SDGs目標15「森の豊かさも守ろう」私たちにできること

##持続可能##環境#森林 2023.01.09

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【更新日:2023年1月9日 by 大川 智也

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」、「陸の豊かさ」といわれても抽象的でよくわからない!という方も多いのではないでしょうか。
実は、規模が大きいと感じるこの目標においても私たちにできることが多くあります。今回は、SDGs目標15における問題点から達成状況、私たちにできることまで紹介していきます。

【この記事でわかること】

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」とは

SDGs目標15の概要

目標15では、陸の豊かさを守り、砂漠化を防いで、多様な生物が住みやすい環境を作ることを目標にしています。かなり抽象的な「陸の豊かさ」という表現の中には、陸上生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、砂漠化、土地劣化への対処や生物多様性の存続など、様々な目標が含まれています。

SDGs目標15について詳しくはこちら▼

SDGs15の現状

SDGs15に関する問題

SDGs15に関する問題は大きく2つあります。

  • 森林の減少が著しいこと
  • 急速に劣化が進んでいる土壌があること

それぞれの状況についてくわしく見ていきましょう。

また、問題点について詳しくはこちら▼
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」で解決するべき問題点を紹介

森林の減少

世界の森林の状況は下の図のようになっています。

世界中で森林の減少は起きていますが、その中でも特に南アメリカ大陸や東南アジア、アフリカの森林が著しく減少しています。

一方で、アジアやヨーロッパを中心として森林面積が増加している国もあり、地域的な偏りがあることがわかります。森林が少なくなることで地球温暖化が進行するだけでなく、そこに住んでいる動物たちも生活できなくなってしまうため、一刻も早い対応が求められます。

土壌の劣化

森林の減少に加えて、土壌の劣化も重要な問題になっています。

土壌劣化とは土壌が本来の役割を果たさないほど劣化している状況のことを指します。

森林火災や農地などを開発するために行う森林破壊、農業のための過度な灌がいや過放牧などの多くの理由で土壌が劣化しています。

世界の土壌のおよそ1/4は急速に劣化が進んでいます。また、劣化が進んでいる土地は世界の7割を占めています。土壌が劣化するとそこに生息している生物の今まで通りの生活が困難になるのです。

土壌の劣化によって被害を受けるのは動植物だけではありません。土壌劣化が進めば農業が思うようにできなくなり、人間も被害を被ります。

SDGs15の達成状況

SGDs15の達成状況はどのようになっているのでしょうか?

森林の状況からもわかるように、対策が行き届いている地域とそうでない地域に明確な差が出ています。地球規模において、SDGs15の達成状況はまだ不十分なのです。今までの取り組みに加えて、これからはより世界的な取り組みが求められます。

SDGs15の達成に向けて私たちにできること

SDGs15を達成するために私たちにできることは数多くあります。
今回紹介しきれないことも多くあるため、こちらもご覧ください。

SDGs15について詳しくはこちら▼
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」|世界の取り組み事例5選

個人レベルでできること

SDGs15を達成するために個人レベルでできることは主に3つあります。

資源を大切にする(5R)

私たちが目標達成のために取り組めることの1つとして「資源を大切にする」ということがあげられます。そこで重要なキーワードとなるのが”5R”です。

5RとはRecycle(リサイクル)、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Repair(リペア)、Return(リターン)の5つの頭文字をとったものです。

まずは、消費する量を減らす(リデュース)。そしてすぐに新しいものを買うのではなく、まだ使えるのならリユースしたり、リサイクルしたりする。壊れて使えなくなってしまったのであれば、修理(リペア)する。いらなくなったものは捨てるのではなく、それを求めている人に返還する(リターン)。

ものを無駄にしないという意識があれば、これら5つのことは今すぐにでも取り組めます。

FSCマークのついた製品を選ぶ

皆さんは”FSCマーク”というものを聞いたことがあるでしょうか。

FSCマークとは次の2つの特徴がある商品に付けられています。

1 森林の生物多様性を守っていること
2 製造する際に先住民族をはじめとする労働者の権利を侵害していないこと

つまり、FSCマークのついた商品を購入することで直接的にはアクションを起こさなくても森の生物多様性を守ることにつながるのです。

FSCマークのついた製品はごく身近に存在します。例えば、紙パックや紙袋、紙ストローなどです。ペットボトルではなく紙パックのジュースを購入する、プラスチックストローではなく紙ストローを使うようにするなど、行動できることは多くあります。

環境保全団体等に寄付する

今まで紹介してきた取り組みは自らの意志でアクションを起こす必要があり、中には難しく感じた人もいるかもしれません。そのような人におすすめな取り組みが環境保全に取り組んでいる団体に寄付することです。

寄付先として次のような団体があるので、ぜひご覧ください。

【1】公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
WWFジャパンは、自然の中に人間が存在するという自然観を取り入れており、国際的な問題に取り組んでいる団体です。陸の豊かさだけでなく、そのほかの環境問題にも積極的に取り組んでいるのが特徴的です。

公益財団法人世界自然保護基金ジャパンの詳しい活動、寄付先はこちら▼
WWFジャパン

【2】公益財団法人日本自然保護協会
公益財団法人日本自然保護協会は

①日本の絶滅危惧種を守る
②自然で地域を元気にする
③自然の守り手を増やす
④壊れそうな自然を守る

といった4つのジャンルを軸に活動している団体です。
この団体は日本の絶滅危惧種を守るということが特徴的です。

公益財団法人日本自然保護協会の詳しい活動、寄付先はこちら▼
公益財団法人日本自然保護協会

【3】一般社団法人グリーンピース・ジャパン
グリーンピースとは環境問題を根本的に解決することを目指す国際環境NGOという団体のことです。

この団体が取り組んでいることの例として、1日100万個のコーヒーカップを減らすことや南極海の海底生態系の保護などがあります。

一般社団法人グリーンピース・ジャパンの詳しい活動、寄付先はこちら▼
一般社団法人グリーンピース・ジャパン

組織ができること

私たちだけでできることを見てきましたが、もちろんできないこともあります。
そこで、組織の取り組み事例を2つ紹介します。

協和キリングループの取り組み

協和キリングループは、SDGsに対して積極的に取組んでいる企業の1つです。特に気候変動や水資源の保護に対して尽力していることが特徴的です。

気候変動に対処するため、同グループは2020年に「キリングループ環境ビジョン2050」を策定しました。その内容は以下のとおりです。

会社だけが問題解決に取り組むのではなく、ステークホルダーと共に脱炭素の仕組みを作り上げているところが特徴的です。

日本航空の取り組み

日本航空もSDGsに対して積極的に取り組んでいます。日本航空は業務内に加え、業務外でも積極的にSDGs活動に取り組んでいます。

その1つが「タンチョウ」の採食地の保護活動です。毎年有志の日本航空社員が北海道に足を運んで活動しており、2022年時点ではすでに5回以上開催されています。

国ができること

さまざまな活動を紹介してきましたが、国の取り組みが一番規模が大きく、影響力も強大です。その中でも特に重要な取り組みを2つご紹介したいと思います。

SDGS推進本部の立ち上げ

まず一番重要なこととして、SDGS推進本部を立ち上げたことがあげられます。本部長の内閣総理大臣、副本部長の官房長官と外務大臣をはじめとして全閣僚を構成員としており、国家ぐるみでSDGsに対して取り組んでいます。

ユニセフとの連携による国際協力の強化

日本政府はユニセフと協力しながら、SDGs達成に向けて日々努力しています。世界的な機関と協力しながら課題の解決ができるのは国だからこそできるものです。その活動は、人権問題から環境問題まで多岐に渡っています。

解決しようと思う問題が大きくなればなるほどそれにかかる時間やお金が大きくなってしまいます。だからこそ、国という一大組織が先陣をきって活動に取り組むことが求められるのです。

最後に

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」について新しく知ったことはありましたでしょうか?

森の豊かさを守るためにはまだまだやることがたくさんあります。企業や国が取り組むべき大きな規模のものだけではなく、私たちが取り組めることも多くありましたね。
今の生活をガラッと変える事は難しいですが、森の豊かさを守るためにできることから変えていきましょう!

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