【SDGs事例集】変わらない健康への想い|キユーピー株式会社

#SDGs目標2#SDGs目標3#再利用#食品ロス 2021.10.19

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キユーピー株式会社(以下、キユーピー)は「キユーピー マヨネーズ」やドレッシング、パッケージサラダなどの商品で知られている食品メーカーです。

創業から100年以上、「食を通じて社会に貢献する」ことを志してきたキユーピーは、多くの人に馴染みのある企業ではないでしょうか。

1925年の日本初のマヨネーズ「キユーピー マヨネーズ」の発売を始め、長年日本の食卓に寄り添ってきたキユーピー。
この記事ではキユーピーの事業内容からSDGsの戦略や活動まで幅広く紹介してい
きます。

キユーピーの概要

キユーピーは1919年に前身となる食品工業株式会社として、現在の東京都中野区に創業しました。
1925年に日本初のマヨネーズ、「キユーピー マヨネーズ」を発売し日本にマヨネーズを広めました。1932年には「アヲハタ ママレード」を製造し、現在のアヲハタ株式会社を設立しています。

1957年に社名をキユーピー株式会社に変更し、その後も日本初のドレッシングやミートソース缶詰の発売、「キユーピー3分クッキング」の放送を開始するなど、日本の食卓の変化に深く関わっている企業です。

2019年には創業100周年を記念して、全国の幼稚園・保育所、介護施設で「笑顔を届ける音楽会」や期間限定の「kewpie 100 years, start! CAFE」を開催するなど、他分野にわたり新たな取り組みに挑戦し続けています。

設立年 1919年(大正8年)11月
資本金 241億400万円
売上高 5,311億300万円(連結、2020年度)
1,767億3,400万円(単体、2020年度)
従業員数 16,003人(連結、2020年11月末現在)
2,426人(単体、2020年11月末現在)
事業 マヨネーズを始めとする各食品類の製造販売事業
ファインケミカル事業

キユーピーの事業

キユーピーは主に5つの事業を展開しています。

市販用事業

マヨネーズやドレッシング、育児食や介護食、パッケージサラダなど家庭向けの商品を展開しています。市販用分野は2020年度の売上高の約4割を占めており、主力事業となっています。

業務用事業

レストランやホテル、コンビニエンスストアの商品に利用される卵や調味料などの業務用商品の製造・販売を展開しています。業務用分野も2020年度の売上高の約4割弱を占めている主力事業です。

海外事業

日本で培われた品質の高さやメニュー提案力を活かして、海外での食品製造・販売にも力を入れています。マヨネーズやドレッシングなどの調味料を中心に展開しており、世界での新しい食文化の創出と定着を図っています。

フルーツソリューション事業

アヲハタでおなじみの家庭用ジャムやスプレッド、食品メーカー向けのフルーツ加工品を製造・販売しています。

ファインケミカル事業

創業以来培われてきた技術やキユーピーならではのユニークな素材を活用し、医薬品や化粧品を製造・販売しています。
以上の5つの主力事業に加え、おいしさの追求や栄養研究、素材の研究を行う研究開発や、健やかな食生活を実現するための食育活動にも積極的に取り組んでいます。

キユーピーの基本方針

キユーピー株式会社は「愛は食卓にある。」をコーポレートメッセージに、世界の食と健康に貢献することを目指しています。

行動規範には、「品質第一主義」や「食育を中心とした社会貢献」の他にも「ダイバーシティの推進」や「地球環境への貢献」が掲げられており、サスティナビリティ活動にも力を入れています。

2018年には長期目標として「キユーピーグループ 2030ビジョン」を制定しています。

海外への展開も行っているキユーピーは、それぞれの国にあった健康的な食文化の創造に貢献していくため、消費者個人、社会全体、そして世界の国々の食生活に寄り添ったサポートの実現を目指しています。

そして、未来を想像する子どもたちの健康的な食生活を守り、少しでも良い地球環境と社会を、残していけるよう、サスティナビリティへの取り組みにも注力しています。

キユーピーとSDGs

キユーピーの3つの重要課題

キユーピーは経営方針の1つに「社会・地球環境への取り組みを強化」を位置付けており、独自に「サステナビリティの基本的な考え方」を定めています。

毎年発表される「統合報告書」において、サスティナビリティへの取り組みも詳しくまとめられています。

キユーピーは国連の持続可能な開発目標(SDGs)を参考に以下に挙げる3つの「サステナビリティに向けての重点課題」を特定しました。

3つの重点課題

①食と健康への貢献
②資源の有効活用・循環
③気候変動への対応

ここではキユーピーのSDGsへの取り組みの一部をご紹介します。

①食と健康への貢献

(対応するSDGs目標:2, 3, 4)

キユーピーは1925年のマヨネーズ製造・販売開始以来、野菜摂取の拡大を通して健康寿命延伸への貢献を目指しています。

内閣府「平成30年版高齢社会白書」によると、日本の平均寿命に対する健康寿命のギャップは、女性では約12年、男性では約9年となっており、長い時間を要介護の状態で過ごす人が多いといえます。

 

健康長寿の鍵は、フレイル予防、つまり要介護になる危険性が高い状態を予防することです。

健康的な生活を送る上では「栄養」「運動」「社会参加」の3つの要素が欠かせません。そこでキユーピーはセントラルスポーツ株式会社と協働し、ホームページなどを通じて健康情報やレシピのを提供しています。

キユーピーの「とっておきレシピ」HPはこちら

また、サラダとタマゴで健康を推進するキユーピーは、2019年度から社内認定制度「たまごスター」を開始しました。

2021年3月には、「たまごスター」が全国の消費者に卵の魅力を伝える「オンライン見学 卵について知ろう」が実施されました。

「タマゴのリーディングカンパニー」を目指す企業として、栄養価の高い卵の魅力を発信し、より多くの人が卵を摂取するきっかけを作っています。

さらに、キユーピーが力を入れている取り組みに食育活動があります。

「長く継続できること」「多くの方の役に立つこと」「地域に根ざすこと」を柱として社会貢献活動に取り組むキユーピーは、食の大切さ・楽しさを伝えることを重要視しています。

大人も子どもも「食と健康」を体験できる機会として、「マヨネーズ教室」や「家族でわくわくクッキング」といった出前授業や食をテーマにした講演会を積極的に行っています。

コロナ禍で実際の工場見学や出前授業の開催が難しい中、「オンライン社会科見学」や「オンライン離乳食教室」など新しい様式での食育活動実施にも挑戦しています。

②資源の有効活用・循環

(対応するSDGs目標:12)

キユーピーは1998年12月に「環境基本方針」を制定して以来、環境への配慮に取り組んでいます。「環境基本方針」は2度の改定を経て、環境課題に取り組む際の指針となっています。

この方針を受け、キユーピーが重点課題の1つとして取り組んでいることが資源の有効活用です。

食品メーカーとして限りある食資源を責任を持って無駄なく利用できるように、野菜未利用部の有効活用と商品廃棄の削減に注力しています。

キユーピーの代表的な商品でもあるパッケージサラダ。2017年度にこのサラダを加工する過程で生じる野菜の芯やへた、外葉や皮を飼料化することに成功しています。

2020年度の野菜未利用部の有効活用度は40%に達しており、2030年には90%以上の有効活用度を目指しています。

また、サプライチェーンと協力し、各段階での食品ロス削減にも積極的な取り組みが行われています。

特に、需要予測に基づく製造と実際の需要とのギャップが原因で発生する商品廃棄の削減に力を入れています。

2020年度の商品廃棄量削減率は2015年度と比較して11.6%の削減に成功しており、2030年度には50%以上の削減率実現を目指しています。

上記の取り組みの他にも、パッケージ軽量化や再生プラスチックを利用することによるプラスチック排出削減や、原材料となる卵の100%利用などに取り組んでいます。

③気候変動への対応

(対応するSDGs目標:7, 13)

キユーピーは脱炭素社会の実現を目指し、2030年度までにCO2の排出量を35%以上削減することを目標にしています。

取り組みの1つが物流における長距離トラック輸送から鉄道・船舶輸送へのモーダルシフト・異業種メーカーとの共同輸送です。

2019年7月には、商品を輸送する時に貨物鉄道を一定割合以上利用している企業として、「エコレールマーク」認定を受けています。

これらの取り組みで、2020年度の輸配送におけるCO2排出量を2019年度と比較して2.3%削減することに成功しています。

加えて、工場での再生可能エネルギーの利用にも取り組んでいます。

2020年度には、キユーピー五霞工場(茨城県猿島郡)と旬菜デリ昭島事業所(東京都昭島市)の国内2箇所に自家消費型の太陽光発電設備が設置されています。

タイの生産事業所にも太陽光発電設備を設置するなど、国内外で再生可能エネルギーへの転換を推進しています。

この記事で紹介しきれなかったキユーピーのSDGsへの取り組みはこちら

まとめ

キユーピーは食品メーカーとして社会に向けた「食と健康への貢献」を創業当時から重要視し、その責任を果たしていることがわかりました。

「栄養価の高いマヨネーズを普及させて、日本人の体位向上に貢献したい」という想いから発売された「キユーピーマヨネーズ」。時代とともに食卓や求められる商品が変化しても、食で社会に貢献したいという想いは変わることなくキユーピーの取り組みに反映されていました。

私達の生活に欠かせない豊かな食生活を彩ってくれるキユーピー。
これからの活動にも期待が高まります。

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