カーボンニュートラルに取り組む企業一覧-取り組むための3つのステップも解説!

#RE100#エネルギー#ゼロエミッション#再利用#太陽光#持続可能#水素#環境#脱炭素(カーボンニュートラル 2022.10.21

この記事をSNSでシェア!

 

【更新日:2022年10月25日 by 三浦莉奈

みなさんはカーボンニュートラルという言葉を知っていますか?現在、日本に限らず、世界各国の企業がカーボンニュートラル実現にむけてさまざまな取り組みを行っています。

この記事では、カーボンニュートラルの概要や、企業がカーボンニュートラルに取り組むための3つのステップについて詳しく解説していきます。

また、企業が取り組むメリットや日本の大企業から中小企業、自治体の取り組みについても取り上げていきます。

カーボンニュートラルとは何か

「カーボンニュートラル」とは温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。2020年10月、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。

GLOBAL NOTEー国際統計・国別統計専門サイトーによると、2020年における世界の二酸化炭素排出量はこのようになっています。

順位 国名 単位(百万トン)
1位 中国 9,893
2位 アメリカ 4,432
3位 インド 2,298
4位 ロシア 1,432
5位 日本 1,026

日本政府はカーボンニュートラル実現に向けて2021年6月に「地域脱炭素ロードマップ〜地方からはじまる、次の時代への移行戦略〜」を行っています。
この取り組みでは、7つの取り組みと脱炭素の基盤となる8つの重点対策が定められています。

7つの取り組み

1.再エネポテンシャルの最大活用による追加導入
2.住宅・建築物の省エネ導入及び蓄電池等として活用可能なEV/PHEV/FCV活用
3.再生可能エネルギー熱や未利用熱、カーボンニュートラル燃料の利用
4.地域特性に応じたデジタル技術も活用した脱炭素化の取組
5.資源循環の高度化(循環経済への移行)
6.CO2排出実質ゼロの電気・熱・燃料の融通
7.地域の自然資源等を生かした吸収源対策等

8つの重点対策

1.屋根置きなど自家消費型の太陽光発電
2.地域共生・地域裨益型再エネの立地
3.公共施設や業務ビル等における徹底した省エネと再エネ電気調達と更新や改修時のZEB化誘導
4.住宅・建築物の省エネ性能等の向上
5.ゼロカーボン・ドライブ(再エネ×EV/PHEV/FCV)
6.資源循環の高度化を通じた循環経済への移行
7.コンパクト・プラス・ネットワーク等による脱炭素型まちづくり
8.食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立

2021年4月には日本を含め、125ヶ国がカーボンニュートラルを実現することを表明しており、各国でさまざまな取り組みが行われています。

イギリスでは、ネットゼロ(大気中に排出される温室効果ガスと大気中から除去される温室効果ガスの量が等しくなること)の実現を目指し、電気エネルギーの普及に力を入れています。

アメリカでは2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするため、洋上風力による再生可能エネルギー生産量の増加を行っています。

 

▼脱炭素社会(カーボンニュートラル)について詳しくはこちら

企業がカーボンニュートラルに取り組むメリット3選

エネルギーコストを削減できる

太陽光発電などによる再生可能エネルギーの自家消費は電力コストの削減となります。

現在、化石燃料の価格が徐々に高騰しています。そのため、太陽光エネルギーの使用量を増加することで化石燃料由来の電力の消費が減り、コスト削減につながります。

企業の印象が向上する

環境問題への取り組みは企業のイメージアップにつながります。現在、多くの企業はホームページに環境問題の取り組みが掲載されており、国や自治・メディアからの表彰を通じて知名度・認知度が向上します。

これにより、消費者やほかの企業からの信頼度も向上します。

国からの援助が受けられる

国はカーボンニュートラルを促進するため、水電力や地熱発電など再生可能エネルギーの導入を行う企業に対し、補助金等の支援を行っています。

また、特別償却や税額控除の優遇税制を行っているため、企業はよりカーボンニュートラル実現に向けて取り組みやすくなります。

▼企業がSDGsに取り組むメリットについて詳しくはこちら

RE100-カーボンニュートラルに取り組む企業一覧

RE100とは

世界で影響力のある企業が、事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化に取り組む協働イニシアチブのことを言います。情報技術から自動車製造までさまざまな分野における企業が参加しており、売上合計は4兆5000億米ドルを超えています。

日本では2017年4月より、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が地域パートナーとして、日本企業の参加を支援しています。

日本企業一覧

日本企業では2017年4月に株式会社リコーがはじめてRE100への参加を表明しました。それ以降、多くの企業が参加しており、2022年2月において65社が参加しています。

海外企業も含めると現在RE100の企業数は300社を超えており、国別で日本はアメリカに次ぐ世界2位の社数となっています。

企業がカーボンビュートラルに取り組む3つのステップ

カーボンニュートラル実現に向けて考察する

企業がカーボンニュートラルに取り組むうえで最初に行うのは全社の意識を統一することです。企業には多くの人がいて、考え方も多様に存在します。一人ひとりがカーボンニュートラル実現に向けて取り組むため、企業の意識を一つにまとめる必要があります。

意識を一つにまとめた上で、企業における二酸化炭素の排出量や外部環境について理解し、カーボンニュートラルに取り組むことで起こりうる自社にとってのメリット・デメリットを考えていきます。

戦略を定める

企業にとってのメリット・デメリットを考えたのち、企業の取り組みを設定します。取り組みを決める際に、企業が目指す方針に沿った取り組みを設定していきます。
また、脱炭素化のために水素や天然ガスのような、脱炭素資源を確保したり、太陽光発電機の設置などの環境を整えるなど社内の構造を整備します。

戦略の実行

企業の方針を定めたところでPDCA(Plan、Do、Check、Act)を行います。目標を設定し、目標達成に向けた計画を立て(Plan)、計画を実行し(Do)、定めた目標が達成出来ているかどうか、計画通りに実行できたかを評価します(Check)。そして、評価で明らかになった課題や改善点を考え(Act)、課題を踏まえて再度計画を立てます。

このサイクルを継続することで徐々に、取り組みの中で企業独自のカーボンニュートラル戦略を展開することに繋がります。

カーボンニュートラルへの取り組み事例

大手企業の取組み

パナソニックホールディングスでは2022年1月にアメリカで行われた「CES 2022」において新たな環境コンセプトである「Panasonic GREEN IMPACT」を発表しました。2030年までに全事業会社のCO2排出量を実質ゼロにすることを目指し、2050年までに消費者が利用する商品から排出されるCO2の排出量の削減、さらには公共機関向けの省エネルギーやクリーンエネルギーの利用・活用の拡大させることを目指します。

取り組みの事例として、快適な空間の提供と徹底した省エネや、電化によるエネルギー改革などの暮らしにむけた取り組みや、車の脱化石燃料の普及、水素の本格活用に向けた再生可能エネルギー工場の設置などがあげられます。

また、三菱電機株式会社では事業の成長とともに、エネルギーの脱炭素化と生産性・快適性の向上の両立を目指します。また、それぞれの場に適した取り組みを行います。

取り組みの事例として、ビルから出るCO2を大幅に削減できるZEB(ネット・ゼ・エネルギー・ビル)の設置や、エネルギーの利用状況を「見える化」し、電気消費の無駄をなくす省エネを推進します。

中小企業の取組み

世界的に脱炭素化が進んでおり、今では大企業だけでなく中小企業にも脱炭素経営が求められています。多くの企業が温室効果ガスの大幅削減に取り組んでいます。

セコム株式会社では、省エネ性能が搭載された蛍光灯のLED照明化やコピー機・スキャナー・プリンター・ファクシミリの4機能を1台に集約した複合機の導入などの取り組みを通じて、電力の使用量を削減しています。

また、花王株式会社ではよりクリーンなエネルギーを利用するため、すべての工場において石炭を使用するのではなく、天然ガスを使用しています。さらに自家消費用太陽光発電設備を導入しており、2020年には台湾やオーストリアなどの海外にも発電所の設置を行っています。

自治体の取組み

現在、環境省によると東京都・京都市・横浜市を始めとする329自治体(35都道府県、193市、3特別区、79町、19村)が2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを表明しており、取り組みを行っています。

自治体が再生可能エネルギーの導入を行うことで災害時にも活用することができます。2019年9月に上陸した台風15号の影響により、千葉県睦沢町周辺で停電が発生した際に電力供給を行いました。

 

▼SDGsの取り組み事例について詳しくはこちら

まとめ

いかがでしたか。カーボンニュートラル実現に向けて、日本に限らず世界各国で取り組みが行われています。
また、企業にとってカーボンニュートラル実現は企業のイメージアップやコスト削減などのメリットがあるため、パナソニック株式会社や三菱電機株式会社のような大手企業のみならず、多くの企業がカーボンニュートラル実現にむけて取り組みを行っています。
カーボンニュートラルに取り組むために、まずは企業全体の意識を変えることから初めてみてはいかがでしょうか。

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    新着記事

    アシックスの新しいランニングシューズNIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    SDGs14の取り組み事例4選|私たちにできる身近な取り組みも紹介