《SDGs事例集》人と、地球の、明日のために。|株式会社 東芝

#再生可能エネルギー#気候変動 2021.08.10

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【更新日:2021年9月15日 by 三浦莉奈

株式会社東芝(以下、東芝)は、インフラ事業や電子デバイス事業など約20の事業体から構成される幅広い領域において事業を展開している企業です。

幅広い事業を展開すると同時に、「人と、地球の、明日のために。」を経営理念として幅広い事業領域を生かしたSDGsへの取り組みを行っています。

今回は、株式会社 東芝の幅広い事業内容が私たちの生活にどのように関わっているのかをご紹介した後、東芝が重点的に取り組む「気候変動」への取り組みをご紹介します。

株式会社 東芝/ 事業

株式会社 東芝の概要

東芝は、エネルギー・社会インフラ・ストレージなどの「人と地球の明日を支える、社会の基盤となる」事業に取り組む会社です。具体的には、発電システム・上下水道システム・鉄道システムなどのインフラ事業や、電子デバイス事業などの幅広い領域にサービスを展開しています。

近年ではエネルギー不足・資源の枯渇・気候変動による環境問題・人口問題などあらゆる社会問題が顕著になっています。そこで、東芝による先端技術の発展や自動化・省力化がその解決を支えると期待されています。

創業 1875年(明治8年)7月
資本金 2,005億5,800万円
従業員数 117,300名
事業 エネルギーシステムソリューション、インフラシステムソリューション、ビルソリューション、リテール&プリンティングソリューション、デバイス&ストレージソリューション、デジタルソリューション、電池事業

【引用】事業領域 | 会社概要

東芝の事業内容

東芝は、グループとして「エネルギーシステムソリューション」「インフラシステムソリューション」「ビルソリューション」「リテール&プリンティングソリューション」「デバイス&ストレージソリューション」「デジタルソリューション」「電池事業」の7つの事業領域から製品やサービスを提供しています。

今回は、私たちの暮らしにより身近な「エネルギーシステムソリューション」「インフラシステムソリューション」「ビルソリューション」「リテール&プリンティングソリューション」の4つの事業に着目して詳しくご紹介します。

「再生可能エネルギー」発電システムを提供するエネルギーシステムソリューション事業

エネルギーシステムソリューション事業では、原子力発電・火力発電といった大型発電設備に加えて、水力・地熱・太陽光・風力発電などの「再生可能エネルギー発電システム」の事業を展開しています。発電で作った電気を家庭や産業向け施設に届ける「送配電システム」やエネルギーの地産地消を行う「自立型水素エネルギー供給システム」といった私たちの生活に欠かせないエネルギーを提供しています。

【引用】発電事業:製品・技術サービス:再生可能エネルギー

再生可能エネルギー:地球温暖化対策において、大きな期待が寄せられているエネルギー。主なエネルギー源は太陽光・風だが、天候・地形・季節などあらゆる要因から園庭した供給が難しいというデメリットもあります。

エネルギーシステムソリューション事業の内容は主に以下の6つの領域になります。

原子力・火力・再生可能エネルギー発電システム、発電事業(再生可能エネルギー)、送配電システム、水素エネルギーシステム、エネルギーデジタルシステム、粒子線治療装置

社会のライフラインを支えるインフラシステムソリューション事業

【引用】事業領域:インフラシステムソリューション | 会社概要

インフラシステムソリューション事業は、社会の重要なライフラインを支えているお客様を製品・システム・サービスの3点から支える事業です。また、近年ではIoTやAIを取り入れることで安全で安心な社会インフラシステムの構築に貢献しています。
インフラシステムソリューション事業の事業の内容は主に以下の8つの領域になります。

上下水道システム、道路システム、電波システム、鉄道交通システム、受変動システム、通信・放送システム、セキュリティ・自動化システム・モータ/ドライブシステム

ビルソリューション事業

【引用】事業領域:ビルソリューション | 会社概要

東芝は、ビルソリューション事業として快適な暮らしを送る上で不可欠なビル・施設・空調・照明事業において高い省エネ性能で環境面に配慮した製品・サービスや安全性や快適性を向上させています。

ビルソリューション事業の事業内容は以下の5つの領域になります。

エレベーター、ビルファシリティー、照明器具・航空灯火・舞台スタジオ照明、エアコン・空調・熱源システム、冷凍・冷蔵機器

ビックデータ社会の進展に貢献 デバイス&ストレージソリューション

車載・産業用半導体・データセンターに向けて大容量HDDや半導体製造装置、部品・材料事業に注力して事業拡大を行っています。

【引用】事業領域:デバイス&ストレージソリューション | 会社概要

このような高付加価値である製品の供給を通して、ビッグデータ社会の進展や環境負荷の低減、安心安全な社会の実現を目指しているそうです。

デバイス&ストレージソリューション事業の事業内容は以下の6つの領域です。

ディスクリート、システムLSI、ストレージプロダクツ、半導体製造装置、部品、材料

このように、東芝では幅広い事業を通して社会に必要不可欠なライフラインやサービスを提供するとともに環境やあらゆる社会課題に対応しています。

東芝の経営理念

東芝の理念体系は東芝グループ理念体系は、「東芝グループ経営理念」・「私たちの存在意義」・「私たちの価値観」の3つの要素で構成されています。

【引用】東芝グループ理念体系 | 会社概要

東芝グループ理念は「人と、地球の、明日のために。」です。これは、人間尊重を基本に豊かな価値を創造し、世界の人々の生活と文化に貢献する企業集団を目指している姿勢がもとになっています。

「私たちの存在意義」は、東芝が社会において果たすべき役割を示したものです。これまでに培ってきた発想力と技術力を結集し、よりクリーンで持続可能な社会の構築のために努めています。「新しい未来を始動させる」ことが、東芝の存在意義です。

そして、「私たちの価値観」はその存在意義を実行するために東芝が共有し大切にしているものです。東芝は以下の4つの価値観を大切にしています。1つ目が「誠実であり続ける」です。人や地球に対する責任を日々自覚し、誠実な心で行動していく姿勢を大切にしているそうです。2つ目が「変革への情熱を抱く」です。社会を変革するには、熱い情熱が必要になります。世界をより良く変えるために熱い情熱と変化を自ら起こしていく姿勢も東芝では重要と考えています。3点目が「未来を思い描く」です。先の世代のことを見据えることで、社会に与える価値や存在意義を考えています。4点目が、「ともに生み出す」です。互いに協力し合い、信頼されるパートナーとして成長する姿勢も必要になります。

東芝のSDGs戦略

【引用】SDGsへの取り組み:東芝 サステナビリティ

「人と、地球の、明日のために。」の経営理念には東芝が事業を通じて社会の発展に貢献していく信念が含まれています。そして、SDGsが目指す持続可能な社会の実現もこの理念と合致していることが分かります。

東芝は「日々誠実に行動し、世界をよりよく変えていく情熱を持ち、次の、さらにその先の世代の未来を思い描いて、ステークホルダーの皆様とともに新しい未来を生み出していく」というSDGsへの基本指針のもと、複雑化する社会問題に取り組んでいます。

東芝のSDGsの取り組み

東芝では、SDGsに対して事業と事業を支える企業活動の両面から貢献しています。また、1つのゴールに取り組むことによって連鎖的に他のゴールの達成にも繋がるという認識のもと、17すべてのゴールを意識して取り組みを行っています。

【引用】SDGsへの取り組み:東芝 サステナビリティ

東芝は、SDGsが目指すあらゆる課題の中でも気候変動が社会に与える影響を問題視し、その対応こそが最も重要な経営課題の一つだと認識しています。

この認識が、事業活動における温室効果ガスの排出抑制と、提供する製品・サービスにおける排出抑制の両面で行う活動のもとになっているそうです。

今回は東芝が事業を通して行うあらゆる気候変動への取り組みの中から3つの取り組みをご紹介します。

【引用】SDGsへの取り組み:東芝 サステナビリティ

CO₂排出に対する取り組み ーCO₂分離回収技術ー

東芝では、火力発電所などの排気ガスから大気中に放出されるCO₂を分離回収する技術を開発しています。

この技術はCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)といい、プラントから排出されるCO₂を分離し、回収、そして貯蓄する技術になります。この技術の中でも東芝は「回収」に焦点を当てて確立と推進を図っています。

回収の仕組みは、発電などにより発生した排出ガスの中に含まれているCO₂を、吸収塔で吸収液に吸収させ、その吸収液を再生塔で加熱することでCO₂を放出させます。その後も同じ工程を繰り返していくことで連続的に分離させ、回収していく仕組みです。

この技術はあらゆるプラント形態に適用可能なので、新設だけではなく既設のプラントにも設置することで低炭素社会の実現に近づけることができるのです。

【引用】CO2排出に対する取り組み -CO2分離回収技術-:製品・技術サービス:火力

地球上に存在するあらゆる力を安全で安定した電力に作りかえる「再生可能エネルギー」

再生可能エネルギーは地球温暖化対策に有効とされているエネルギーです。東芝では、水力発電・地熱発電・太陽光発電・風力発電などの地球上にあるエネルギーをもとに、電力を提供しています。

また、近年ではVPP(バーチャルパワープラント)の開発にも注力しています。
仮想発電所とも呼ばれ、分散電源や蓄電池など散財しているエネルギー源をIoT機器によって遠隔で制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組みです。

【引用】VPP(バーチャルパワープラント):製品・技術サービス:再生可能エネルギー

再生可能エネルギーはエネルギー源が自然ということもあり、供給が不安定になってしまう恐れがあるというデメリットがありました。その弱点を補う存在としてVPPは注目されています。

水から生まれ、水にかえるエネルギー「水素エネルギー」

日本ではエネルギー供給率の低さと他国からの輸入に依存している状態が課題だったことに加え、CO₂の排出量も未だに大きな課題になっています。

つまり、輸入に頼らずCO₂を排出しないエネルギーが必要だということになります。上記の再生可能エネルギーの果たす役割が期待されていますが、気象条件によって出力が不安定になるなど電力供給の不安定さには一定の課題があります。

そこで、再生可能エネルギーの課題に対する解決策として東芝は水素の貯蔵と転換の能力を利用した水素エネルギー開発に取り組んでいます。

【引用】東芝水素エネルギー事業について:製品・技術サービス:水素エネルギー

再生エネルギーの余力電力を利用して水から水素を取り出し、CO₂ゼロミッションのサイクルとしての水素エネルギーを活用したグリーン水素を提供しています。

まとめ

エネルギー分野をはじめとするSDGs目標と関連性の強い事業内容だからこそ、連鎖的に目標達成に向けて取り組みを行う東芝の姿がとても印象的でした。

今回は、東芝が重点的に推し進めている「気候変動」対策について具体的にご紹介しましたが、東芝では事業内容と事業を推し進める企業内部でのSDGsへの取り組みも行っています。

株式会社 東芝のその他のSDGsへの取り組みはこちらからご確認ください!

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