《SDGs目標4》世界の教育の現状とは|グラフを用いて徹底解説

##SDGs目標4##教育#基礎教育 2022.02.15

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2021年でSDGsの採択から6年が経ちました。皆さんは、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の目標が現在どれ程達成出来ているのかご存じですか?

今回は、教育に焦点を当て、世界の現状と日本の現状についてグラフを用いながら説明していきます。

SDGs 目標4 「質の高い教育をみんなに」とは

SDGsの4番目の目標は、“だれもが公平に、良い教育を受けられるように、また一生に渡って学習できる機会を広めよう”というテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。
▼SDGs4について詳しくはこちら

教育現場のSDGsの現状

まずは、世界の教育の現状について紹介したいと思います。
2019年12月初旬に第1例目の感染者が報告されてから、数カ月の間にパンデミックと言われる世界的な流行となった新型コロナウイルスの影響は、教育の面でも表れています。
ユニセフが発表したデータによると、新型コロナウイルスの影響により世界で1億6,800万人以上の子どもたちの通う学校が約1年間に渡り休校状態となっていました。

さらに、世界中の約7人に1人の子どもが、対面学習の4分の3以上を受けられませんでした。

世界の教育の現状を表したグラフ

ここで、地域別に2020年時点のSDGs17目標の達成度を表したグラフを見ていきましょう。
上に書いてある17個の数字は目標を表しており、左に書かれている英語は「東南アジア」「中央アジア・ラテンアメリカ」「カリブ海諸国・中東」「北アフリカ・オセアニア・サブサハラアフリカ」「OECD加盟国(ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国」と書かれており、対象の地域を表しています。

また、図表にある〇は達成度を示しています。

「緑:目標達成」、「黄:課題が残っている」、「オレンジ:重要な課題が残っている」、「赤:主要な課題が残っている」「灰色:データなし」という意味になっています。

図表の矢印は目標に対しての進捗状況を示しており、「緑:達成に向けて順調」「黄:達成に必要なペースの50%を超えている」、「オレンジ:達成に必要なペースの50%を下回っている」、「赤:停滞している」、「灰色の丸:データなし」という意味になっています。

目標4の列を見ると、OECD加盟国のみ緑の〇と矢印になっています。黄色の〇が3つ、オレンジの〇が1つ、赤の〇が2つと、まだまだ達成しているとは言えない状況が続いています。

では、何故教育面において進捗状況の差が生まれているのでしょうか。
理由として、先進国と発展途上国や途上国における学習環境の格差が挙げられます。

下のグラフは、学校に通えない子どもたちの割合を示しています。注目すべきはサハラ以南のアフリカの割合です。半分以上の子どもたちが学校に通えていません。

コロナウイルスの影響により、世界全体の子どもの9%が最低限の読解水準を下回る

以下の画像は、国際連合広報センターが発表したSDGsに関する2021年のレポートです。レポート内にあるSDGs4の項目を見ると、新型コロナウイルスが教育現場に与えた影響について書かれています。

このレポートで注目すべき点は、2020年には、新たに1年生から8年生までの子どもの9%に当たる1億100万人が定められている最低限の読解水準を下回っているということです。つまり、教育を受けても本人の読解力に繋がっていないということが分かります。

また、学校教育の終了率の改善率が悪く、初等教育の時点で15%、中等教育の時点で47%の子どもが卒業できずにドロップアウトしてしまっているのが現状です。

日本におけるSDGs4の達成状況

続いて、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の達成に関係している、日本における教育問題について紹介したいと思います。

先進国として数えられている日本ですが、果たして日本は本当に質の高い教育を全員に施すことが出来ているのでしょうか。
日本は個別にSDGsに対して目標別の達成状況を出していませんが、教育問題から今の日本の現状を考えてみたいと思います。

日本の学校進学率問題

まず、日本の学校進学率の問題について触れていきたいと思います
以下のグラフは、OECD加盟国ごとの「大学進学率」を表しています。OECDの平均は62%のため、日本の51%は平均よりも少し低いということになります。

出典:大学進学率の国際比較 世界の高等教育機関の大学進学率の推移

日本のいじめ問題

次に、いじめ問題について触れていきます。以下の図を見ると、日本の学校では小学校から高等学校まで約半数以上の学校が「いじめを認知」しています。
いじめが起こる理由は様々ですが、いじめを受けている生徒は質の高い教育を受けられている状況とは言えません。よって、この問題は日本が解決すべき大きな問題であるといえます。

世界との比較

以下のグラフは、子どもの貧困率を表しています。
2018年時点で、17歳以下の日本の子どもの貧困率は13.5%です。これは先進国の中でも10番目に貧困率が高いことを表しており、7人に1人の子どもが貧困状態に陥っているといえます。

貧困率が高い理由は、日本の相対的貧困率が高いことが挙げられます。

相対的貧困とは、その国や地域の水準の中で比較して、大多数よりも貧しい状態のことを指しています。
国や地域の生活レベルとは関係なく、生きる上で必要最低限の生活水準が満たされていないのが絶対的貧困です。

つまり、日本は経済格差が大きい国であるといえます。

教育格差を減らすためにできること3選

地方格差をなくす

日本国内には、都市部と地方部で地域的な格差があります。情報格差は大きく、地方に住む人ほど進学率が低いというデータが存在します。
よって、都市部のみに主要な機能を集中させるのではなく、地方に分散させて情報の活発な交流を促すことが求められます。

自分が得た情報を発信する

私たちができることとして、まずは現状を知り、その上で声をあげていくことが挙げられます。
日本では先ほど紹介したような相対的貧困が存在し、表面的ではない貧困や格差が存在しています。

状況を知り、発信していく事で政府や団体を動かすきっかけに繋がります。

子どもを支援する団体に寄付をする

教育環境を改善するために活動をしている団体に寄付することも、私たちのできることの1つです。

約190の国と地域で、子どもたちの命と健康、権利を守るために活動している公益財団法人日本ユニセフ協会は、昨年度多くの学校がコロナ禍で休校となる中、3億100万人の子どもに遠隔教育の導入や学校の安全な再開に向けた支援を行いました。

このような団体に寄付をすることで、貧困に苦しむ子どもたちを救うことが出来ます。

まとめ

今回は、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の達成状況を世界と日本に分けて紹介させていただきました。
2030年に目標を達成するためには、コロナウイルスで進捗が停滞してしまった分を取り返す勢いで、取り組みを世界で一丸となって行っていく必要があります。この記事が、教育格差改善のために動き出すきっかけになれば幸いです。

わたしたちのメディアはSDGsに特化したメディアです。様々なトピックスが取り上げられており、新たな発見があるかもしれませんので、是非読んでみてください!

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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