ブロックチェーンでCO2排出/削減量を見える化|株式会社IHI

#SDGs目標7#環境#脱炭素 2022.02.02

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【更新日:2022年2月2日 by 大田守真

株式会社IHIは、CO2排出/削減量をブロックチェーン技術により記録・見える化し、環境価値に変換して外部市場に流通させる仕組み「環境価値管理プラットフォーム」を構築し、実装を開始した。

IHIでは、既にサービス展開されている、顧客の装置や設備の稼働データをクラウドサーバに集積し、モニタリング、データ分析、データ利活用により故障予兆検出や稼働率向上を図るIoT基盤ILIPS(IHI group Lifecyle Partner System)を用いて実装が行われた。

引用:株式会社IHI

脱炭素社会に向けて、IHIでは技術的にCO2排出量を減らす様々な新しい技術の開発を行っている。

これと併せて、IHIは環境意識の高い消費者からエネルギーのグリーン化やCO2排出削減などに取り組む企業に資金が確実に届く、持続可能な価値連鎖モデルをデジタルで構築することによって、脱炭素社会の実現に貢献したいと考えている。

現在、日本国内においても再エネ・CO2削減価値創出モデル事業の実装・商用利用などの社会変革が進んできていることから、IHIでは社会全体で共創した環境価値取引システムを見据え、株式会社NTTデータの協力のもと、IHIと顧客を繋ぐプラットフォームであるILIPSに環境価値管理機能を実装した。

本仕組みでは、ILIPSクラウドに蓄積された稼働データから、自動で従来のCO2の排出量および削減量を計算し、ブロックチェーンにて記録・見える化が実現した。

さらに創出したCO2削減量を、企業間取引や環境省が中心となり推進しているJ-クレジット取引市場 (ezzmo)(※2)への流通を見据えて、スマートコントラクト(※3)により環境価値としてトークン(デジタル証明書)化し、外部へ連携する機能を実装した。

(※2) J-クレジット取引市場(ezzmo:イツモ)
省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度において、環境省がブロックチェーンを活用したJ-クレジット取引市場の創出支援を行うもので、最短で2022年度からの運用開始を目指している。

(※3) スマートコントラクト
ブロックチェーンシステム上で、あらかじめ設定したルールに従って、取引などのプロセスを自動的に実行するプログラム。取引の記録や履歴が残るため、信頼性と透明性が確保される事が特徴。

取引のためには信頼性が担保された排出/削減量のモニタリングと結果報告および検証が重要になりますが、ブロックチェーン技術を活用することで、複数の企業でデータを共同管理するため透明性・信頼性が確保され,データが改竄されることを防ぎ、第三者検証も可能となる形での記録を実現している。

IHIでは、本仕組みを昨年10月から3ヵ月間、ILIPSを搭載している複数製品においてトライアルで適用し、CO2排出/削減量の記録・見える化から環境価値への変換について運用を確認しました。今後、IHIグループ製品に限らず、稼働データを収集できる様々な装置・設備への展開を計画している。

現在、IHIはCO2削減量に焦点を当てているが、今後は様々な種類の環境価値管理に展開できるよう、基盤整備を進めていく計画を立てている。

IHIは、今後よりいっそう脱炭素社会の実現のほか、様々な社会課題解決に向けてアクションしていくだろう。

 

▼脱炭素についてはこちら

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