SDGs11「住み続けられるまちづくりを」私たちにできること8選

#基礎的サービス#居住#強靭性(レジリエント)#社会的保護#脆弱#防災 2022.12.28

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SDGs11「住み続けられるまちづくりを」は、都市を包摂的、安全、強靭かつ持続可能なものにするという目標です。世界の人口の半数に当たる35億人が都市で暮らしており、都市の人口増加は深刻化しています。さらに「住み続けられるまちづくり」をめぐっては、気候変動、貧困など多様な問題が関係しています。

SDGs11「住み続けられるまちづくり」について、日本や世界ではどのような課題があるのでしょうか。またSDGs11の課題に対する解決策とは何でしょうか。

この記事では、SDGs11を取り巻く日本や世界の課題や、SDGs11を達成するために私たちができること、日本や世界の取り組み事例を解説します。

【この記事でわかること】※クリックするとジャンプします。

SDGs11「住み続けられるまちづくりを」目標の概要と現状

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」では、包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市および人間居住を実現することをテーマとし、10個のターゲットが設定されています。

SDGs目標11は「住居に関する問題」に焦点を当てた目標で、性別や障害の有無に関係なく、すべての人が安心・安全な暮らしができる環境づくりを目指しています。

安心・安全な暮らしの環境づくり以外にも、世界各国の文化遺産自然遺産の保護保全もSDGs目標11のターゲット項目の一つです。そのほかのSDGs目標11におけるターゲットについては、以下のとおりです。

11.1 2030年までに、すべての人々の適切、安全かつ安価な住宅および基本的サービスへのアクセスを確保し、スラムを改善する。
11.2 2030年までに、脆弱な立場にある人々・女性・子ども・障がい者および高齢者のニーズにとくに配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、すべての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
11.3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、すべての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4 世界の文化遺産および自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
11.5 2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に焦点を当てながら、水関連災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
11.6 2030年までに、大気の質および一般並びにそのほかの廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人あたりの環境上の悪影響を軽減する。
11.7 2030年までに、女性・子ども・高齢者および障がい者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
11.a 各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済・社会・環境面における都市部、都市周辺部、および農村部間の良好なつながりを支援する。
11.b 2020年までに、包含・資源効率・気候変動の緩和と適応、災害に対するレジリエンスを目指す総合的政策および計画を導入・実施した都市および人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組み2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
11.c 財政および技術的支援などを通じて、後発開発途上国における現地の資源を用いた、持続可能かつレジリエントな建造物の整備を支援する。

参照:外務省「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」

関連記事:SDGs11「住み続けられるまちづくりを」の現状を徹底解説

 

SDGs11「住み続けられるまちづくりを」を取り巻く日本と世界の6つの課題

ここまでSDGs目標11の内容や現状についてまとめていきました。

続いてSDGs目標11における世界各国で発生している問題について、説明していきます。

関連記事:SDGs11「住み続けられるまちづくりを」3つの問題点とその解決策を徹底解説

都市部の人口集中

日本にかぎらず、世界各国で都市部における人口集中が問題になっています。世界の都市部圏の人口割合は年々増加しており、2030年には世界全体の都市人口が50億人を超えると推定されています。

とくに日本では埼玉県・千葉県・神奈川県を含む1都3県に、日本における総人口の約3割が居住しています。日本の都市部における人口集中は、世界の中でも著しく増加傾向にあります。

都市部には雇用の機会が多かったり、教育や医療が充実していたりなどさまざまな要因によって、多くの人が都市部へと移住しています。

地方人口の高齢化

都市部への人口が増える一方、地方では高齢化が問題となっています。日本における2019年の高齢化率で最も高い数値であるのが秋田県です。高齢化率は今後、すべての都道府県で上昇すると見込まれています。とくに秋田県では、2045年に高齢化率が50%を超えると推定されています。

地方での高齢化が進む理由として、若者が職を求めて都市部へ移住することが挙げられます。地方では、若者にとって魅力的な働き場所が少なく、地方の経済の支えとなる企業も減少しています。これにより、若者も都市部へと移住せざるを得なくなっています。

環境への悪影響

都市部に人口が集中することによって、環境にも影響が現れます。とくに大気汚染が悪化し、地球温暖化など環境問題が深刻になっていきます。

大気汚染には自然に発生する場合(自然発生源)と、社会活動を行う際に発生する場合の2種類があります。工場から発生したり、私たちが生活の中で自動車に乗ったりすることで発生する大気汚染は、後者に該当します。

現在は大気汚染による酸性雨光化学スモッグPM2.5などさまざまな環境問題が発生しており、世界各国における課題のひとつです。

健康状態の悪化

都市部への人口集中は、都市部で暮らす人々の健康状態にも悪影響を及ぼします。都市部で大量に発生する大気汚染が原因により、2019年には世界各国で年間推定670万人が亡くなっています。とくに中国では大気汚染問題が深刻化しており、年間で100万人以上が亡くなっています。

大気汚染のほとんどは、とても小さな粒子がほこりや煙となって空気中を漂っており、私たちの気道に侵入していきます。これにより肺がん脳卒中心臓病などの重病を引き起こす可能性があります。

人々が健康に暮らしていくためには、保健医療システムの強化だけではなく、大気汚染対策などの環境整備を行うことが重要です。

スラム街の拡大

発展途上国に限らず、先進国においてもスラム街は存在します。世界各国でスラム街で暮らす人々は増加傾向にあり、問題となっています。

地方で暮らす人々がより収入を得られる仕事を求めて都市部へ移住するものの、職を得られずスラム街で暮らさなければならなくなっています。2019年度以降は、新型コロナウイルスの拡大に伴って職を失った人々の増加が、スラム街で暮らす人口増加を引き起こす原因の一つとなっています。

スラム街では、上下水道や道路などのインフラ整備が未整備であったり政府や警察の目が届かないことにより犯罪が多発したりとさまざまな問題が生じます。そのほかにも、医療などの基本的なサービスが受けられないことから、伝染病も拡大しやすくなっています。

すべての人が安心・安全に暮らすためには、基本的なサービスの提供やインフラの整備が必要です。

スラム街
…都市部で多くの貧困者が集団となって住んでいる区域のこと。

自然災害の拡大

自然災害には、台風や洪水などさまざまな種類があります。日本だけでなく世界各国で、自然災害が起こっており、地域によっては深刻な問題となっています。

日本は世界の中でも、自然災害が発生しやすい国です。自然災害の中でも台風が最も多く発生しており、地震洪水と続きます。とくに1995年に起きた阪神・淡路大震災や、2011年に起きた東日本大震災は、大規模な被害が出ています。

日本以外の国でも自然災害の被害は深刻です。アフリカ東部や南部に位置する一部の地域では、洪水や地滑り、干ばつなどの災害が発生し、食料不足に直面しています。

SDGs目標11は、このような自然災害における被害者数を削減し、発生しても被害を最小限に留めるために目標が設定されています。

 

SDGs11「住み続けられるまちづくり」のために私たちにできること8選

ここまでSDGs目標11において、日本や世界で問題となっている課題についてまとめていきました。

次にSDGs目標11を達成するために、私たちだけでなく中学生や高校生もできることを8つ解説していきます。

関連記事:SDGs11達成のために私たちができること-子供でもできる取り組みを紹介

地域の魅力を考える

都市部における人口集中や地方における高齢化を防ぐためには、都市部へ移住する人を減らし、地方に足を運ぶ人を増やしていく必要があります。そのためにはその地域特有の食べ物や観光名所などを、多くの人に知ってもらうことが大切です。

たとえばその地域で生産される食材を探してみたり、地域の歴史を振り返ったりしてみることでその地域ならではの魅力が見つかります。

地域の魅力を発見できれば、食材を活かした料理・お菓子を作ることや観光名所としてアピールするなど、さまざまな方法で多くの人に認知してもらうことができます。まずはその地域固有の食べ物やスポットを探してみましょう。

地域の活動へ参加する

自分が住む地域が開催する活動に参加することも、SDGs目標11の達成につながる取り組みです。その地域が行う活動は、地域の広報誌や回覧板、街の掲示板やインターネットなどの手段を利用して、情報を得られます。

たとえば地域の活動として、清掃活動や防災訓練などがあります。そのほかにも地域で開催されるお祭りや、ボランティア活動への参加もSDGs目標11の達成に貢献する方法の一つです。

避難所や避難ルートを確認する

SDGs目標目標11の達成には災害にも強く、災害が起きても被害を最小限にできるまちでなければなりません。そのためにはそのまちで暮らす私たちも自然災害対策を徹底する必要があります。

自然災害対策の一つが、避難所や避難ルートを確認することです。在宅中や学校など、場所によって避難場所やルートは異なってきます。

実際に災害が起きたとき、自分がどこにいても慌てず避難できるよう家族や友人と避難所・避難ルートをしっかり把握しておきましょう。

防災グッズや備蓄用食料を準備する

地震などの災害が起きた際、食料や生活必需品が容易に手に入らなくなる場合もあります。そのときに役立つのが、防災グッズ備蓄用食料です。

防災グッズは「持ち出し用」と「自宅避難用」の2種類があります。「持ち出し用」と「自宅避難用」とでは、準備する物が異なってくるため、それぞれ本当に必要なものを用意することが大切です。

また現代では、備蓄用食料も種類が豊富になっています。万が一の備えとして、飲料水や3日分の食料を備えておくようにしましょう。

土砂災害や河川の氾濫の危険性がある場所を把握する

自然災害対策として、土砂災害や河川の氾濫が起こりやすい場所を把握しておくことも大切なことです。

たとえば土砂災害は、雨水が土壌に浸透することで地表がゆるくなり、「がけ崩れ」や「地すべり」を引き起こします。山岳地帯や地表の傾きが急な地域ではとくに発生しやすいため、注意を払う必要があります。

内閣府が公開している防災に向けたサイトでは、日本国内で土砂災害が起こりやすい場所や、土砂災害から身を守るための方法について、解説をしています。みなさんも一度目を通してみてはいかがでしょうか。

内閣府 防災情報のページについて詳しくはこちら▼
https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h27/79/special_02.html

助けが必要な人やマークを知る

すべての人が安心・安全で暮らすためには、社会的に苦しい立場にいる人々も暮らしやすいまちでなければなりません。そのような人々の力になるためには、私たちが助けが必要な人の存在やそのマークについて理解する必要があります

たとえば障害や疾患をもつことが外見からではわからない人が周囲に支援を求めやすくなるよう、作成されたのが「ヘルプマーク」です。これを付けることで、なんらかの支援や配慮が必要であることをアピールできます。

そのほかにも女性が妊娠した際に身につける「マタニティマーク」があります。電車などの交通機関を利用する際にこれを付けることで、周囲の人が配慮しやすくなります。

私たちはそれぞれのマークについて理解し、支援や配慮をすることが大切です。

移動には徒歩や自転車を使う

住みやすいまちづくりを実現するためには、私たちが暮らすまちの環境にも配慮しなければなりません。

住みやすいまちづくりのためには、大気汚染を拡大させる要因の一つである自動車の利用を減らし、自転車を使ったり自分の足で移動したりすることが必要です。

どうしても自転車や徒歩では移動できない距離の場合、電車や新幹線などの公共交通機関を利用することで、大気汚染への影響を少なくできます。

自動車を利用する場合は、急アクセルや急ブレーキをかけないようにしたり、車内をエアコンで冷やしすぎないようにしたりと、「エコドライブ」を心がけてみましょう。

家庭の電気を自然エネルギー由来のものに変える

環境を考慮した取り組みとして、使用する電気を石油や石炭などの化石燃料由来のエネルギーではなく、太陽光や風力など自然由来のエネルギーに転換することも挙げられます。

再生可能エネルギーの中でもとくに家庭で取り入れやすいのが、太陽光発電です。太陽光発電は初期費用がかかるものの、屋根の上や屋上などちょっとしたスペースに設置できます。そのため長期間使用することで、ランニングコスト削減につながります。

家庭で太陽光発電を取り入れることが難しい場合は、契約している電力会社のプランを再生可能エネルギー由来の電力を使用したプランに変更することで、環境にやさしい電力を使用できます。

 

SDGs11達成に向けた日本の取り組み事例3選

ここまでSDGs目標11達成に向けて、身近にできる8つの取り組みについてまとめていきました。

続いて日本の自治体が行っている、SDGs目標11達成に貢献する取り組みを紹介していきます。

関連記事:SDGs11日本の取り組み事例6選-自治体・企業・学校・個人の事例を解説

地域おこし協力隊|長野県

長野県では、地域産業の振興や地域活性化を目指して活動を行う「地域おこし協力隊」が存在します。

2022年11月には17人の隊員が所属をしています。取り組み事例として、二酸化炭素排出量削減に向けた活動や、長野県での暮らしの支援などの活動があります。

現在20歳から50歳の人を対象に、地域おこし協力隊の隊員を募集しています。長野県伊那市へ移住ができ、地域活性化に関心がある人はぜひ応募してみてください。

都市と田園の共存|新潟県

新潟県新潟市は、2022年5月にSDGs目標の達成に向けて、優れた取り組みを行う自治体として「SDGs未来都市」に選定されました。新潟市は「食」と「農」の創出に向け、都市と田園が共存する強みを活かしていきます。

取り組みとしてコンパクトなまちづくりに取り組んでおり、都市部で暮らしながら田園部の豊かな自然や農産物の恵みを受けやすい環境づくりを目指しています。

そのほかにも新潟市の中で重要な産業である農業に従事する人の減少を改善するため、農業体験ができる機会を設けています。

人々の健康づくり|福島県

福島県郡山市も2019年7月に内閣府から「SDGs未来都市」に選定されました。郡山市は「健康」をキーワードとして、経済・社会・環境における持続可能なまちづくりを目指しています。

郡山市は「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」の実現や「小さな拠点」の形成に向けて、ICT(情報通信技術)を最大限に活用した効率のよい行政システムの導入などに取り組んでいます。

そのほかにも東日本大震災により、いまだに安定した生活ができていない避難者の生活や生業の回復を目指した取り組みも行っています。

コンパクトシティ・プラス・ネットワーク
…地方での活力を維持しながら、医療・福祉・商業などの生活機能を確保し、誰でも安心して暮らせるまちのこと。
小さな拠点
…内閣府が進める、過疎地域における集落の再生のこと。日常生活に必要となる施設・機能や地域活動を行う場を、歩いて行ける範囲に集中させること。

SDGs11達成に向けた日本企業の取り組み事例3選

ここまで日本の各自治体が取り組んでいる、SDGs目標11の達成に向けた取り組みについて紹介していきました。

次に日本企業が取り組むSDGs目標11の達成に貢献する取り組みについて、まとめていきます。

ヘリコプター直接衛星通信システム|三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、人々の暮らしを支える社会インフラ向けの製品・システム・サービスを通じて、安心で安全な持続可能な社会の実現に貢献しています。

取り組みとして、「ヘリコプター直接衛星通信システム」があります。地震や火災の発生時に被災地の空撮映像をヘリコプターからリアルタイムで伝送することで、被災地の状況を正確に伝え適切かつ迅速な救護活動などの対応ができます。これにより、災害などによる被害を最小限に留めます。

さらに高性能なレーザーとライトインカメラを搭載した「三菱インフラモニタリングシステム」を用いて、道路・鉄道・トンネルなどの点検や補修更新作業にも取り組んでいます。

公共施設における施設命名権の取得|株式会社ブルボン

株式会社ブルボンでは、関東大震災の影響により地方への菓子供給が全面的に停止した状況を踏まえて地方での製品製造を開始しました。現在は、菓子・飲料・食品の開発や製造、販売を通じて豊かな生活と健康の支援に向けて取り組んでいます。

株式会社ブルボンは、心と体の健康と災害支援活動に貢献するため、兵庫県立三木総合防災公園室内テニス場の施設命名権を取得し、さまざまなイベントや大会を開催しています。

そのほかにも、本社ビル・工場がある新潟県柏崎市の小学校に花の苗や球根を寄贈することで、命の大切さを学びながら自然にふれあう機会を設けています。

SMC SDGs TARGET|SMC株式会社

SMC株式会社は自動制御技術を通じて、社会が直面している課題の解決に向けて「SMC SDGs TARGET」を4つ策定しています。

策定された4つのターゲットのうち、SDGs11にも関係しているのが気候変動防止対策です。製品を製造する際に排出される二酸化炭素を削減するため、省エネルギーシステムの導入を行っています。

また生産・物流方法も見直しており、梱包廃棄物ゼロを目指して目標を定めました。2030年までに梱包廃棄物を2020年度比で、80%削減に取り組んでいます。

SDgs11達成に向けた世界の取り組み事例3選

ここまで日本企業における、SDGs目標11の取り組み事例を紹介していきました。

最後に世界各国が取り組んでいる、SDGs目標11達成に向けた取り組みをまとめていきます。

住宅の省エネルギー化|ベルギー

ベルギーの首都ブリュッセルでは、排出される温室効果ガスのうち建物で使用する冷暖房が半分を占めます。そのため、建物のエネルギー効率を向上させる政策が実施されています。

そのうちの一つが、新築の建物におけるエネルギー消費量の削減です。ブリュッセル地域政府は、2015年に新しい建物に「パッシブハウス」と呼ばれる省エネルギー基準を義務付けています。

この基準を満たした建物は、断熱性能が強化されているため冷暖房をあまり使用せずに、快適に過ごせます。

パッシブハウス
…ドイツ発の省エネルギー住宅のこと。世界基準に基づいて建てられており、住み心地のよさを追求した住宅。

歩行者・自転車道の整備|イギリス

イギリスでは、温室効果ガスの排出や大気汚染の原因となっている自動車の使用頻度を減らすため、歩行者と自転車を中心としたまちづくりを目指しています。

都市の大きな通りに歩行者・自転車専用レーンを設けることで、快適にウォーキングやサイクリングができます。

また毎年9月22日には「カーフリーデー」を開催しています。「カーフリーデー」では、公共交通機関以外の自動車の走行が禁止され、道路を歩行者・自転車に解放しています。

グリーンシティ|アメリカ

アメリカのミシガン州デトロイトは、かつて産業で大きく発展したものの、その後衰退しています。自動車産業の中心地であったデトロイトは、現在は都市部の税収減少により、都市サービスの維持やインフラの整備が困難となっています。

この問題を解決するためにミシガン州が取り組んでいるのが、「Detroit Sustainability Action Agenda Framework」です。デトロイトを環境にやさしい都市であるグリーンシティにすることで、新しい住民やビジネス、開発を呼び込んでいます。

Detroit Sustainability Action Agenda Framework」ではグリーンシティ形成に向けて4つの目標を掲げており、人々の健康や地球にやさしい環境づくりに取り組んでいます。

まとめ

SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」では、すべての人が安心で安全な暮らしができる環境づくりを目指して、ターゲットが設けられています。

現在日本だけではなく、世界各国で都市部における人口集中が発生しています。都市部へ移住する人が増加している一方で、地方では少子高齢化が発生しており、仕事の後継者不足などの問題が起きています。そのほかにも都市部の人口が増加することで、大気汚染が悪化したり健康状態に悪影響を及ぼしたりとさまざまな問題があります。

安心で安全な暮らしのために、私たちは都市部だけでなく地域の魅力を理解し積極的に地域のイベントに参加することが大切です。また地震や津波などの自然災害が発生しても被害を最小限にするため、各自が避難場所・避難ルートを把握し防災グッズを備えておく必要があります。

そのほかにも環境を考慮して、移動する時は自動車ではなく自転車を使ったり、自分の足で歩いたりと、工夫することでSDGs目標11に貢献できます。みなさんもまずは自身が暮らす地域について、調べて見てはいかがでしょうか。

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