SDGsの3つの反対意見-SDGsに取り組む狙いを踏まえた解決策を紹介

#企業#知識#経営 2022.04.27

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SDGsにはいくつか矛盾している点があるため反対意見をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

持続可能な社会を目指すべく設定されたSDGsですが、どのような実態かが分からないからこそ、SDGsには隠された本当の狙いがあるのではないのかとネガティブな表現につながってしまいます。

そこで今回はSDGsの反対意見を解説し、その背景や反対意見を踏まえた解決策まで紹介します。

▼SDGsについて詳しくはこちら

SDGsの反対意見3つ

それぞれ反対側に座る二人の女性

SDGsは達成されることを望まれていない

SDGsの反対意見の一つ目は、「SDGsは達成されないことを前提に作られているのではないか」ということです。

SDGsのスローガンである「誰一人残さない」やSDGsのターゲットの中の「すべての」や「あらゆる」という文言は100%達成しない限り、目標は未達であるということを示します。
例えば、ゴール2のターゲット1.1では「2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。」と全てという言葉が使われています。

SDGsの目標には100%の達成を目指しているものがある一方で、「軽減する」、「改善する」、「強化する」という曖昧な表現も使われています。このような表現はどこまで本気で取り組めば良いのかも曖昧にしてしまいます。

SDGsのゴールは「壮大すぎるのではないか」や「きれいごとすぎるのではないか」という意見もあります。例えば目標2の「飢餓をゼロに」は取り組むべき目標ですが、現実的に実現が困難であり、理想を掲げただけのように捉えられても仕方がありません。

このようにSDGsは達成されることを望まれていないと捉えることも可能です。また、未達成で2030年を迎えてもまた新たに目標を立て直すのではないのかという疑いもあります。

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SDGsは欧米諸国のエゴである

EUの旗

SDGsは「新興工業国の経済成長を抑える」ことが真の目的という意見もあります。

その理由としてSDGsのフレームワークを作ったのが米国の名門大学とコンサルティングファームの混成チームであることが挙げられます。

欧米諸国が先進国になれた理由として、環境を犠牲にしてきた歴史があります。今後、中国やインドなどの新興工業国も環境を犠牲にし、経済成長すればあっという間に欧米諸国より豊かになる可能性があります。しかし、SDGsはこれを許しません。

見方によっては、世界全体の目標であるはずのSDGsは「新興工業国から利益を取り逃さない」という一握りの欧米諸国のビジネスチャンス創出の道具のようにも思えます。

また、経済成長を抑制するという目的以前に、SDGsは経済的な余裕のない開発途上国では取り組みたくても取り組めないという問題点も存在します。

SDGsは人間至上主義でしかない

3つめの反対意見は「SDGsは人間至上主義でしかない」ということです。
人間至上主義とは人間が世界全体の中心あるいは目的とする世界観、また、全ての存在者の中で人間にもっとも根本的で重要な地位を与えようとする立場のことを言います。

SDGsのゴールやターゲットは人間活動を中心として設定されています。SDGsに出てくる「自然」といえば、人間にとって都合の良い自然を指し、全ての生命を考慮しての自然とは言えません。「動物」についても人間にとって都合の良い動物を指しているように思えます。

例えばある製品会社が動物実験を経て治療薬を作ったとします。製薬会社はSDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献したことになりますが、人間のために動物を犠牲にしたことは何一つ責められることはありません。

人間至上主義の持続可能な社会は果たして本当に持続可能な社会なのでしょうか。

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企業がSDGsに取り組む際の反対意見2つ

ビジネスマンが拒んでいる様子

利益にならない

社会貢献活動であるSDGsへの取り組みは、企業にとって利益にならない可能性が大きくあります。

SDGsへの取り組みは企業のイメージアップにつながります。しかし、それに見合うだけの利益を企業にもたらす保証はありません。SDGsへの取り組みは従業員に手間や負荷がかかり、コストも発生します。

また、SDGsへの理解は簡単ではなく、途中で挫折してしまうと費用も時間も無駄になってしまいます。
持続可能な社会に貢献するのは素晴らしい行為ですが、社会貢献に意識が行き過ぎ、本業が疎かになってしまっては利益を求めることが目的である企業にとって意味がありません。

中途半端な取り組みは不利益になる

SDGsへの中途半端な取り組みは企業への不利益を招きかねません。

不利益の一つとしてSDGsウォッシュと批判される場合があります。
SDGsウォッシュとは表面的にはSDGsに取り組んでいるように見えながら、実は実態が伴っていないことを批判する意味です。例えば二酸化炭素削減を掲げているのにもかかわらず、火力発電関係の企業に投資している企業などが当てはまります。

うわべだけのSDGs活動をすると、SDGsウォッシュと批判を受け、不買行動などで大打撃を受けるなど企業にとって不利益なことが起きます。

SDGsの理解が浅いまま取り組みをすることは企業にとってリスクになります。企業がSDGsのメリットを得るには相当な努力が必要になります。

▼SDGsウォッシュについて詳しくはこちら

SDGsに企業が取り組む本当の狙いとは?

PCに向かって指差ししている様子

イメージアップにつながる

企業がSDGsへの取り組みをすれば、世の中に対して良いことをしていると企業のイメージアップにつながります。

企業のイメージが向上すると、消費者は価格に関わらずその企業の商品を選んだり、企業に優秀な人材が集まりやすくなります。また資金調達が有利になる可能性もあります。
このようにSDGsへの取り組みはステークホルダーからの信頼を得ることができます。

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ビジネスチャンスが潜んでいる

企業において国連や国が推進しているSDGsは大きなビジネスチャンスが潜んでいます。

SDGsは世界共通の目標であるため、国内にとどまらず世界の企業と連携し、企業の業績向上を見込めます。また、飢餓や環境問題など今まで企業が取り組んで来なかった領域の事業を展開することも可能です。

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企業がSDGsに取り組む4つのメリットを徹底解説|日本企業の取り組みやデメリットも

SDGsは矛盾していない?意味はない?

元気な木と枯れた木

既に達成できていないターゲットが存在する

SDGsのターゲットの中には2020年を期限にしているものが20個存在します。特にゴール14とゴール15という地球環境に関わるものが多いです。

しかし、2020年が期限のターゲットには達成できなかったものがあります。

例えばゴール3のターゲット3-6「2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる」は、2020年までの達成がとても困難でした。

このように既に達成できていないターゲットが存在し、SDGsは「目標を達成するために設定された」のではなく、「目標設定さえすればよかったのか」という意見が出てきます。それでは根本的な解決にはなっておらず、人間の自己満足だけに作られた意味のない目標だと言われても仕方がありません。

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経済発展との両立は難しい

経済を成長させながらSDGsのゴールを達成させるのは矛盾が生じているのではないかという意見もあります。

世界が経済成長し続けた理由として自然を犠牲にしてきた歴史があります。これまで経済成長のために環境に対する影響を考える人はほとんどいませんでした。つまり、自然を犠牲にしたからこそ経済は発展してきたと考えることもできます。

しかし、SDGsが重要視されている現代において、社会や環境の破壊は経済損失よりも大きな痛手であると世界は認識しています。このような考えのもと、社会や環境に配慮すると、反対に経済が回らなくなるとこんどは貧困者を生み出してしまうという矛盾が生まれます。

また、私たちは日々さまざまなものを生産しすぎていて、そもそもそれらを生産しなければ、消費も廃棄も起こらず、地球への負担を減らせるのではないかという指摘もあります。

このように経済発展とSDGsの両立は難しいところがあります。

SDGsの反対意見を解決するためには?

皆が拳を合わせている様子

企業の解決策

SDGsをビジネスとして取り入れる

解決策1つ目は企業がSDGsへの取り組みを社会貢献として行うのではなく、ビジネスとして本気で取り入れることです。

多くの企業では提供しているサービスが既に世の中に役立っていることがあります。

M-PESAという電子マネーサービスを一例に紹介します。治安が悪いケニアでは現金を持っていると狙われ、また銀行口座を持っている人も少なく、現金は非常に使い勝手が悪い現状があります。M-PESAというものは、もともとは出稼ぎ労働者による家族への送金手段として開発されたサービスでしたが、現在ではケニアの人々からお金を安全に守り、さらに買い物では欠かせない電子マネーサービスとなっています。
企業の1サービスとして開発されたM-PESAが結果的にケニアの人々の生活を豊かにし、SDGsに貢献していることになっています。

利益を見込み、本気でビジネスとして行うとしっかり活動内容が実業化されていきます。そうすることでSDGsウォッシュと批判されることも減るでしょう。
このように利益のためにした事が結果的にSDGsになれば良いのではないでしょうか。

現在の日本企業は、「SDGsは社会貢献だ」という意識が強くあります。自社の事業を拡大させると誰にどのように貢献できるかを考え、持続可能な社会を目指すと同時に企業の持続可能性も維持していくことが解決策となります。

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個人の解決策

反対意見があると理解しつつ真剣に取り組む

全てのことにおいて絶対はありません。肯定、否定の意見両方が出て当然ですが、どちらかの考え一方に偏ることは危険です。

SDGsも決して完璧ではなく、反対意見もあります。個人がSDGsに興味を持ち学んでいく上で、今回紹介した反対意見も「こういう考えがあるのか」と認識しておくことも大切です。

また、反対意見から改善策や今までは得られなかった視点を知ることができます。そしてそれらを踏まえ個人がSDGsを自分ごととして捉え、真剣に取り組むことが重要になります。

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まとめ

SDGsには「意味がない」、「偽善である」などの反対意見があります。また「達成に意義があるのではなく、むしろ達成を目指すこと事態に異議を持たせてるのではないか」という意見もありました。

SDGsの反対意見があることを知り、それを踏まえた上での改善策を模索していくことで目標達成に近づけるのではないでしょうか。
SDGsへの問題点の指摘が意味あるSDGsにつながります。

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