多様な人材が働きやすい環境をつくる|マクドナルドのピープルビジネス

#SDGs目標8#ダイバーシティ#働きがい 2022.11.16

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SDGsが採択される前から自社の存在意義を追い求め、社会に貢献してきた日本マクドナルド株式会社。

私たちがマクドナルドを利用する際に最も関わるのが、店舗の従業員である、通称「クルー」の方々だ。

今回は人事本部の植村氏を取材し、15歳から94歳まで、年齢・性別に関係なく、多種多様な人材が集まる理由について伺った。

▼前回の取材はこちら

現場の最前線で働く従業員がイキイキと働けるように

ーー自己紹介をお願いします。

植村:人事本部の植村です。

1996年に新卒として入社して2022年で26年目になります。京都府・滋賀県を中心に店長を務め、その後、様々な地域でエリアマネージャーや店舗のコンサルタント職を経て5年前から人事の職務に就きました。

マクドナルドでは、直営店・フランチャイズ店合わせて約2,900店舗で約19万人のクルーが働いており、2022年度の新卒社員の約半分はアルバイト経験者です。

現場での勤務経験を活かしながら、店舗とコミュニケーションを取りつつ採用のサポートをしています。

ーー現場とのやり取りの中で意識していることはありますか。

植村:本社からの発信と店舗の実情が乖離しないように意識しています。

現場とコミュニケーションを取り、本社が実態を把握した上で、施策を企画することはクルーのエンゲージメントを高め、結果として社内外でのピープルブランドイメージの形成にもつながります。

私が入社した当時は、店舗の採用が現場に任されていたため、思うように人材が集まらず苦労した店舗がありました。現在は現場主導の立場は維持しつつ、会社が店舗の採用をよりサポートすることで、より円滑に人材の充足が行えるようになりました。

店舗という「最前線」で働くクルーの方々が生き生きと働ける職場であるよう、これからも本社ができることをサポートしていきます。

ーーマクドナルドは、単なるフードビジネスではなく人を育てることで企業も成長していく「ピープルビジネス」であると仰っていますよね。働きがいのある職場を作るために大切にしていることはありますか。

植村:マクドナルドでは、社員やクルーは企業を成長させてくれる存在であるという考えのもと、ピープルビジョン「マクドナルドは、世界中どの街でも、ベストな雇用主となる」を掲げています。

ピープルビジョンを実現するために掲げているのが、ピープルプロミス「マクドナルドは従業員の皆さんとその成長および貢献を、価値のあるものとして大切にします」です。

そのためにも、「ピープルビジョン」「ピープルプロミス」を軸により良い職場環境を提供していくことを大切にしています。

19万人のクルーを雇用できる仕組み

ーーSDGsが採択されてからD&I推進がさらに注目されていますが、社内ではどのようにD&I推進を図っているのでしょうか。

植村:マクドナルドではSDGsが採択される2015年以前から人材への投資に力を入れることで、性別、年齢、国籍や障がいの有無に関わらず様々な個性や背景を持った多様な人材が、働きやすい職場を目指すことに力を注いできました。

マクドナルドのクルーは、高校生から最高年齢94歳(2022年10月時点)の方まで多様な方々が働いています。

また、マクドナルドには24時間365日営業している店舗や、初めての買い物をする小さなお子さんから毎朝コーヒーを飲みに来るシニアの方まで幅広いお客様が来店されます。お客さまのニーズを理解するためにも、迎えるクルー側が多様性に富んでいる必要があります。

雇用を生み出しながらおいしさと笑顔を地域の皆さまにお届けすることが、私たちの存在意義だと考えています。

ーー約19万人ものクルーを雇用するための工夫や仕組みはありますか。

植村:多様なクルーを雇用する上では、我々が提供する職場価値と従業員が求める価値の重なりをいかに増やしていくかが大切です。

マクドナルドでは企業がクルーに提供する価値であるEVP(Employee Value Proposition)を、フレキシビリティ、フューチャー、ファミリー&フレンズの3つを定義しています。

ーー具体的にどのような価値を提供しているのかを教えて下さい。

植村:フレキシビリティでは、たくさんあるポジションから、自分のスキルに合った業務を習得しながら一歩ずつ成長することができます。

週単位で最低週2時間からのシフト制は、自分のライフスタイルに合わせることができ、柔軟な働き方につながります。

フューチャーでは、生涯を通して役立つようなスキルをマクドナルドのアルバイトを通じて学ぶことができます。

特に、社内の教育機関、ハンバーガー大学では、社員だけではなくクルーもリーダーシップやチームワークを学ぶことができます。

ファミリー&フレンドでは、性別や年齢、国籍を超えて店舗で働く一人ひとりがチームの一員として大切にされる職場作りをしています。

ーー 一人ひとりのクルーまでEVP(Employee Value Proposition)を届けることはとても難しいと思うのですが、なぜマクドナルドではできているのでしょうか。

植村:現場は最前線です。最前線の現場をまとめあげる店長を最大限サポートし、会社全体で支援するからこそ、19万人のクルーが雇用できていると考えています。

店長たちがもっともお店のビジネスを推進できるかに対して、オフィスの社員も、店舗をサポートするコンサルタントも全員コミットしていることが一番の強みだと感じます。

ーー今後の展望を教えて下さい。

植村:今後も性別、年齢、国籍や障がいの有無に関わらず、どのような人でもマクドナルドで働く価値を実感してもらえる仕組みを広めていきます。

さいごに

今回の取材で、植村氏から何度も出てきた「現場」「最前線」という言葉が印象的だった。

マクドナルドのクルーを大切にする経営は、企業が成長する上で核となる考え方なのかもしれない。

日本の飲食業界をリードするマクドナルドの経営に目が離せない。

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