近年、社会問題や環境問題といったSDGsに取り組む企業は、企業価値を高め持続的成長が可能であると消費者や投資家たちの間で話題になっています。
そうした中で、CSR活動は企業にとって欠かせない、社会に貢献するための具体的な活動です。
しかし、このCSR活動について「そもそもCSR活動とは」「CSR活動によるメリットとは」といった疑問が多く寄せられています。
そこで今回の記事では、このCSR活動とはについて、企業が取り組むメリットから企業事例を徹底解説します。
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CSR活動とは?何をする活動なのか?
CSRとは
CSRとは簡単に言うと「企業の社会的責任」です。
「企業の社会的責任」とは企業が製品を開発しそれを売買する上で、社会や環境に配慮をするべきでありその行動全てに、責任があるという事を示します。
企業が利益ばかりに囚われることのないようにするには、CSRは大切な考え方です。
また、CSR活動とはこれら社会や環境に配慮をするべき行動を表しています。具体的に日本企業が取り組んでいるCSR活動は環境保護などが挙げられ、その内容は環境汚染の防止・生物の保護・植林活動など多岐にわたります。
今後はますますCSR活動に取り組む企業が注目されていきますが、中でも貧困や疾病等といった特に貧しい子供たちに向けた活動内容が重要視されています。
理由としては、日本は比較的豊かな国だと思われがちですが、6人に1人は貧困である言われており、この貧困の連鎖を企業のCSR活動で断ち切る必要性があるからです。
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CSRが注目されるようになった3つの背景
企業の不祥事が多い
企業の不祥事にはさまざまな種類があります。個人情報の漏洩や時間外労働などがよく聞く例です。
そうした問題がメディアで取り上げられることで企業への不信感が高まることで、社会的責任が問われるようになりました。
最近では取り組んでいるフリをしているだけのSDGsウォッシュなども問題視されるようになってきています。
環境問題が深刻化している
環境問題は企業が取り組むべき課題の1つとして大きく取り上げられています。
地球温暖化や自然保護などに取り組む企業も増えてきたことで、自然に対しての取り組みは企業を見るうえで注目される一部となりました。
また四大公害などで問題が起きた背景もあり、環境問題へのCSR活動は重要視されています
企業の海外進出が増えると社会への影響は大きくなります。特に社会や環境に対しての配慮が足りなくなるという問題がでてくるのです。
海外地域での違法な労働環境や環境汚染などを改善していくキッカケとしてCSRは重要視されています。
CSR活動を取り組むメリット4選
企業価値が向上する
CSR活動に取り組むことによって、社会や環境に配慮している企業というイメージを持たせることが出来、企業の社会的な信頼に繋がるのです。
CSRに取り組むことは、将来的に自社のイメージアップとともに顧客からの信頼や利益の増加などが期待されます。
こうした顧客からの信頼によって企業の価値は上がり、他社との差別化を図ることも可能になります。
ステークホルダーから支持を得ることができる
企業はCSR活動に取り組むことでステークホルダーから支持を得ることが出来ます。
CSR活動に取り組んでいることをアピールすることで顧客、取引先、投資家などさまざま方面から、社会的責任について考えられている企業というイメージを持たすことが出来るため、新たな取引先などとも強固な繋がりを持つことができます。
従業員の満足度が向上する
CSR活動をすることで企業イメージが上がり、それによって企業はより良い働きやすい環境に変わっていきます。
CSR活動の公表によって社員は自分の仕事が社会貢献に繋がっていることを知れ、仕事に対するモチベーションは変わっていくでしょう。
1人1人が仕事に誇りを持つようになることで生産性がアップするのは企業からすればメリットになり、より一層の利益を求めることができます。
中小企業は地域との関係性を築ける
中小企業のCSR活動にも種類があります。
地域活性化での代表例だと行事や祭事、商店街の活性化などが挙げられます。
行事や祭事に参加をして、イベントなどを開催することは企業側からしてみれば地域顧客の確保、地域側からはイベントでの活性化や情報発信などによる新規住民の増加などが見込めます。
お互いにメリットのある関わりが求められますが、自社に何ができるかを考え実行に移すことで地域との関係性を築けるのは中小企業ならではでしょう。
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企業がSDGsに取り組む4つのメリットを徹底解説|日本企業の取り組みやデメリットも
企業のCSR活動事例7選
企業①トヨタ
トヨタは「豊かな社会づくり」「 お客様第一よい商品」「 創造力と活力」「 共存共栄」の4つの企業理念を掲げ、さまざま取り組みをしている。
・緑化活動 ・障害者移送サービス ・工場見学や職場体験 ・周辺地域の清掃活動、地域と協力した防災訓練 |
企業②ユニクロ
ユニクロでは基本の活動としてリサイクルや回収などで集まった衣服を難民など必要としている人に渡しています。
・衣服のリサイクル ・被災地の方へ衣服の支援 ・一店舗1名以上の障害者雇用 ・瀬戸内オリーブ基金 |
企業③KDDI
KDDIは「安心・安全な情報通信社会の実現」「 安定した情報通信サービスの提供」「地球環境保全への取り組み」「多様な人財の育成による活力ある企業の実現」の4つを重要課題としている。
・スマホ・ケータイ安全教室」や「スマホ de 防災リテラシー」 ・「KDDI GREEN PLAN 2030」 ・被災地支援 |
企業④富士フイルム
富士フィルムは4つの理念から、「環境」「生活」「健康」「働き方」を重点課題とし様々な取り組みを行っている。
・自社のCO2排出削減 ・有効な治療法が確立されていない医療上のニーズ対しての新しい治療法の開発と普及 ・“写真でほめる”子育て新習慣の啓発活動「ほめ写プロジェクト」 |
企業⑤ブリヂストン
BRIDGESRONEでは「安心・安全な Mobility 社会」「AHL(Active Healthy Lifestyle)とD&I」「人財育成・教育」「地域社会」「環境」の5つのターゲット分野を中心に活動している。
・地域の交通安全運動 ・日本国内の災害復興支援の取り組み ・びわ湖生命(いのち)の水プロジェクト |
企業⑥株式会社TONEGAWA
株式会社TONEGAWAは社会との絆を深めるために文京区の方々とのふれあいを中心とした、地域社会へのさまざまな貢献活動に取り組んでいる。
・地域清掃 ・地域イベント協賛、ボランティア活動(お祭りなど) |
企業⑦クオール株式会社
クオール株式会社は事業活動を通じ「医療」「健康」をキーワードとした社会的な課題に取り組んでいる。
・認知症カフェ/認知症サポーターの育成 ・子ども誤飲防止プロジェクトの推進 ・子育て大学(全国各地で開催) ・小・中学生に向けた薬物乱用防止教室(全国各地で開催) |
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《徹底解説》CSR企業ランキング上位の企業の取り組み|上位5つの企業を徹底解説
CSR活動の効果を最大化するためのポイント
自社で何ができるのかを考える
CSR活動を実践するにあたって自社の分析は必須です。
わざわざCSR活動のために新しい分野に手を出してもすぐには効果も出せませんし、リスクも高くなります。
元々企業がやっている分野を使って何ができるかを考えることで独自性が生まれ企業のイメージが定着します。
社内外へのPR
CSR活動を開始したのならば社内外にアピールは必須です。
社外へは活動報告書を公開や配布をするなどして自社の取り組みのアピールを。
社内でも自分がやっていることがどんな貢献をしているのかを理解できれば、社員のモチベーション維持などに繋がるので積極的にPRをしていくのがいいです。
世の中のニーズ
世の中のニーズを理解するのが必要なのは何においても変わりません。
必要のないものに頑張っていると周囲は無駄なものに取り組む企業とイメージを持ってしまうかもしれません。
今何が注目されていて、何が必要なのかを分析したうえで自社で何ができるのかを考えてみてください。
CSR活動の基本がわかる書籍おすすめ3選
SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か
タイトル | SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か |
作者 | 関 正雄 |
出版社 | 第一法規 |
金額 | ¥2530 |
概要 | <第1部 SDGsの本質を理解する>
序章 プロローグ/第1章 持続可能な発展とは何か/第2章 国連目標に関与する企業/第3章 SDGsを企業の視点でどう理解するか/第4章 SDGs時代のCSRを考える <第2部 SDGsへの取り組み実践のヒント> ESG投資とSDGs/ビジネスと人権/気候変動への適応とSDGs/日本企業の取り組み事例/中小企業とCSR/SDGsオリンピック・パラリンピックをめざす東京大会/経営への統合に向けて など |
購入先 | Amazon – SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か | 関 正雄 |本 | 通販 |
社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する
タイトル | 社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する |
作者 | フィリップコトラー
ナンシー・リー |
出版社 | 東洋経済新報社 |
金額 | ¥5980 |
概要 | 義務から戦略への転換。CSRを実践するための戦略的アプローチを豊富な事例とともに解説。 |
購入先 | 社会的責任のマーケティング―「事業の成功」と「CSR」を両立する | フィリップ・コトラー, ナンシー・リー, 恩藏 直人, 早稲田大学大学院 恩藏研究室 |本 | 通販 – Amazon.co.jp |
CSRの基礎
タイトル | CSRの基礎 |
作者 | 國部 克彦 |
出版社 | 中央経済社 |
金額 | ¥3300 |
概要 | 「企業からの視点」と「社会からの視点」。2つのアプローチでCSRを丁寧に解説。 |
購入先 | CSRの基礎 | 國部 克彦, 神戸CSR研究会 |本 | 通販 – Amazon.co.jp |
CSR活動を発信して採用活動に活かそう
CSRにはCSR報告書というステークホルダーに情報開示するためのツールがあり、この報告書は企業のCSRの道しるべになります。
また近頃は企業がどんな貢献を社会にしているのかを重視する人が増えたことにより、CSR報告書の開示やCSR活動のPRなどはやる気やモチベーションのある人材が集まる可能性が高くなります
まとめ
今回はCSR活動について解説させていただきました。
CSR活動は企業について調べる時に重要視されていく項目のうちの1つになっていくものです。
義務付けられていなくとも取り組んでいける企業はきっと良い会社になっていくことでしょう。
今後もさまざまな企業がCSR活動に取り組んでいくことで、より良い社会になっていくのではないでしょうか。
大学2年生。新しいゲームが好きで日々Apple Storeで新作アプリを探しています。
簡単に理解できるようにをモットーに頑張っていきます。