家具関連企業35社による「家具インテリアリサイクル&リニュー協議会」設立

2023.06.30

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家具メーカー、家具小売業、物流企業など家具インテリア業界のサプライチェーンに関わる有志企業35社は、家具インテリア業界の環境経営促進に協同連携して取り組むため、任意団体「家具インテリアリサイクル&リニュー協議会」を2023年6月28日(水)付にて設立しました。

会長の岡田贊三氏(飛驒産業株式会社代表取締役会長)

同日に行われた設立発表会には、来賓として環境局環境再生・資源循環局 局長の土井健太郎氏をはじめ、前環境大臣政務官の中川康洋氏、内閣総理大臣補佐官の村井英樹氏もお見えになりました。

左から、土井健太郎氏、中川康洋氏、村井英樹氏

協議会の参画各企業は、家具インテリア業界共通の課題である、不要家具の引き取り・再利用・再資源化などの資源循環や、森林の生態系保全、CO2排出削減など、環境負荷の少ないサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミーの実現を目指し、連携して取り組んでいくとしています。

 

<会員企業>*2023年6月現在時点
AKASE株式会社、株式会社アクタス、株式会社アスプルンド、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、遠州トラック株式会社、株式会社岡本總本店、株式会社家具の大正堂、株式会社かねたや家具店、カリモク家具株式会社、株式会社カンディハウス、株式会社三協運輸サービス、株式会社シラカワ、株式会社スリープセレクト、株式会社関家具、株式会社大運、TAKADA株式会社、タカダ・トランスポートサービス株式会社、TAKADA環境株式会社、TriValue株式会社、株式会社東京インテリア家具、東京ベッド株式会社、ドリームベッド株式会社、ナガノインテリア工業株式会社、日進木工株式会社、日本フクラ株式会社、株式会社馬場家具、株式会社パパネッツ、飛驒産業株式会社、冨士ファニチア株式会社、フランスベッド株式会社、マルイチセーリング株式会社、株式会社マルニ木工、株式会社ミサワ、三井デザインテック株式会社、株式会社リビングハウス
以上、五十音順総計35社<製造事業16社、販売事業10社、物流事業ほか9社>

協議会の組織と体制について紹介した副会長の加藤 信氏(カリモク家具株式会社取締役副社長)

家具インテリアリサイクル&リニュー協議会の設立の経緯と目標

この協議会は、家具インテリア業界有志によって設立された「家具経済同友会」を前身としています。業界内で起こる様々な事象に対し情報・意見交換を行い、取り組みを行ってきました。その中で、会員企業が問題提起した、家具販売時に顧客から引取った不要家具の廃棄やリサイクル、それに伴う費用負担等の問題に対し、家具インテリア業界全体の課題として取り組むべく同会の内部組織として廃家具の再資源化と再利用を推進するための「リサイクル&リニュー促進協議会」を発足させたのが当協議会のはじまりです。

この活動をさらに推進、発展させ、不要家具のリサイクルだけでなく、製品の企画研究開発から、材料の調達、製造、流通、使用、修理、リユース、不要家具の引き取り、適正な処理と再生という、一連のサーキュラーエコノミーを環境負荷の少ない方法で実現するには、同業事業者とステークホルダーが連携し、社会的に通用する、新たな組織と事業構築が必要と認識するに至りました。このサーキュラーエコノミーのループを基軸に、資源循環と森林生態系保全、温室効果ガスの削減に注力することで、持続可能な社会に求められる家具インテリア業界となることを目標としています。

4つのワーキンググループの活動計画

サステナブルな社会の実現にむけて、四つのワーキンググループを順次立ち上げ、サプライチェーンの動脈産業(生産・物流・販売)から静脈産業(メンテナンス、廃棄、再生など)に至るまでの事業分野を垂直連携でマネジメントしていきます。

  • <リソーシング>家具インテリア業界での資源循環のループを繋ぐ体制と再資源化促進への研究開発現在の引取処分問題の把握から、不要家具引取・分別、再資源化促進に至るまでの資源循環のループを繋ぐ事業モデルの研究開発→家具インテリア業界が連携し、不要家具の有償引き取りから再資源化・再生の仕組みをリソーシングプラットフォームとして構築することで、環境に負荷をかけないゼロエミッションの達成にむけた事業モデルの開発
  • <長期愛用・リニュー>家具の長期耐用性を向上する修理メンテナンスも含めた仕組の構築様々な分野での課題である製品長寿命化による環境負荷低減に向け、劣化予測、製品評価、修繕、適正なメンテナンス技術とこれらを結合する仕組みの研究開発→適切な維持管理、メンテナンス、修理を行う仕組みと生活者への情報発信、将来的な再販市場の活性化等による家具の長寿命化と廃棄物削減
  • <Zeroカーボン>2050年実質ゼロカーボンへ向けた研究開発と取組み推進家具インテリア業界のサプライチェーンの上流(生産・流通・小売)から下流(メンテナンス・廃棄・再生等)までを一貫したLCCO2排出量、排出源の実態把握と、LCCO2削減技術の研究開発、および業界をあげた取組みの推進→各社の企業活動における低炭素化の推進による2050年実質ゼロカーボンの実現にむけた施策の企画と共有。LCA、カーボンフットプリントなど情報の見える化の実践
  • <再生デザイン>環境性能評価の研究による環境にやさしい家具開発の推進原材料の産地・認証・流通の実態把握、資源としての持続可能性、環境保全性の評価、および再生材の技術開発。環境性能評価指標の研究開発→環境負荷の少ない材料、環境性能を評価された材料や製造方法による環境配慮製品の拡大促進

*LCCO2(ライフサイクルCO2)とは製品の製造・輸送・販売・使用・廃棄・再利用まで全ての段階での二酸化炭素(CO2)発生量を評価するものです
*LCA(ライフサイクルアセスメント)とは製品・サービスのライフサイクル全体又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法です

協議会の活動について語った副会長の西 弘信氏(株式会社アクタス相談役)

リソーシングによる「廃スプリングマットレスリサイクルネットワーク実証実験」

リソーシングワーキンググループは、不要家具の引き取りと再利用化促進の取組みとして、廃棄物の中でも処理困難物に指定されている「廃スプリングマットレス」のリサイクルネットワーク実証実験を2023年6月1日より関東地区で開始しました。実証実験では、廃スプリングマットレスをリサイクルするための効率的な回収、鉄資源などの資源循環の促進を足掛かりに、リソーシング系の共通基盤構築を目指しています。

<実証実験概要>
実施期間:2023年6月1日より8月31日(3か月間)
参加企業:(排出事業者)株式会社アクタス、株式会社東京インテリア家具、株式会社家具の大正堂、カンディハウス株式会社、ドリームベッド株式会社
協力企業:(収集運搬)TAKADA環境株式会社(中間処理)株式会社エコ計画、JFE条鋼株式会社、TAKADA環境株式会社、東港金属株式会社(システム)伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、伊藤忠メタルズ株式会社

<期待効果>

  • 個社でなく、業界の共同事業による不要家具の回収、中間処理、最終処分のネットワークを構築することによる資源循環性の向上、事業の合理化、不要家具処分に対する顧客ニーズへの最適化
  • 不要家具の回収・処理に関する情報のデジタルプラットフォーム試作版を運用し、上記課題に対する業界のデジタル・トランスフォーメーションを促進
  • 不要家具の回収・運搬事業の共同利用により、物流業界の2024年問題へ家具インテリア業界としての対応力強化

<今後の展開予定>

  • 家具インテリア業界におけるリソーシング(静脈)系の共通基盤構築に向けて、実証実験で得られたノウハウ、データから、参画企業連合による共同事業を計画
  • 業界として責任のある処理困難物の回収、より適切な処理の研究により、行政の負荷を低減し、地球環境負荷を削減できる事業を構築(当初は廃スプリングマットレスから広域認定制度等を活用しての展開を計画)

リソーシング事業について説明したリソーシングWGリーダー高田 輝成氏(TAKADA株式会社代表取締役)

 

家具インテリアリサイクル&リニュー協議会
事務局:[email protected] ,
https://kagurandr.com

 

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