全国清涼飲料連合会、「2030年ボトルtoボトル50%」を宣言|ペットボトルの「水平リサイクル」実現に向け一歩

#SDGs目標12#SDGs目標14 2021.04.22

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【更新日:2021年4月22日 by 佐野 太一

引用:一般社団法人全国清涼飲料連合会報道発表資料

全国清涼飲料連合会(全清飲)は4月19日、ペットボトルの「水平リサイクル」実現に向け、2030年までに「ボトルtoボトル」比率50%を目指すことを宣言した。

水平リサイクルとは、使用済みプラスチックを元の素材と同等の品質に戻す取り組みのこと。使用済みペットボトルを何度もペットボトルとして再生させるリサイクルは、「ボトルtoボトル水平リサイクル」と呼ばれ、同じ材料を何度も資源循環させるリサイクルの理想形だと言える。全清飲によると、2019年の「ボトルtoボトル」比率は12.5%だった。

清涼飲料水のペットボトル商品に使用されているPET(ポリエチレンテレフタレート)は、最もリサイクルに適したプラスチック材料の1つで、使用済ペットボトルが正しく回収されれば、水平リサイクルを比較的容易に実現できるとされている。

将来的には、「マテリアルリサイクル技術の進歩」、「ケミカルリサイクルの確立」、「植物由来素材の開発」を通じて、ボトルtoボトルリサイクルのさらなる比率向上を目指すという。

◎2030年ボトルtoボトル50%に向けた計画のイメージ図

引用:一般社団法人全国清涼飲料連合会報道発表資料

また、ペットボトルの水平リサイクル実現に向け、東京都と設立したコンソーシアム「ボトルtoボトル東京プロジェクト」の取り組みの一環として2つの実証実験を実施した。

  1. 新デザインのリサイクルステーションを使った消費者の分別に対する行動変革の検証(2021年1月~2月)
    ・機材デザインと啓発メッセージによるペットボトル・キャップ・ラベルの3分別回収について検証。
    ・駅、配送センターなど現状はペットボトルの回収機会が提供されていない場所で、消費者ニーズの把握と新しい 回収機会の場所での3分別回収について検証。 
  1. 自動販売機横のリサイクルボックスの異物混入対策としての「下向き投入口」デザインの検証(2020年11月)

消費者の分別に対する行動変革の検証では、適切な啓発メッセージと機材があれば、3分別(ペットボトル・キャップ・ラベル)に対しての消費者理解が得られることが確認された。自動販売機横リサイクルボックスの「下向き投入口」を設置すると、異物混入率は43%から29%に減少した。今後は他エリアでの検証も実施する予定だ。

◎実証実験で使用した機材

引用:一般社団法人全国清涼飲料連合会報道発表資料

アサヒ飲料や伊藤園など日本を代表する飲料メーカーで構成される全清飲は、2018年11月に「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」としてペットボトルの100%有効利用を目指すことを宣言している。ボトル to ボトル水平リサイクルの達成比率は、その目標の達成度合いに直結することになる。

なお、SDGsではゴール12「つくる責任 つかう責任」として天然資源の持続可能な管理および効率的な利用が掲げられているほか、ゴール14「海の豊かさを守ろう」として海洋プラスチックごみをはじめとした海洋ごみの大幅な削減が重視されている。

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