【SDGs事例集】人とクルマと自然の共生|日産自動車株式会社

#SDGs目標11#SDGs目標13#SDGs目標3#SDGs目標4#SDGs目標9 2021.11.11

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【更新日:2021年11月11日 by 鈴木 智絵

日産自動車株式会社(以下、日産)は「NISSAN」「INFINITINFINITI」「DATUN」のブランドを持つ、自動車事業を展開する企業です。

国内のみならず世界に展開するサービスで常に革新的な車やサービスを提供しています。

私たちの生活に欠かせない、自動車。現在、自動車産業は変革期にあります。このような状況下で、日産はどのようなSDGsへの取り組みを行なっているのでしょうか。事業内容や企業理念と合わせて、幅広くお伝えします。

日産/事業

日産の概要

日産は、1933年に設立されました。日本を走る自動車が「フォード」や「GM(ゼネラルモーターズ))」といった外車ばかりだった明治・大正時代。その時代に、鮎川義介をはじめとする人々が自動車を作り始め、日本の自動車産業の礎を築きました。

設立 1933(昭和8年)12月26日
資本金 6,058億13百万円
従業員 131,461名(連結)
主な事業 自動車の製造、販売および関連事業

【引用】日産|会社情報|会社概要トップ
日産|会社情報|会社概要|会社と商品の歴史(日本)|日産自動車前史

日産の事業内容

現在の事業内容として、自動車の製造や販売・関連事業を行なっています。
自動車事業では上記の通り、3つの自社ブランドがあります。

NISSAN

NISSANは、日本のみならず北米/中南米・欧州・アジア・中東・アフリカなどグローバルに展開するブランドになります。あらゆる国と地域で高い信頼を得ており、革新的な車やサービスを提供しています。

INFINITI

INFINITIは日産のプレミアムブレンドです。革新的な技術と洗練されたデザインで、優れたドライブ体験を味わえます。

DATSUN

DATSUNは、NISSANとINFINITIに続く第3の日産自動車のブランドです。インド・インドネシア・ロシア・南アフリカで提供しています。80年にわたる日本の自動車づくりの技術を蓄積しており、日産のDNAを受け継ぐブランドといっても過言ではありません。

【引用】日産|会社情報|会社概要|事業内容

日産の経営理念

日産自動車は「コーポレートパーパス」と「ミッション」を設定し、それぞれ以下のものを提示しています。

コーポレートパーパス

生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。

ミッション

私たち日産は信頼される企業として、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供します。

【引用】日産|会社情報 | メッセージ・ビジョン | コーポレートパーパス&ミッション

日産のSDGs戦略

日産はSDGsについて、自動車産業において安全で安心かつ持続可能なモビリティをすべての人にもたらし、社会に価値を提供することがより重要になるという認識も示しています。また、環境・社会性・ガバナンスの面からそれぞれの方針を示しています。

環境方針

日産環境理念:「人とクルマと自然の共生」

日産自動車は環境に対する正しい認識を深めるとともに、人や社会、自然や地球を常に配慮しながらクルマづくりやすべての企業活動を行い、より豊かな社会の発展に貢献します。

日産は、環境保全の基本は人間の「やさしさ」にあると捉えています。だからこそ、環境に対する正しい認識を深め、人だけではなく社会や地球環境を思いやる「やさしさ」をすべての企業活動に生かし、豊かな社会の発展に貢献しています。

社会性

日産は「人々の生活を豊かに」したいと考えています。このビジョンには日産ならではの価値を創造し、社会に必要とされる企業であり続けたいとの願いが込められています。このビジョンのもと、グローバルコミュニティの一員として、世界各地の事業所や社員が教育や環境や人道支援等の分野を通して、企業市民としての活動に積極的に取り組んでいます。

ガバナンス

すべてのステークホルダーから信頼され続ける企業であるために、コーポレートガバナンスの向上にも取り組んでいます。グローバルに事業を拡大し、各地域で多様なステークホルダーと活動する企業として、2001年には、「グローバル行動規範」を定めて、日産グループ全社で徹底しています。

【引用】日産|社会貢献の取り組み
SUSTAINABILITY REPORT 2021

日産自動車株式会社のSDGsの取り組み

【気候変動】製品での取り組み ークルマからのCO2の削減ー

対応するSDGs目標

日産では、カーボン・ニュートラルの実現に向けて「2050年までに新車からのCO2の削減を、2000年比で90%削減する」という目標を2006年に定めており、製品と企業の両軸から取り組みを進めています。

今回は、CO2削減に向けた取り組みの1つである、3段階のアプローチをご紹介します。

  1. よりクリーンなエネルギーを採用し、クルマから排出されるCO2を削減
    「ニッサン インテリジェント モビリティ」の戦略のもと、全ブランドへ電動化を拡大。さらに、電気自動車(EV)のラインアップの拡大。主力製品にe-POWER技術の導入を推進する。
  2. コネクテッド・カー開発と実用化の加速。ドライバーへの技術的アシストの推進
    コネクテッド技術とは、クラウドやスマートフォンと車が繋がることで車内のお客様に多種多様なサービスを提供できる技術です。日産は長年技術革新を図ってきました。この技術は、インフォテイメントサービス・高度な遠隔診断や継続的なソフトウェアの展開・ファームウェアの更新を可能にします。電動化技術や自動運転技術の進化を支えるプラットフォームとして開発と実用化を加速させていきます。
  3. クルマの新しい価値の提供
    新しいモビリティサービスの提供とクルマの利用価値の拡大。V2X*を用いたエネルギーマネジメントソリューションのグローバルでの拡大(米国、欧州、日本での商用化)。
    V2Xの商用化に向けたステークホルダーエンゲージメントの実施

*V2X:自動車と自動車、または自動車とインフラが相互通信することで車両を制御し、自動車事故や渋滞の低減を目指す仕組み

【引用】製品での取り組み|気候変動|ニッサン・グリーンプログラム2022|日産

【教育】次世代育成 ー新人作家の登竜門「日産 童話と絵本のグランプリ」ー

対応するSDGs目標

日産では、「日産 童話と絵本のグランプリ」を1984年から開催しています。これは、アマチュア作家の方を対象にした創作童話と絵本のコンテストです。

子どもの本の分野においては、なかなか新人作家が誕生しにくいと言われています。グランプリ受賞作品を「出版」することは、プロの作家として活躍するステップとなっています。出版された童話部門と絵本部門で選ばれた作品は全国約3,500の図書館、約800の近隣の幼稚園・保育園に寄贈されています。

【交通安全】ゼロ・フェイタリティーセーフティーシールドー

対応するSDGs目標

「ゼロ・フェイタリティ」は日産が製造する車に関わる死者数を実質ゼロにする目標です。目標の達成のために自動運転技術をはじめとする安全技術の開発と投入を進めています。2004年からは、「セーフティ・シールド」*という、より高度で積極的な安全に対する考え方に基づいた開発を推進しています。

セーフティ・シールド:通常運転から衝突後まで、クルマが状況に応じて様々なバリア機能を働かせ、少しでも危険に近づけないようサポートし続けるという考え方

この取り組みの1つとして、「おもいやりライト運動」があります。

交通事故の発生が最も多い午後4時から6時までの間に早めにつけるみんなの安全のためにつけるライトを日産では「おもいやりライト」と名付けています。2011年からは「おもいやりライト運動事務局」を設けて、市民参加型の会議やイベントの開催・SNSやウェブサイトを活用した啓発活動を積極的に行っています。

【引用】日産|安全の取り組み|セーフティ・シールド
日産|安全の取り組み|ハローセーフティキャンペーン|おもいやりライト運動

まとめ

変革を迫られている自動車業界において、日産は環境・社会性・ガバナンスの面からすべてのSDGs目標の達成に取り組んでいました。

「車」という切り口で、安全に関する課題から次世代の育成まで幅広く取り組む姿も印象的でした。

今回取り上げた取り組み以外にも、日産では2050年までの目標であるカーボン・ニュートラルに向けたバッテリー技術の革新・新しいe-POWERの開発など世界的かつ地球規模の課題一つひとつに向き合っています。

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