LGBTプライド月間とは?-詳細と私たちに出来ることまで解説

#LGBT#LGBTQ#ジェンダー 2023.03.01

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LGBTプライド月間とは何でしょうか。

近年、LGBTへの認知や取り組みが増えてきています。しかし、LGBTプライド月間について知らない人も多く、認知度も低いです。わからないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、LGBTプライド月間の詳細と企業の取り組み例、企業側の注意点を紹介していきます。

▼SDGsについて詳しくはこちら

【この記事でわかること】

LGBTとは-簡単に説明

まず、LGBTについて説明します。

LGBTとは、「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー」の頭文字をとった言葉です。

それぞれ性的指向や性自認が違います。レズビアンは「女性の同性愛者」、ゲイは「男性の同性愛者」、バイセクシュアルは「両性愛者」、トランスジェンダーは「心の性と身体の性が一致していない人」を指します。

また、LGBT以外にも「LGBTQ+」や「SOGI」などの言葉も使われています。

LGBTQ+

「Q」は、「クィア」、「クエスチョニング」と呼ばれ、自分の性自認や性的指向が定まっていない人を指します。「+」はLGBT以外の分類できない性別を含んでいる事を表します。

「LGBTQ+」という言葉は、表現できていないセクシュアルを含み、全てのセクシュアルマイノリティに配慮を示す表現です。

 

SOGI(ソジ)

「SOGI」とは、性的指向(sexual orientation)と性自認(gender identity)の頭文字を取った言葉です。SOGIは、全ての人が持っている「属性」を表す言葉です。

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LGBTプライド月間とは

「LGBTプライド月間」とは、世界各国で行われるLGBTQ+の権利を啓発する活動やイベントが実施される期間です。

「プライド」とは、人の持っている「誇り」であり、堂々と自信を持っているという意味です。「LGBTプライド月間」は、LGBTであることを恥じることなく堂々とカミングアウトする気持ちが込められています。

「LGBTプライド月間」とは何なのか、どんなことをしているのか説明します。

プライド月間の起源-なぜ6月なのか

LGBTプライド月間は6月に開催されます。なぜ、6月なのでしょうか。

これは、1969年6月にアメリカのニューヨークで起きた「ストーンウォール事件」がきっかけになっています。

「ストーンウォール事件」とは、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあったゲイバー「ストーンウォール・イン」で起こった暴動です。

1950年代のアメリカでは、同性愛者に風当たりの強い時代でした。ソドミー法という法律で、同性愛者に酒を提供することを禁じられていたのです。

そのため、「ストーンウォール・イン」は、頻繁に警察が手入れを行っていました。それだけでなく、LGBTの人を真っ先に逮捕したり、街中で暴力をふるうこともありました。

1969年6月にも、警察8人が「ストーンウォール・イン」にやってきました。その時、店内には200人ほどの客がいました。しかし、客は警察の入店を拒否しました。警察は、店内にいた客を逮捕しようとパトカーを呼びました。その間に、150人ほどの人だかりが店の外にできていました。

最初のパトカーが到着し、1人のレズビアンが手錠をかけられ逮捕されました。そのとき、警察に手錠がきつすぎると訴えましたが警棒で殴られてしまいました。

それを見た群衆や店の客が怒り、暴動が起こったのです。

この「ストーンウォール事件」は、アメリカで初めて全国的に報道された抵抗運動となりました。この事件は「セクシュアルマイノリティの抵抗の象徴」となり、事件の合った6月を「LGBTプライド月間」と呼ぶようになりました。

プライド月間の内容-どんな活動をしているのか

「LGBTプライド月間」では、「ストーンウォール事件」を記念したパレードが各地で行われています。

現在では、LGBT当事者だけでなく企業や自治体などもキャンペーンを実施してプライド月間に参加しています。

レインボーフラッグの意味-なぜ象徴になったのか

レインボーフラッグは、LGBTの尊厳と社会運動を象徴する旗です。

1970年代は、LGBTへの理解もなくLGBTの権利主張は命がけでした。1978年にゲイの権利を主張する運動では、ゲイ解放運動家のハーベイ・ミルクさんが暗殺されています。

レインボーフラッグの色には、LGBTの権利を主張する運動に用いられたことで、現在のLGBTの象徴になっています。

この旗は、レインボーフラッグの発案者である「ギルバート・ベイカー」さんが考案しました。それぞれの色には意味が込められています。

ピンク:セクシュアル 赤:生命 オレンジ:癒し 黄色:太陽 緑:自然
ターコイズ:芸術 青:ハーモニー バイオレット:魂

それぞれの意味が重なり合うことで虹になる、という意味も込められています。

この旗は、現在使われているレインボーフラッグです。ギルバートベイカーフラッグと違い、ピンクとターコイズが抜けて6色となっています。

1970年当時、ピンク色の生地を見つけるのが困難だったため外されました。また、1979年街中にレインボーフラッグを掲げたとき街灯に重なって1色見えなくなってしまうことがあり、ターコイズが外されました。

世界のプライド月間3選

続いて、世界のプライド月間を紹介します。

日本-東京レインボープライド

東京レインボープライドとは、LGBTQのセクシュアルマイノリティの存在を広めるイベントです。

2012年から毎年、代々木公園で開催されています。毎年テーマが決められ、テーマに沿ったパレードが行われます。2023年4月開催のテーマは、「変わるまで、続ける -Press on till Japan changes.-」です。

このイベントでは、パレードやブースが展開され参加者全員でイベントを盛り上げていきます。さらに、「”性”と”生”の多様性」を祝福するメッセージを掲げて渋谷・原宿を行進します。

▼サイトはこちら
東京レインボープライド

アメリカ-プライドパレード

プライドパレードの起源であるニューヨークでは、6月の最終週の日曜日から、パレードが行われます。

ニューヨーク、マンハッタンの街を北から南へパレードが移動します。そのとき、100以上のフロート車が飾り付けられ行進します。

パレードの三日前には、エンパイア・ステート・ビルがレインボーに輝きます。「ストーンウォール事件」を忘れず、街全体が一体となっています。

アムステルダム-運河パレード

オランダの首都、アムステルダムでは運河でパレードが行われます。プリンセン運河という、アムステルダムの中心を走る運河で開催されます。

毎年8月に開催され、約50万人の人が参加をしています。

さらに、2019年には運河パレードに日本の船が参加しました。「プライドハウス東京(Pride House Tokyo)」の船が、日本で初めての参加をしました。

企業のプライド月間への取り組み2選

続いて、企業のプライド月間への取り組みについて説明します。

LGBTプライド月間は、世界中で開催されています。アメリカだけでなく日本の企業もたくさんの人が参加できるイベントを行っています。

楽天グループ株式会社-SNSパレード

楽天グループ株式会社では、LGBTQ+に関する理解の促進や啓発を目的とした「Walk Together with Pride」を実施しています。

このキャンペーンでは、「ぬりえ」で個性を表現し、完成したイラストを「レインボーフラッグ」に見立て、SNSでシェアすることができます。

6月に開催されるパレードを演出する「オンラインプライドパレード」を開催しています。SNSでシェアすることで、たくさんの人とフラッグを振り、一緒にパレードに参加している気持ちになります。

▼特設サイトはこちら
楽天Walk Together with Pride

LEGO-「みんながサイコ―!」

デンマークに本社を置くLEGOでは、セクシュアルマイノリティを象徴する商品を販売しています。

LGBTを表現する11色のフィギュア「Everyone is Awesome(みんなサイコー!!)」という名前で販売されています。

このフィギュアをデザインしたマシュー・アシュトンは、自身もLGBTであることをカミングアウトし、どんな背景を持っている人でも受け入れる、という思いを込めてつくりました。

このフィギュアは、LGBTであるという強力なメッセージを表現しつつ、深刻になりすぎない、楽しい雰囲気を表現しています。
▼商品購入はこちら
LEGO

企業がLGBT月間を取り込む方法

日本では「LGBTプライド月間」はあまり浸透していません。プライド月間にあまり触れることのない私たちは、何ができるのでしょうか。

今回は、企業がLGBT月間を取り組む方法と注意点を説明します。

LGBT月間を設けるメリットとは

LGBT月間を設けることで、誰もが気持ちよく生活できる社会をつくることができます。

LGBT月間は、LGBTを知るきっかけになります。LGBTの知識が増えれば言動を変えることができます。

また、企業はプライド月間を設けることで、社会的に良い印象を与えることができます。それだけではなく、LGBTではない人に対して「自分の会社はマイノリティを差別しない」という印象を与えることができるのです。

▼関連記事
企業によるLGBT支援の取り組み7選-日本と海外の企業事例も紹介

注意すべきこと-ピンクウォッシングにならない

ピンクウォッシングとは、「LGBTフレンドリー」アピールが、都合の悪いことを隠していることを意味します。

自らに不都合なことを隠すため、「LGBTフレンドリー」であるという良い印象を与え、他のマイノリティへの差別を隠してしまうとき「ピンクウォッシング」と使われます。

ピンクウォッシングとは、英語で「ごまかす」「取り繕う」という意味の「ホワイトウォッシュ」からきています。「ホワイトウォッシュ」とLGBTを表現する「ピンク」を組み合わせることで批判をする意味を持ちます。

ピンクウォッシングとしては、プライド月間をビジネス目的で開催し、6月の一か月間で取り組みを終了することが該当します。

2022年4月、ファミリーマートから「レインボーソックス」が販売されました。LGBTQの理解者、支援者の輪を広げ、売り上げの一部をLGBTQ支援団体に寄付すると発表しました。

しかし、パッケージに「なぜレインボーカラーなのか」というLGBT支援の意図が記載されていないことや、寄付先の団体名を非公開にしたことで批判の声が上がりました。

このように「LGBTフレンドリー」をアピールしつつ、具体的な行動が伴っていないことが批判されています。

6月限定にならず、普段からLGBTへの理解があることを示すことが望ましいです。

わたしたちにできること-ストレートの人もできること

これまで、LGBTプライド月間について紹介してきました。

LGBTプライド月間で行われているパレードは、ストーンウォール事件を記念し、その精神を継承するためのものです。

必ずしもLGBTの人が参加するイベントではありません。全ての人が自分を開放し、自由であると主張できる場です。

パレードに参加できなくても、LGBTについて調べてみるだけでも良いです。順に知っていくことが大切なのです。過去に、鬱憤がたまり反乱が起きたことを忘れないようにすることも大切です。

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LGBTの人が抱えている悩みとは?-お悩み例や相談先も網羅

まとめ

LGBTプライド月間について紹介しました。

LGBTの理解も広がり、各国の大きな都市でイベントも開催されるほど大きくなっています。普段、LGBTに関わりのない人でも気軽に参加することができます。

この機会に、LGBTについて行動してみませんか。

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