カーボンニュートラルとDXの密接な関係-2つのトレンドの注意点から解決方法を徹底解説

#DX#エネルギー効率#技術#脱炭素(カーボンニュートラル) 2022.06.10

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カーボンニュートラルとDXは、全世界中のあらゆる立場の組織や人々が取り組むべき責務であり、このメガトレンドに逆らうことはできなくなっています。

この2つのテーマは表裏一体の相互関係があり、脱炭素とDXの2軸での取り組みを進めていくことが今後企業が持続的な社会を形成するには必要になってくるでしょう。

そこで今回は、カーボンニュートラルとDXの密接な関係性について、注意点から解決方法を徹底解説します。

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カーボンニュートラルとDXは密接に関係している

カーボンニュートラルとは

「カーボンニュートラル」とはCO2出量を実質ゼロにすることを指します。

似たような言葉として「脱炭素社会」がありますが、脱炭素社会とはCO2排出量ゼロを実現した社会のことを意味します。
しかし、CO2排出量を完全にゼロにするのはかなり難しいことです。

そこで出てきた考え方がカーボンニュートラルです。
実質ゼロとは、プラスマイナスゼロの状態のことで、人間が排出したCO2量と植物が吸収したCO2量がプラスマイナスゼロになる状態を目指すものです。
CO2排出量を減らすこともカーボンニュートラルの取り組みですが、削減しきれなかったCO2を森林などに吸収してもらうために、森林保全や植林活動を行うのもカーボンニュートラルの大事な取り組みです。

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DXとは

DXのイメージ

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、IT技術を活用して社会をより良く変革していくことを指します。
DXは企業や社会に対して使用する用語です。

DXが進むことによってビジネスの多様化に対応できたり、古いシステムからの脱却ができます。

DXは以下の3つのレベルがあります。
従来の業務をデジタル化する。(例:紙書類を電子化する、郵送の代わりに電子メールを使う等)
レベル1の上に実社会の延長機能を加えたもの(例:オンラインショップ等)
もはや実社会に存在しない新しいサービス(例:リコメンデーション機能、逆オークション機能等)
現状では多くの政府や企業がレベル1での議論を行っています。しかし、DXの本質はレベル3にあり、そこを目指していくことが重要です。

DXの具体例・メルカリ

DXの具体例としてメルカリを紹介します。
メルカリは大手フリマアプリを運営している企業です。

メルカリでは利用者のニーズに合わせてスマートフォンだけでネットオークションを行えるシステムや出品・配送などのシステムを簡略化して使いやすさを向上させています。

例えば、お互いの氏名や住所が分からなくても配送できる「匿名配送」や、決済サービス「メルペイ」などITシステムを活かして利用者の利便性を向上させています。

2つのメガトレンドは全世界共通で目指すべき責務

カーボンニュートラルとDX

日本はグリーン成長戦略を策定

日本は「2050年カーボンニュートラル宣言」の対策として「グリーン成長戦略」を掲げています。グリーン成長戦略とは企業の温暖化への挑戦を後押しする産業政策です。
「温暖化への対応は経済成長の制約ではなく、積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要である」という考え方です。この戦略で民間企業の大胆な技術革新を促し、日本の「経済と環境の好循環」をつくっていくことが目的です。

具体的な実行計画の中で、革新的な技術開発やESG投資によるイノベーション推進、火力発電から再生可能エネルギーへの政策の転換を図っています。
計画の中では特にデジタル化を重視しており、「グリーン成長戦略を支えるのは、強靭なデジタルインフラであり、グリーンとデジタルは、車の両輪である。環境関連分野のデジタル化により、効率的、効果的にグリーン化を進めていく。」と述べています。

カーボンニュートラルとDXはそれぞれ個別の取り組み課題ではなく、表裏一体の関係があることが分かります。

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カーボンニュートラル実現には業界・業種の枠組みを超えた対策が必要

カーボンニュートラル実現には業界・業種の枠組みを超えた対策が必要です。そして、枠組みを超えた対策を最も効率的に行うためにはDX化が必要不可欠となります。

今後、再生可能エネルギーが拡大し、電気自動車が普及していく場合を考えていきましょう。

温室効果ガスを排出しない電気自動車はカーボンニュートラル実現に貢献します。電気自動車が普及すると、おのずと電力需要も向上します。
送電中の電力消費が大きいかつ、その電力を火力発電に頼っていては電気自動車の電気のためにエンジン車よりも多くのCO2が排出されてしまう可能性があります。
よって電気自動車を、本当の意味で地球にやさしい乗り物にするには、電力を再生可能エネルギーから供給する必要があります。

しかし、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーの拡大は発電設備の分配配置を意味します。
これらを電線でつなぎ、都市部まで送電すると電力損失が大きく、非効率的です。
再生可能エネルギーは地産地消が理想的ですが、自然から得られる再生可能エネルギーは天候などに左右され、その供給は不安定です。
よって周辺地区から余っている電力をもらったり、逆にあげたりする必要が出てきます。
つまり、変動する需要と不安定な供給を前提として、需給バランスを保つために常に電力の供給方法を変えなくてはいけません。
それをタイムリーできめ細かな電力の管理・制御を人が行うことは不可能です。正確かつ迅速に実行できるのはITだけです。

このように電気自動車実現には、自動車業界、電力業界、IT業界、その他の業界の連携が不可欠であり、それを効率的に進めてくれるのがDXなのです。

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カーボンニュートラル実現に向けたDX化は矛盾している?カーボンニュートラルとDXには相容れない部分がある

DXのイメージ2

カーボンニュートラルとDXは相容れない部分もあります。

アメリカのインターネットデータセンター(IDC)は、2020年時点の全世界で生成・消費されたデジタルデータの総量は、59ゼタバイト(1ゼタバイトは10の21乗バイト)に達し、2024年までの5年間では年平均26%のペースで増え続けると予想しています。

多くの企業や自治体がDX化を進めるには、莫大なデータを扱える情報機器や通信インフラが必要です。
しかし、これらを動かすためにはこれまで以上の電力が必要になります。
将来はさらにDX化が進み、より多くの電力が必要となるでしょう。
単純に考えると、DX化が進むほど、カーボンニュートラルから遠のくことになり、矛盾が生じます。

DX化とカーボンニュートラルの矛盾を防ぐには、IT関連での省電力化がカギとなっていきます。

カーボンニュートラル実現に向けたDX化の方法・メリット3選

HEMS|家電のDX化で節電

HEMSという言葉を知っているでしょうか。
HEMSとは、「Home Energy Manegement Service」の略称であり、家庭内で電気を使用している機器について、一定期間の使用量や稼働状況を把握し、電力使用の最適化を図るための仕組みのことです。

HEMSにより、家電と電気設備をつないで、電気とガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりすることが可能になります。

電力の見える化が進むので、省エネ意識が高まったり、無駄な電力の利用を抑止できます。
また、モニター情報は電力会社にもインターネットを介して伝わるので、電力供給が足りなくなるなどの状況の早期発見が可能となり、都市全体としてもエネルギーの効率化を図っていけます。

家電製品の自動化による省エネはエアコンの例を紹介します。
夏は、家を出るときに冷房を切って、帰ってきたら冷房をつける人が多いでしょう。しかし、暑くなりきった部屋を急速に涼しくすることは、常に冷房を付けておきある程度部屋を冷やしておくことより、エネルギー効率が悪いのです。
人感センサー付エアコンを導入すれば、不在時には適切な温度に自動調節することができます。また、直射日光による室温上昇を防ぐために、一定の日差しや室内温度になったら、自動的にカーテンやブラインドを下すというようなことも可能になります。

Googleの関連会社でnestという企業が出しているサーモスタットなどは人がいる時間帯やいない時間帯を自律的に学習し、必要な温度調節を自動で行うという機能まで備わっています。

DX化により生活がより豊かになると同時に省エネ社会を築いていけるのです。

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ペーパーレス化でCO2削減

DXの取り組みの一つとしてペーパーレス化が挙げられます。

紙の原料は木材であり、森林はCO2を吸収してくれます。それに加えて、紙を焼却廃棄する際にはCO2が発生します。

1本の木からおよそ10,000枚の用紙が作成でき、10,000枚の用紙を焼却すると約13.6kgのCO2が排出されます。1本の木が1年間でCO2を吸収する量は約11kgと言われています。

また、紙を使わないということはプリンター等の電力消費削減にもつながるでしょう。

DXによるペーパーレス化はカーボンニュートラルに貢献します。

スシロー|食品ロス削減にDXで挑む

食品ロスは気候変動に影響を及ぼす主要因の1つです。
そんな食品ロスの削減に「スシロー」はDXで挑みます。

「スシロー」では、ITを活用した「回転すし総合管理システム」を導入し、販売動向の管理や需要予測によって廃棄食材を減らしています。
ひとつひとつの皿にICタグを取り付け、どのネタがいつレーンから取られたのかをリアルタイムに把握し、そのデータを基に高い精度で需要を予測します。解析するデータの数=商品が載った皿数は、1年で10億件に達します。
予測するのは着席から1分後と15分後にお客さまが求める皿の数で、その数字を参考にして商品をレーンに流します。

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まとめ

今回はメガトレンドである「カーボンニュートラル」と「DX」についてそれぞれについて解説し、その密接な関係性も紹介しました。

今後カーボンニュートラルを進めていくにはDXによる後押しが必要不可欠となってきます。
一見DXはSDGsと関係ないトレンドのように見えますが、その関係性は密接です。
まさにカーボンニュートラルとDXは表裏一体の関係と言えます。

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