政府や企業で大きく取り上げられるようになったSDGs。
日本でも各種メディアが東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて特集を組んでいたり、企業のCSRや地方自治体の単位での地方創生戦略の中にも頻出するようになりました。
一方で「SDGsって何か胡散臭いなあ。」と思う方はいらっしゃいませんか?
実際に、SDGsの取り組みについて一部の方から批判を受けている場合もあります。
今回の記事では、SDGsが批判を受ける原因と、意味のあるSDGs活動をするためにすべきことをまとめました。
見出し
SDGsが批判を受ける原因 3選
理由①「流行」として捉えられているから
SDGsは近年非常に話題に上ることが増え、認知度が大きく上がりました。
政府や企業の取り組みも幅を広げ、2021年の流行語大賞では「SDGs」や「ジェンダー平等」がノミネートされました。
同時に、SDGsは一時的な流行で、すぐに取り組まなくなるだろうと捉えられかねません。
本来SDGsは「持続可能な開発目標」であるのに、流行り廃れがあるのは本末転倒です。持続することを前提に取り組む必要があります。
理由②経済発展は両立できないとされているから
SDGsは経済発展と両立できないという意見が上がってしまうのも、SDGsが批判を受ける要因の1つです。
なぜこのような意見が上がっているかというと、これまでの経済発展によって環境問題が生じているからです。
ただ、SDGsの目標の中には、目標8として「働きがいも成長も」を設定しています。
したがって、経済発展のために環境破壊を見て見ぬふりする、あるいは環境保護のために経済をストップする、というどちらかによった考えではなく、2つの目標が共存していけるように視野を広げることが重要です。
理由③ゴールと矛盾している点がみられるから
SDGsを掲げるいまの世界と日本が向かう先が、SDGsの本来意図とずれてきているのではという「取り組みの矛盾」を指摘する声が上がっています。
一例を挙げると、うわべだけSDGsに取り組んでいるようにみせることを「SDGsウォッシュ」と言います。例えば、根拠がないのにその企業が発売した商品に「エコ」「省エネ」などと記載していたり、曖昧な表現を用いていたりする場合に用いられます。
SDGsウォッシュについて詳しくはこちらから▼
意味のあるSDGs活動を行なうためにするべき2つのこと
SDGsが批判される原因についてまとめましたが、実際どのようにSDGsに取り組めば良いのでしょうか。
①SDGsを自分ごとにする
1つ目は、システム的に取り組むのではなく自分の行動と考え方を捉え直す、ということです。取り組みや結果などわかりやすい指標も大切ですが、それよりも取り組む姿勢自体が大切です。
また、SDGsというと環境問題や貧困問題を1番にイメージされる方もいらっしゃると思いますが、もっと身近な場面で小さな問題が起こっているはずです。
例えばジェンダー問題に関して日本では、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の進捗が芳しくありません。SDGsの達成度を国際的に比較した報告などを見ると、日本は上位の国と比べ、目標5が突出して悪い状況です。
逆に健闘しているのは、目標6「安全な水とトイレを世界中に」や目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」です。
自分が日々感じる違和感はSDGsの目標達成すべき課題に含まれているはずです。身近なところからできることを少しずつ取り組むことでも、SDGsに貢献できます。
②SDGsウォッシュ批判を避ける
2つ目は、先程挙げた「SDGsウォッシュ」に関する批判を避けることです。
企業などでSDGsの取り組みのメリットだけを誇張し、他がおざなりになると、SDGsウォッシュ批判を受けやすくなります。
例えば、環境保護に取り組むために植林プロジェクトをアピールする企業が商品を作るときに大量の廃棄物を生み出していることを公にされると、批判が集まってしまいます。
それらの批判を避けるには、言行の一致が必要です。
急速に広がったSDGsの流行についていくために、方針に現実が追い付かず、SDGsウォッシュに見えてしまう企業もまだ少なくありませんが、そうした批判を通して、対策を進めることが重要です。
まとめ
SDGsが批判を受ける原因と意味のあるSDGs活動のためにすべきことについてご理解いただけたでしょうか。
多様な目標があるからこそ、自分たちが取り組む目標を定めることが必要です。また、取り組む内容以上に取り組む姿勢を持つことで、自分なりにSDGs目標に貢献できるはずです。
この記事を読んでSDGsに貢献できる人になりたいと思っていただけたら嬉しいです。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
▼SDGsについて詳しくはこちら
SDGs CONNECT ライター。ジェンダーと教育を中心に幅広く勉強中です。趣味はサイクリングと映画鑑賞。記事を読んだみなさんが、社会にポジティブな影響を与えられますように。