リスキリングに注目を集めている人は増えているのではないでしょうか。
現代の急速なデジタル化や人材不足によって、リスキリングが求められています。一方で、自分ではどのようにリスキリングすればよいかわからない、どのような企業が取り組んでいるのか知りたいと思う人も多いはずです。
今回は、リスキリングに取り組む企業事例や、そのメリットについて紹介します。
【この記事でわかること】 |
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リスキリングとは
リスキリングとは、現在の仕事に必要なスキルに加えて、新たなスキルや知識を身につけることを指します。スキルアップやキャリアアップを目的として行われるもので、自己啓発や企業研修、資格取得など、さまざまな方法があります。
例えば、出版業で働く人がAIの導入によって従来の仕事内容が大きく変わった場合、新たなスキルを身につけて新しい仕事に就く必要があります。この際にリスキリングが必要になるのです。
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企業がリスキリングに取り組むメリット3選
企業がリスキリングに取り組むメリットを3つ紹介します。
DX推進に役立つ
DXは企業が情報技術を用いてビジネスを全面的に革新する取り組みです。その推進にとって、IT系のリスキリングは必要不可欠なものです。
DXの推進には社員ひとりひとりがデジタル技術を理解し、それを活用できるスキルが求められます。そのため、社員にDXに対応する力を身につけるための教育をすることが重要なのです。例えば、コーディング能力やデータ分析力などのデジタルスキルの習得などが挙げられます。
また、リスキリングを通じて新たな視点やDXのアイデアを生み出すことも可能です。
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少子高齢化や人材不足に対応できる
少子高齢化や人材不足は、現代の企業にとって深刻な課題となっています。これに対して、スキリングは有効な解決策の1つとなっています。
少子高齢化によって新たな人材を採用することが難しくなってきています。そのため、既存の社員のスキルを広げ、多様な業務に対応できるようにすることは重要です。
また、人材不足に対してもリスキリングは効果を発揮します。特殊なスキルを持った人材が不足している状況であれば、既存の社員にそのスキルを習得させることで対応できます。
課題 | リスキリングでの解決策 |
少子高齢化 | 既存の社員のスキルを広げ、多様な業務に対応 |
人材不足 | 既存の社員に特殊なスキルを習得させる |
従業員のモチベーションを向上させられる
リスキリングは従業員自身のスキルアップを促進するだけでなく、キャリア進展や自己実現への強力な推進力となり、モチベーション向上に大きく貢献します。
例えば、スキル向上によって職場での役割や責任が増加し、自己評価が高まります。これによって従業員は自身の成長を実感し、成長への意欲を高めることができます。
また、企業がリスキリングに投資することで自身の成長を支援する企業への信頼と感謝の気持ちを高め、会社への帰属意識を向上させます。これにより、企業もより教育に熱を入れれば、会社全体として大きく成長することができます。
リスキリングで社員に必要な資格3選-何を学ぶべきかを紹介
リスキリングで社員に必要な資格を3つ紹介します。
基本情報技術者試験-IT系
基本情報技術者試験は、IT分野の基礎的な知識に関する国家試験です。ITに関する分野を幅広くカバーしており、IT系の企業で働く人にとって資格の取得が求められることも多くあります。
具体的には、下の表に記載されている4つの分野から出題されます。
分野 | 主な内容 |
ソフトウェア | プログラミング基礎、データベース理論 |
ハードウェア | PCの構造、OSの基本 |
マネジメント | プロジェクトマネジメント、ITガバナンス |
ネットワーク | TCP/IP、セキュリティ基礎 |
この資格を取得することで、IT分野のリスキリングにおいて良いスタートを切ることができるでしょう。また、一般的に企業での採用や昇進の際に有利とされており、将来的なキャリアアップを見据える人にもおすすめの資格です。
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G検定-IT系
G検定は、AI(人工知能)に関する幅広い知識を有する人材を認定する国内唯一の資格です。
G検定は、AIの基礎から応用まで、幅広い知識が問われます。そのため、資格を取得することで、AIの知識やスキルを証明することができ、企業からの信頼を得やすくなります。
また、G検定の資格取得には、オンラインで学べる講座が用意されています。そのため、本業や家事をしながら、自分のペースで学習を進めることができます。
特に、生成AIはあらゆる分野で注目を集めています。これを機に、G検定の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
TOEIC-語学系
グローバル化の進展に伴い、現代のビジネスシーンでは英語で仕事をするケースが増えています。その中で、英語でコミュニケーションを取りたい、外資系企業で働きたいと考えている方には、特におすすめの資格です。
TOEICはリーディングとリスニングの2つのセクションで構成されており、ビジネスにおける英語のスキルを総合的に評価する試験です。また、リスニングやスピーキング力を高めるにはTOEFLやIELTSの学習も効果的です。
採用基準や昇進の条件としてTOEICスコアを要求している企業は多く、高いスコアを取得することで転職や昇進を有利に進めやすくなります。
今の時代、YouTubeやスマホアプリで手軽に勉強できます。ぜひ、今日から学習をしてみてはいかがでしょうか。
リスキリングに取り組む企業の事例7選-中小企業や海外企業の事例も紹介
リスキリングに取り組む企業の事例を7つ紹介します。
キヤノン株式会社|自主的にスキルアップ
キヤノン株式会社では社員ひとりひとりが自身のスキルを評価し、自主的にスキルアップに取り組める環境を整えています。その一環として、「Canon Skills Navigator」と呼ばれるシステムを導入しました。
まず、社員は自身のスキルを定期的に自己評価します。その上で、必要なリスキリングを自分で判断します。さらに、選んだリスキリング内容を組織内で共有して他の社員と協力して学ぶことで、他の社員とも競い合うことができます。
このような取り組みを通じて、キヤノンは社員のスキルアップとともに、組織全体のスキルレベルの向上を実現しています。
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ヤフー株式会社|エンジニアへの転職を支援
ヤフー株式会社はテクノロジーの急速な進化に伴い、従業員のリスキリングに積極的に取り組んでいます。例えば、プログラミング未経験者をエンジニアに転職させるための「Yahoo!テックアカデミー」というプログラムを実施しています。
このプログラムでは短期間で集中的に学習を行い、実践的なスキルを身につけることができます。カリキュラムは、Webエンジニアとして必要な知識やスキルを幅広くカバーしています。
また、受講生同士の交流会も開催されており、互いの経験や学習上の困難を共有して励まし合うことで、モチベーションの維持にも取り組んでいます。
Yahoo!テックアカデミーの取り組みは日本のIT業界における人材不足の問題を解決する一助となっており、社会全体にとっても価値のある試みです。このような取り組みは、企業が持続的な成長を遂げるために不可欠な要素となっています。
サントリーホールディングス株式会社|サントリー大学の設置
サントリーグループは、企業内大学「サントリー大学」に「100年キャリア学部」を設置しています。これは、人生100年時代における社員のキャリア形成を支援し、変化を恐れず輝き続ける人生を送るための取り組みです。
特に、40代以上のミドル・シニア層には長期的な視点で人生の目標やキャリアを考え、学び続けるマインドセットを形成するためのワークショップ受講を必須としています。
さらに、eラーニングや資格取得支援、社外NPO法人での活動支援など、多角的なプログラムを提供することでキャリアの選択肢を広げ、新たな挑戦を後押ししています。
日立製作所|「デジタル人材育成プログラム」の導入
日立製作所では、製造業がIT技術を活用するための「デジタル人材育成プログラム」を導入しています。
このプログラムは、従業員が自身の業務やキャリアにおいて必要となるITスキルを習得することを目指しています。基本的なITスキルだけでなく、AIやIoTなど先端技術に関する知識も教育対象となっていることが特徴です。
また、他の取り組みとして、経験豊富な従業員が新たな役割を担うための「ローテーション制度」を設けています。これにより、リスキリングを通じて新たな技術や知識を習得した従業員が、その能力を即戦力として活用できる環境を整備しています。
隂山建設株式会社|ITスキルの向上を支援
隂山建設株式会社では「ITスキルの向上」に焦点を当ててリスキリング教育が行われています。例えば、新たな建築現場管理システムの導入に伴い、タブレット操作やITリテラシー向上の研修を実施しています。
また、従業員のスキルセットを広げるため、CAD操作研修も行われています。CADは「Computer Aided Design」の頭文字をとったものであり、設計図をコンピュータで作成するソフトウェアを指しています。
これらの研修を通じて、業務効率の向上だけでなく、従業員一人ひとりが新たな技術を身につけ、自身の市場価値を向上させる機会を提供しています。
久野金属工業株式会社|ITパスポートの取得を支援
久野金属工業株式会社は、リスキリングを全社的に活用しています。中でも、IT技術スキルへの継続的な投資に力を入れています。
例えば、基本的なパソコンのスキルからプログラミングまでのIT技術スキルを強化するために、「ITスキルアッププログラム」を設けています。また、社外の研修やオンライン学習も活用し、経済産業省が推奨する「ITパスポート」の取得を奨励しています。
これらの取り組みにより、最新のIT技術トレンドをキャッチアップし、生産性向上と新たなビジネスチャンスの創出を目指しています。
マイクロソフト|全従業員にスキル習得を支援
マイクロソフトは、全世界の従業員に対して新たなスキルを習得する機会を提供しています。例えば、AIやクラウドコンピューティングなどの最先端のテクノロジーに関する研修を行っています。
また、マイクロソフトは内部でのリスキリングだけでなく、一般にも無料の学習プログラムを提供しています。特に、「Microsoft Learn」というプラットフォームでは、自分のペースで学べる内容が充実しており、新たなスキルを身につけたい人々にとって有益な情報が多く掲載されています。
さらに、「Microsoft Certifications」という認定制度も整備しています。リスキリングを通じて得たスキルの証明として、各種認定資格を取得することができるのです。
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まとめ
今回の記事では、大企業から中小企業、さらには海外企業が取り組んでいるリスキリング支援策について紹介しました。
それぞれが採用していたリスキリングの支援方法は、企業の規模や業界、目指すビジョンによって異なっていました。しかし、どの取り組みも従業員のスキルを向上させ、企業全体の競争力を上げようという姿勢が見られました。
また、DX化や人材不足が懸念されるからこそ、企業が主体となってリスキリングを支援することの重要性も紹介しました。
大企業だけでなく、中小企業でも取り組めることは多くあります。これを機に、社員のスキル向上を図ってみてはいかがでしょうか。
大学では国際デザイン経営学科に所属し、解決が困難な問題をあらゆる角度から解決できるようにするため、日々勉学に努めている。