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熊本県とSDGsの関わりについてご存知ですか?
実は熊本県は、県内に4つの「SDGs未来都市」と国から評価された自治体を有しています。
国が指定する「SDGs未来都市」とは、経済・環境・社会の三側面からSDGsを実現する能力が高いと見込まれる都市・地域を国が選定するもので、小国町、熊本市、水俣市、菊池市、山都町が選ばれています。
今回は、そんな知られざるSDGsのポテンシャルを秘めた熊本県に焦点を絞ってご紹介します。
見出し
<h2> 熊本県のSDGsに関する制度
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<h3> 熊本県SDGs登録制度
熊本県では、SDGs推進に向けて熊本県SDGs登録制度という独自の登録制度を策定しました。
熊本県公式ホームページによると、「新たな価値の創造を促し、その取組みの「見える化」による地域の自律的好循環の形成につなげる」こと、そして「熊本の特性を生かした持続可能な社会と、SDGsを原動力とした地方創生の実現」が熊本県が制度の特徴となっています。
SDGsを推進することが、地域経済の活性化・健全化につながることをその他の地方自治体に先駆けて示していると言えるでしょう。
登録期間は3年間という規定がありますが、更新可能です(2021年10月現在)。
<h3> 登録要件
具体的には次を満たす熊本市内の企業や団体が対象です。
まず、2030年の目指す姿や環境・社会・経済の三側面の重点的な取組みを明確に示していること。
そして、自らの活動とSDGsの17のゴール及び169のターゲットとの関連付けがなされていること。
次に、県税等の滞納がないこと、暴力団・暴力団員・暴力団密接関係者でないこと、公序良俗に反する行為及び重大な法令違反がないこと。
さらに詳細な情報についてはこちらをご覧ください。
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<h2> 熊本県でSDGsに取り組む団体 3選
<h3> ① 熊本電力
熊本電力は、地域ベンチャーとしてSDGsの中でも7つの目標をターゲットに選定し事業活動を開始しています。
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも 経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任 つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 15.陸の豊かさも守ろう |
具体的には低酸素社会実現に向けた以下のような2つの取り組みを行っています。
①電力の地産地消
太陽光発電を導入した家庭が、政府による7年間の支援制度を終了した後でもサポートを受けられる「卒FIT」電源を供給しています。
②卒FIT買取プラン
上にあげた「固定価格買い取り制度(FIT制度)」を終了する家庭または企業に対し、買い取りプランを開始しています。
参考:熊本電力
<h3> ② 熊本大学
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熊本大学は地域を代表する大学として、主に研究分野で持続可能性実現に向けた道を開拓するべく、以下の2つの取り組みを行なっています。
①有明海の生物多様性保全
有明海は日本有数の漁場として名高いですが、近年の環境変動でアサリやタイラギなど貝類の漁獲量に変化が起きています。熊本大学ではこれらをモニタリングすることで原因を解明するとともに、そこでの研究内容を市民講座や小学生の臨海講習などという形でレクチャーしています。
②熊本復興
2016年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県において、大学生と研究者が実際に現地に赴き、地域の人々と実際に対話しながら復興後の将来像を計画する取り組みが行われています。
地域を災害に強いものにする「レジリエンス」関連の研究のみならず、このような住民を置き去りにしない対話型の復興活動は「誰一人取り残さない」SDGsの実現に向けた重要な取り組みです。(参考:ましきラボ)
<h3> ③ 肥後銀行
肥後銀行では従来の企業メセナ活動のみならず、SDGsを投融資の観点から推進していくという宣言をしています。
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従来の財政的観点からの投融資に加え、以下のような観点から優れていると判断した企業または団体に積極的融資を行なっています。
・脱炭素社会実現に向けた二酸化炭素排出削減など気候変動の抑制に資する事業
・水資源や森林資源、絶滅危惧種の保護など生物多様性保全に資する事業
・農林水産業、観光業など地域の基幹産業の振興に資する事業
・世界遺産および有形・無形文化財等の文化財保全に資する事業
・防災・減災に資する事業
・その他、持続可能な社会づくりに資する事業
一方で、以下のような企業または団体には融資は行わないと宣言しています。
・人身売買など人権侵害や強制労働への関与先
・クラスター弾など非人道的な兵器の開発・製造の関与先や、規制・制裁対象
「全ての人に健康と福祉を」「平和と公正を全ての人に」を目標に掲げるSDGsに反するような活動をしている団体に対して「融資をしない」ことは、SDGsに取り組んでいる企業に融資をすることと同程度の重要性をもちます。
<h2> まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
熊本県には、本記事で取り上げた企業・教育機関以外にも、SDGsの将来的な実現を目指した地元団体による多様な取り組みが県民主導で行われています。
熊本県出身でない方も、本記事をきっかけとして熊本のSDGsの取り組みに興味を持ってもらったり、ご自身の出身都道府県の取り組みを調べていただけたら嬉しいです。
<h2>SDGsとは
SDGsは「<strong>Sustainable Development Goals」の略称</strong>です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、<strong>2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成</strong>されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
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