株式会社レパスト(以下、レパスト)は給食や食堂の受託運営をメインに展開するフードサービス企業です。
気持ちのこもった温かみのある食事がどんな時代にも必要不可欠だという想いから、学校や病院での給食や食事の宅配を提供しています。
2020年にはSDGs検討会を立ち上げ、「食」という観点からSDGsに取り組んでいるレパストは、どのような活動を行っているのでしょうか。
この記事では、レパストの事業内容からSDGsの戦略や活動まで幅広く紹介していきます。
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レパストのビジョン/事業
レパストの概要
レパストは1955年に東京・銀座に創業して以来、さまざまなフードサービス事業を提供しています。
2020年4月末現在、東北から九州まで各地に748店舗の事業所を構え、全国においしい食事を届けています。
レパストが提供する一日あたりの食数は16万食に上り、多くの人の食生活を支えていることがうかがえます。
創業 | 1955年(昭和30年)1月1日 |
設立 | 1960年(昭和35年)6月3日 |
資本金 | 2億500円 |
年間売上高 | 187億円(2019年度) |
従業員数 | 5,400名 |
店舗数 | 748店(国内746・海外2) |
事業 | 社員食堂・学生食堂の受託運営 学校・保育園 給食の受託運営 病院・施設内食事の受託運営 給食・弁当の配食 直営レストラン運営 宿泊施設・売店・福利厚生施設の受託運営 調理師・調理員の派遣 厨房施設の設計、厨房機器・什器・食器の販売 フードサービス関連のコンサルティング |
【引用】会社概要|株式会社レパスト
レパストの主な事業
レパストは給食の受託運営を中心に多くのサービスを展開しています。創業から培ってきた経験とノウハウを活かして消費者の声に寄り添った食事を提供しています。
主な事業の一つが学校・保育園給食や病院・福祉施設給食、社員食堂の運営といった給食事業です。
栄養管理士や栄養士、調理師といった専門家が数多く在籍するという強みを活かし、食事をする人の健康づくりに貢献するメニューを数多く生み出しています。栄養バランスの良い食事に加え、病院給食や福祉施設給食における経験を生かしたヘルシーメニューも用意されています。
さらに、厨房設備がない施設でも温めるだけで食事を提供できる「プチグルメパック給食」といったサービスも展開しています。
給食事業はもちろん、レストラン事業や調理員派遣事業も展開しており、多様なニーズに合わせたサービスの提供が魅力的です。
レパストの企業理念
レパストは日々の「食」において、「心」が原点であるという考えから、社是に「安全」「真心」「和顔」の3つを実現することを掲げています。
この社是を元に、日本の伝統的な心のこもった「食」と向き合っていく5つの企業理念を提示しています。
一.安全、健康、味わいのある食を通じ、社会へ貢献する一.日本の食文化の伝統を継承し、未来への進化を実行する一.高い倫理を以って食を創造し、お客様と共に発展成長する一.安全第一に真心と和顔を以って食を提供する一.お客様を大切に和やかになる食を提供する |
おいしい食事と笑顔を必要とするすべての人に届けるために、社是と企業理念を全従業員で共有して質の高いサービスを実現しています。
レパストとSDGs
レパストは、温かみのある食事を提供することで、消費者の心と体の健康という観点から社会に貢献しています。
心身ともに健康であることは、健全で持続可能な社会活動を行っていく上で欠かせないことです。
ここではレパストのSDGsへの取組事例を一部ご紹介します。
直接関わるSDGs
レパストは様々な場所で食堂を運営していく中で、大学や福祉法人と協力しSDGsの実践に取り組んでいます。
聖学院大学とのSDGsアクションプランの実施
大きな取り組みの1つが、聖学院大学の大学生を中心としたSDGsアクションプラン「食べることで子どもたちの笑顔を増やそう」~国連WFPを通じて発展途上国の子どもたちへ給食を~への協力です。
このプロジェクトは、「食堂寄付メニュープロジェクト学生メンバー」が中心となり、レパストの協力のもと 2019年12月9日から同月23日まで聖学院大学の学生食堂で実施されました。
プロジェクトメンバーが考案した寄付メニューを頼むと、1食につき学校給食1食分である30円を発展途上国に寄付することができます。SDGs目標2「飢餓をゼロに」を実現するための、誰でも参加できるアクションプランです。
プロジェクトで集まったお金は、飢餓問題や栄養問題を解決するための中心的な役割を担う国連世界食糧計画(WFP)に寄付されました。
プロジェクトに対するアンケートでは、「今後も寄付メニューを継続してほしいか?」という質問に対して「常に寄付メニューを提供する方が良い」「一定期間の提供を定期的に実施する方が良い」と答えた人が87%と高い割合でした。
貧困問題や飢餓問題を考え広めるきっかけづくりになったSDGsメニューの取り組み。ぜひ今後も継続してほしいコラボレーションです。
「こども食堂」の開催
もう1つの大きな取り組みが、今年5月に神奈川県藤沢市で行われた「こども食堂」です。
「こども食堂」は、2021年5月23日に藤沢市「湘南わもっか保育園」にてレパストとディップ株式会社、社会福祉法人永寿会の3法人によって共同開催されました。
こども食堂とは、無料または低価格で食事提供を行うコミュニティーの場であり、子どもの貧困対策に加えて地域としてのつながりを深める役割もあります。手作りの温かい食事を食べられるだけでなく、誰かがいる空間で楽しく食事ができるというメリットがあります。
レパストが開催した「こども食堂」では、事前に参加募集した15人の子どもたちと保護者に地元藤沢の食材を利用したカレーライスが無料で提供されました。
さらに、包丁を使い野菜をカットする簡単な調理体験や、クイズ形式の食育活動が行われました。
日本の「子どもの貧困率」は2018年時点で13.5%であり、未だに子どもの7人に1人が貧困状態にあります。さらに、新型コロナウイルスの影響で生活に打撃を受ける世帯も少なくありません。
コロナ禍で学校が休校するなど、コミュニティでの繋がりが分断され孤独を感じる子どもたちも多い中、「こども食堂」を開催したことは未来を担う子どもたちを笑顔にする大きな意味があったのではないでしょうか。
「こども食堂」についての詳しいレポートはこちら
まとめ
レパストはSDGs目標の達成に向け、おいしさへのこだわりと手作りの食事の温かみを活かした取り組みを行っていることがわかりました。
世界の国々だけでなく日本にも関わりの深い貧困問題。レパストは課題解決に向けて行動し、それを発信していくことでより多くの人が飢餓問題や貧困問題について考えるきっかけを生み出していると感じました。
記事内で取り上げた2つの取り組みは、継続的に開催することでより大きな影響力を生み出します。「SDGsメニューの提供」と「こども食堂」、どちらも次回開催に向けて前向きな意見が多く見られました。これらの活動がより多くの人に届くことを願うばかりです。
こうしたSDGsに貢献するイベントを開催している一方で、通常業務における取り組みはまだ手薄い一面もあるように思いました。SDGs検討会を中心にどのような新たな取り組みが生まれるのか楽しみですね。
「食」を通じて笑顔を作っていく企業、レパスト。これからの活動にも期待が高まります。