ワンプライスでさまざまな商品を購入することができ、生活を豊かにしてくれるダイソー(DAISO)を運営する大創産業。
日本国内に約4,200店舗、世界26の国家・地域に、約2,300店舗を展開している。
今回は、大規模な店舗拡大を行う大創産業の採用やD&Iの取り組みについて人事部採用課の寒川さんと大橋さんに詳しくお話を伺った。
ーー自己紹介をお願いします。
寒川:私は2019年に人事部の採用課で採用していただき、入社しました。
元々、10年ほど人材系の会社で営業担当をしていました。主に西日本、大阪、広島、九州で勤務していまして、お客様の人材ニーズをヒアリングしてご提案するような営業をしていました。
大橋:私も同じく2019年に人事部の採用課で採用していただき、入社しました。
前職はフィットネス関係の仕事で、加盟店の採用支援を行っていました。
大創産業は、仕事の規模が大きく、国内だけではなくグローバルな事業展開を行なっている点が魅力だと思います。今後を見据えた時に魅力的だったので、入社しました。
ーー大創産業様のビジョンを教えてください。
寒川:大創産業の企業理念は「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える」です。この理念を元に国内だけではなく海外出店に重点に置き、事業規模拡大を進めています。
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大規模な店舗展開をする企業だからこそ、働き方を変革
ーー近年、SDGsやサスティナビリティに関して、特に人事の取り組みやダイバーシティが注目される領域になっていると思います。大創産業様の取り組みや考えをお聞かせください。
寒川:元々SDGsで掲げられている目標と、私たちの人事の戦略はあまり結びつかない会社だったと思います。今までは女性が働くにあたって休日が少なかったり、労働時間が不定期であることが多かったです。しかし、近年は徐々に改善されてきました。
具体的には、今年度から公休日を他社の例に合わせて5日増やしました。また、勤務時間の原則は固定ですが、シフト勤務やフレックス勤務という形も選択できるようにしました。
時短勤務においては、元々はお子さんの年齢が6歳までの社員を対象としていましたが12歳のお子さんまでを対象に引き上げています。このような形で徐々に小さいところから制度を変えていっています。
誰もが働きやすい環境の形成、D&Iを行うための大創産業のサポート体制とは
ーー次に社内のSDGsに関する推進体制や方針についてお聞かせください。
大橋:障害者の方の活躍は目標の1つに入っています。ダイソーウイングという特例子会社があり、広島、北海道、東京、大阪に拠点があります。人数の規模としては550名ほどが在籍しています。
全国にある4,200店舗に備品の発送や管内の清掃、社用車の清掃といった、清掃周りのお仕事がメインとなっており、障害者の方も活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
ーー近年の社会的な動きとしても、障害者採用に力を入れている会社は増えていますよね。
寒川:そうですね。法定雇用率が段階的に引き上げられていることも関係していると思います。大創産業では、年々店舗数を増やしているので母数が増えていきます。そのため、何にもしなければ雇用率は下がっていくので、常に採用し続ける必要があります。
しかし、そこで単に人数を増やしてくのではなくしっかりと能力を生かし 、活躍していただきたいと考えています。その体制づくりの1つがダイソーウイングです。
人により特性はそれぞれ違い、できることとできないことがあるので、できることを見つけてご活躍いただくようなサポートをしています。
ただ人事が全てのスタッフについて、一つひとつ丁寧に対応することは難しいため、現場の店長やマネージャークラスが障害者雇用の取組みを理解し、自走していただけるようサポートをする動きを取っています。
ーーここからはダイバーシティの取り組みの1つとして外国人採用に関してもお伺いします。大創産業様の外国人採用の現状について教えてください。
大橋:ここ3年くらいで、400名弱の外国人スタッフを採用し、東京と神奈川の27店舗に配属しています。
ベトナムの方が多いのですが、ダイソーはベトナムにも25店舗ほどお店があるので馴染みもあり、接客をすることで日本語力をアップできるという点をメリットに働いて頂いています。
今後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が解消に向かう中、採用を復活させている企業が多いですが、どの企業も採用難に陥っています。店舗の安定的な運営を保つためには、外国人採用が大きな力になるとともに、重要であると考え採用を進めています。
外国人スタッフが働きやすい環境を形成するために、言語の違いだけではなく文化の違いも含め、既存社員やスタッフ全体で理解することを大切にしています。
「いろんな人がいろんな形で活躍できる社会を目指す」大創産業の今後の展望とは
ーー外国人や障害者採用について詳しくお話を伺ってきました。ダイバーシティという観点における今後の展望についてお聞かせください。
寒川:「女性が活躍できる制度づくり」を目指していきたいです。大創産業に新卒で入ってくる方の半分以上は女性です。また、現場で働かれ店長をされている方は、子育てがあったり家庭がありながら働いている人がほとんどです。
しっかりと生活基盤を築けるぐらいの待遇を得ながら、それぞれのライフスタイルにあった柔軟な働き方ができる制度作りをしていきたいと考えています。
大橋:女性活躍もそうですが、いろんな人がいろんな形で活躍できる会社になっていかなければいけないと考えています。その一手を弊社が担えればと思います。
さいごに
今回は大創産業の採用やD&Iに対する考えや取り組み内容について詳しくお話を伺った。
障害者採用や外国人採用にあたって、全てのスタッフが働きやすい環境を形成するためにサポートする体制が整っているからこそ、大規模な店舗拡大を可能とし採用を成功させているのであろうと感じた。
「いろんな人がいろんな形で活躍できる社会」を目指す大創産業の今後に注目だ。
SDGs CONNECT副編集長。SDGsを他人事と思わず、当事者意識を持って考える「きっかけ」となる記事作成を目指しています。大学では「女性が生理休暇を取得しやすい環境を作る」をテーマに研究。