家具家電付きの部屋が借りられることでおなじみのレオパレス21。一人暮らしをする際にお世話になった方も多いのではないだろうか。
今回はそんなワンルームの賃貸事業が有名なレオパレス21にインタビューを行った。
ダイバーシティと地球環境の2つをテーマにIR課の外園さん、左古さん、岸さんに詳しくお話を伺った。
ダイバーシティ推進の軌跡や持続可能な住宅への想いに注目である。
ダイバーシティのきっかけは女性社員の離職率の高さ。
ーー自己紹介をお願いします。
外園:IR課の外園と申します。1996年に入社してから賃貸の営業や業務推進をしていたのですが、2021年からIR課を担当しています。
左古:IR課の左古と申します。2006年の入社からずっと広報・IRに携わっており、財務情報、非財務情報の開示やTCFDのプロジェクトにも関わっています。
岸:IR課の岸と申します。入社後は、店舗で賃貸の営業をしておりました。その後、業務推進にも関わり、2020年にIR課に異動して、業務を行っています。
ーーIR課ではどのようなことに取り組まれていますか?
外園:ステークホルダーの方のニーズ、社会の変化にもきちんと対応するため、2013年にCSR基本方針を作成し、サステナビリティ推進への取り組みを始めました。
2022年からは、サステナビリティ基本活動方針に名称を変更して活動しております。名称を変更した意図としては、賃貸事業という本業に、より隣接した取り組みを社内でも推進していきたいという思いがあります。
ーーサステナビリティ委員会について教えてください。
岸:基本方針と同じく、以前はCSR委員会という名前でしたが、2022年からはサステナビリティ委員会に名前を改めました。サステナビリティ委員会の事務局をIR課が兼任しており、我々も大きく関わっています。
サステナビリティ委員会と名称を変更したことによって、今後は、グループ会社も含めて全社的にさまざまな活動に取り組んでいきたいと考えています。今までレオパレス21だけで取り組んでいたものを、レオパレス21のグループ全体で取り組んでいき、社内の意識を高めるとともに社会にも発信していきたいです。
具体的には、当社の各部とグループ各社からサステナビリティ委員を1〜2名を選任し、四半期に1回、会合という形で活動内容の報告や進捗確認をしています。
ーーダイバーシティ推進の取り組みではどのようなことをされていますか?
左古:当社の賃貸店舗は、全国に展開しており、窓口営業の女性社員が多いという特徴があります。新卒採用の比率も男女同じくらい、もしくは女性の方が多い年もありました。
しかし、女性の離職率が高いという課題があり、この課題を解決するために、ダイバーシティ推進に取り組み始めました。
岸:女性の離職率の上昇という現状を受けて、産休や育休の制度を積極的に取り入れ、復職後も時短勤務で働けるように変化しています。
最近では、テレワークの実施やお子さんの体調不良や介護の際に利用できる看護休暇を導入しています。看護休暇は有休消化とは別のものなので、このような制度の導入でより働きやすい環境にしていきたいです。
ーー産休や育休以外のダイバーシティ推進への取り組みを教えてください。
左古:現在は海外から日本にいらっしゃる方が多く、外国籍の方々への住まいの提供が必要不可欠になっています。
こうした方々に対して母国語対応が必要になるので、外国籍の社員の方を採用し、実際に現場で最前線で活躍していただいています。
岸:2018年の12月に外国籍社員の座談会を開催しました。外国籍社員の活躍の推進をテーマとして取り組んでおり、業務との向き合い方、やりがい、課題感などをヒアリングを行い、今後の支援制度について検討したり、企業風土を上げていくことを目的としています。
こうした取り組みを強化し、今後も海外からのお客様に対して住みやすい暮らしを提供していきたいです。
ワンルームの強みを活かして環境への取り組みを。
ーーサステナビリティ基本活動方針の中にある「地球環境にやさしい社会の実現」への取り組みについて教えてください。
左古:これまでレオパレス21では、太陽光パネルの設置を行ってきました。
アパートの所有者はあくまで当社ではなくオーナー様です。従って、オーナー様に「アパートの屋根に太陽光を設置しませんか?」とお声がけし、オーナー様のアパートの屋根をお借りして太陽光を設置し、そこから発電される電気を売る、売電事業に取り組んできました。現在は新しいアパートを建てていないこともあり、新規の設置は行っておりませんが、売電事業自体は今でも取り組んでいます。
今後は、電気・ガスをCO₂排出量実質ゼロにするアパートのインフラ整備に本格的に着手をし、本業を通じた環境貢献活動を推進できればいいなと思います。
ーーグループとしての取り組みについて教えてください。
岸:全国に約56万戸の物件を管理している中で、安定した賃貸住宅の提供というマテリアリティに即したKPIとして、入居率の向上を遂行し、多くの皆様により良い物件を提供していきたいです。
また、2022年5月に不動産取引の電子契約が解禁されたので、WEB接客、WEB契約などの取り組みを進めていき、法人の皆様が全てWEB上で契約が完結できるように引き続き今期も推進していく予定です。
ーー今後、どのように取り組んでいきたいですか?
岸:環境配慮の面ですとスコープ1、2のCO₂排出量の削減を目指していきたいです。
今期は政府の方針に沿って、2030年度に2016年度対比で46%削減を目標に掲げています。本来、政府の目標では2013年度対比だと思いますが、当社のスコープ1、2の集計が2016年度からスタートをしているため、2016年度対比での削減目標を掲げています。
さいごに
全国に約56万戸の物件を管理するレオパレス21。私たちの生活になくてはならない住宅の提供は、そのまま社会の持続可能性にも直結する。
公平で、かつ地球環境に優しい住宅の提供を目指し、CO2排出量を実質ゼロにする電気・ガスの導入など、住宅のあり方が変わっていることも驚きであった。
これから進化する住宅のあり方について、引き続き注目していきたい。