LGBTに取り組んでいる活動団体はどのくらいあるのでしょうか。
近年LGBTへの理解が進んでおり、性的マイノリティの人への対応が求められています。そのような中で、民間の団体がLGBTに取り組むことに大きな意味があります。
今回はLGBTに取り組んでいる活動団体に加え、相談窓口や私たちにできることも紹介します。
【この記事でわかること】 |
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LGBTとは-性的マイノリティについて簡単に解説
LGBTの意味に加え、LGBT以外の性的マイノリティや悩み、アライについて紹介します。
LGBTとは-それぞれの頭文字について解説
LGBTとは「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー」の4つのアルファベットの頭文字をとったものです。
それぞれ「女性の同性愛者」・「男性の同性愛者」・「男性も女性も好きになる人」・「身体的な性と性自認が違う人」といった性的マイノリティを指しています。
身体的な性とは性器などの身体的特徴に基づく性別を、性自認とは自身の性をどのように捉えるかを表した言葉です。
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LGBT以外のマイノリティ-LGBTQやLGBTQ+
以前までは、性的マイノリティの人のことをLGBTと表現していました。
しかし、レズビアンやゲイ、バイセクシュアルやトランスジェンダー以外の性的マイノリティを表す言葉が必要になったことでLGBTQやLGBTQ+と表現されるようになりました。
LGBTQの人たちの悩み
LGBTQの人たちの悩みの1つとして「他人に受け入れられないのではないか」ということが挙げられます。友人や家族に話すと「変な目で見られるのではないか」と考えてしまい、なかなかカミングアウトできない人もいるのです。
また、他の人にLGBTであることをカミングアウトしてしまうような場面も多くあります。
例えば、「LGBT向け」として化粧品を発売すると、当事者は商品を購入する際にLGBTであることをカミングアウトせざるを得なくなってしまいます。
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アライ(ALLY)とは
アライ(ALLY)とは、LGBTQ +の人たちに寄り添いたいと考え、支援する人のことを指します。
今まではストレートの人や団体のことを「アライ」と呼んでいましたが、最近ではLGBTQ +の人たちもアライになろうという動きがあります。
LGBTQ +の人たちがアライになるメリットとして、お互いのマイノリティについて理解しやすいことが挙げられます。
▼参考
アライ(Ally)とは・意味
団体がLGBTに取り組むメリット2選
政府や企業ではなく、団体が取り組むからこそできることがあります。
そしてLGBTに取り組む団体が増えるほど、より性的マイノリティを身近に感じる事ができます。
今回は団体がLGBTに取り組むメリットを2つ紹介します。
政府や企業よりも柔軟な対応ができる
1つ目のメリットは柔軟な対応ができるということです。
例えば、政府がLGBTの人に対策を行うときには法整備が必要であり、時間もお金もかかってしまいます。
また、企業がLGBTに取り組むときには、考案した施策に取り組むまでに数多くの会議を経なければなりません。
これらの取り組みには莫大なお金や時間がかかっていることが多いため、簡単に方向転換することが難しくなってしまいます。
しかし、団体であれば政府や企業よりも規模が小さいので、より柔軟に取り組むことができます。
私たちが簡単に情報を得ることができる
2つ目のメリットは簡単に情報を得られるということです。
例えば、政府の取り組みを調べるためには、それぞれの省庁が公開している資料を読まなければなりません。この資料は一般的に非常に長く、難しい言葉で書かれています。
一方で、団体はそれぞれの団体ごとに取り組みやLGBTについてまとめた記事を公開しています。つまり、団体の数が多ければ多いほど、私たちは情報を得やすくなるのです。
日本でLGBTに取り組んでいる団体7選
日本では数多くの団体がLGBTに取り組んでいます。
今回は日本でLGBTに取り組んでいる団体を7つ紹介します。
にじいろほっかいどう-北海道
1つ目に紹介する団体は「にじいろほっかいどう」です。
にじいろほっかいどうは、北海道で生活しているLGBTの人への差別や偏見をなくす活動を行っています。
月に1回「にじーず札幌」という交流会を開いており、10代から23歳までのLGBT
の人や性自認に違和感を感じている人が参加することができます。
▼参考
にじいろほっかいどう
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LGBTに関する日本の取り組み7選-海外と比較しながら徹底解説-
ESTO-東北
2つ目に紹介する団体は「ESTO」です。
ESTOは、性の在り様に関わらず存在(Est)を尊重(Esteem)されることを目的として、1998年に発足した非営利の団体です
性自認に違和感を感じている若者のための「東北のLGBTユースのサポートを考える会」やメール相談を行っています。
▼参考
ESTO
国際基督教大学ジェンダー研究センター-関東
3つ目に紹介する団体は「国際基督教大学ジェンダー研究センター」です。
国際基督教大学ジェンダー研究センターは、ジェンダーやセクシュアリティの研究に関心がある人たち全てに開かれた新しいコミュニケーションスペースです。
世界に向けて日本のLGBTの現状を積極的に発信することを目的として活動しています。
ダイバーシティラウンジ富山-中部
4つ目に紹介する団体は「ダイバーシティラウンジ富山」です。
ダイバーシティラウンジ富山は、富山大学人文学部が主体となって活動しています。
ジェンダーやセクシュアリティなどの様々な違いを持つ人たちが、やわやわ(ゆるく)交流できる「やわカフェ」を運営しています。
特定非営利活動法人QWRC-関西
5つ目に紹介する団体は「特定非営利活動法人QWRC(クォーク)」です。
特定非営利活動法人QWRCは、LGBTの人や女性のためのリソースセンターです。
フェミニズムの視点を重視しながら、性の多様性が尊重される社会の実現を目指して活動しています。
相談を受け付けている日は限られていますが、LINEで相談することができます。
電話で話しにくいことでもメッセージアプリを使用して気軽に相談することができます。
▼参考
特定非営利活動法人QWRC
プラウド香川-中国・四国
6つ目に紹介する団体は「プラウド香川」です。
プラウド香川は、性の多様性を当たり前にする社会作りを目指して活動を行っている団体です。
LBTをテーマにした映画祭である「香川レインボー映画祭」を開催しており、楽しみながら性の多様性について学ぶことができます。
▼参考
プラウド香川
福岡コミュニティセンターHACO-九州
7つ目に紹介する団体は「福岡コミュニティセンターHACO」です。
福岡コミュニティセンターHACOは、トランスジェンダーやゲイの人のためのオープンスペースを提供しています。
また、YouTubeで取り組みを紹介しており、LGBTの人にとって身近な存在になれるように活動しています。
▼参考
HACO公式サイト
世界のLGBT団体の取り組み2選
日本だけでなく、海外にもLGBTに取り組んでいる団体は多く存在します。
今回は世界で活動しているLGBT団体の取り組み事例を2つ紹介します。
ゲイ・パレード-フランス
1つ目に紹介する取り組みは、フランスで行われているゲイ・パレードです。正式名称は「Marche des Fiertês LGBT」といい、日本語で「LGBTの誇り高き行進」を意味します。
このイベントは年に1回フランスで行われており、LGBTの権利を訴えることが目的です。
華やかな衣装に身を包んだ人々が歌や踊りなどを楽しんでおり、見物する観光客も多数います。
音楽スタジオの提供-アメリカ
2つ目に紹介する取り組みは、アメリカで活動している「Encircle」という団体の取り組みです。
Encircleはアメリカのユタ州に本部を置く団体で、LGBTQの若者に音楽スタジオやアートスタジオを提供しています。
Appleが1億円を超える資金と「iPad」を寄付するなど、世界的な大企業も協賛しています。
▼参考
AppleがLGBTQセンターの設立に1億円超と「iPad」などを寄付
LGBTに関する相談窓口の紹介3選
性自認に違和感があった時や不安に思ったときに無料で相談することができます。
今回はLGBTに関する相談窓口を3つ紹介します。
レインボー・ホットライン
1つ目に紹介する相談窓口は「レインボー・ホットライン」です。
レインボー・ホットラインは咲江レディースクリニックの協賛によって運営されており、LGBT当事者に相談することができます。
電話だけでなく、LINEでも無料で相談することができます。
TEL:0120-51-9181
よりそいホットライン
2つ目に紹介する相談窓口は「よりそいホットライン」です。
よりそいホットラインは一般社団法人の「社会的包摂サポートセンター」が運営しています。
電話やFAX、チャットを通して、24時間・365日いつでも無料で相談することができます。
TEL:0120-279-338
TEL:0120-279-226(岩手県・宮城県・福島県専用の電話番号)
▼参考
よりそいホットライン
こころの相談
3つ目に紹介する相談窓口は「こころの相談」です。
こころの相談は、医療・カウンセリング・福祉・教育などの分野でレズビアン&ゲイコミュニティーに貢献している「AGP」が運営しています。
毎週火曜日の夜8時から10時までと相談できる時間は限られていますが、AGP会員の医師や臨床心理士に相談することができます。
TEL:050-5806-7216
▼参考
AGP ON LINE
私たちにできること
私たちにできることとしてアライになることが挙げられます。
その中でも日常生活の中で取り組みやすいことを2つ紹介します。
言葉を吟味する-異性愛を前提にしない
1つ目に紹介することは人と話す際に言葉を吟味することです。
例えば、人と話をしていて恋人がいるかどうかの話になった場合、どのように質問すれば良いでしょうか。
「彼氏(彼女)はいるの?」と聞くと相手が異性愛者であることを前提に話を進めていることになってしまいます。
「彼氏(彼女)はいるの?」ではなく「恋人はいるの?」と聞くことでLGBTの人に配慮できます。
Welcoming out-カミングアウトしやすい環境を作る
2つ目に紹介することはカミングアウトしやすい環境を作ることです。
カミングアウトとはLGBTの人たちが性的マイノリティであることを公言することを意味します。
アライとして、カミングアウトはウェルカムだというWelcoming out(ウェルカミングアウト)をすることができます。
例えば、LGBTQに関連するニュースに対してポジティブなコメントをする、リツイートするといったことが挙げられます。
「この人になら性的マイノリティであることを打ち明けられる」とLGBTの人に思ってもらえることが大切です。
▼参考
Ally(アライ、LGBTQの理解者)にできること:ウェルカミングアウトをしていこう
まとめ
LGBTに取り組んでいる団体について新しく知ったことはありましたでしょうか。
日本にはLGBTに取り組む団体が数多くあり、それぞれの団体が様々な取り組みを行っています。電話相談や情報発信に加えて、交流会や映画祭を開催している団体もあります。
自治体や企業と異なり、団体は柔軟な対応ができます。そのため、取り組みの幅が広く、多くの性的マイノリティの人を取り組みの対象にすることができます。
LGBTの方々が過ごしやすい社会になるために、より多くのことに取り組む必要があります。
大学では国際デザイン経営学科に所属し、解決が困難な問題をあらゆる角度から解決できるようにするため、日々勉学に努めている。