどのように思われるのか気になる方も高校生という時期には多いかもしれません。
しかし、実はSNSを通じたSDGs普及活動にはさまざまなものがあります。
例えば、女性雑誌OZ mall が開催した「#マイボトルチャレンジ」というSNSキャンペーンでは、特定の投稿をRT&リポストするだけでスターバックスの限定スリーブ&リユーザブルカップをプレゼントするというものがありました。
こうしたキャンペーン投稿をチェックすることからはじめ、自分に合ったSNSの使い方でSDGsアクションをしていくのはいかがでしょうか?
実際の高校生の活動|2選
実際の高校生の取り組み グレタ=トゥーンベリさんのスピーチ
スウェーデンの環境活動家である、グレタ=トゥーンベリさんは、16歳だった2019年当時『変化をもたらすために未熟すぎるなんてことはない(No One Is Too Small to Make a Difference)』という気候変動に対する書籍を発行しました。
当時未成年だった彼女は、気候変動によって自分やその後の世代が暮らす地球が危機に瀕していることを訴え、その活動は現在でも多くの人に影響を与えています。
日本に住む高校生のみなさんも、今からS自分の身の回りでSDGsを実践することで、自分や自分の友人たちの生きる2030年の社会を守ることに確実につながります。
全国高校生SDGs選手権
株式会社花形、株式会社ESSPRIDE、株式会社マザーアースの三社が主催する「第一回全国高校生SDGs選手権」が2021年に開催されました。
大会はオンラインで開催され、全国の高校生がチームを組んで、実際に新規事業案を会社経営者にプレゼンテーションするというものです。
事業を審査するのは、SDGsを事業の中核とする代表取締役や副社長で、実際の審査項目は以下になります。
項目 | 詳細 |
---|---|
普遍性 | 提案したSDGsの事業の応用可能性 |
包摂性 | 社会の全ての人に対し配慮があるかどうか |
参画性 | 誰もが参加できる内容であるか |
統合性 | 経済・社会・環境の三つを統合できているか |
独創性 | 斬新なアイデアかどうか |
将来性 | 地域における必要性と事業の持続性 |
総合力 | プレゼンテーションの総合力 |
本大会では視聴者投票も踏まえた上で、大会のMVP高が決定される仕組みとなっています。
高校生だからこそ、瑞々しい視点で社会を捉えることが期待されるこの大会で、ぜひチームとしてSDGsを一つの「事業」にするチャレンジをするのはいかがでしょうか。
さらに詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。
SDGsと一口に言っても、その実行方法にはさまざまあることがご理解いただけたかと思います。
その中で、共通するのはSDGsを達成することで利益を得るのは高校生をはじめとした「将来世代」そのものであるということです。
現在高校生の方は、ぜひこのことを意識して、ご自身の身の回りでもできるかもしれないSDGsアクションから実行していただけたなら幸いです。
SDGsとは
SDGsとは、17のゴール・169のターゲットから構成されています。この目標は、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っており、SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組む必要のあるものです。
2030年までに現在の格差や気候問題を引き起こすような持続不可能な発展を見直し、将来世代がより良い世界で生きるよう国連サミットで加盟国の全会一致によって採択されました。
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