結婚式から生まれる小さな取り組みが社会を変える|ノバレーゼのChotto Sutekina Revolutionとは

2023.04.10

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【更新日:2023年4月11日 by 中安淳平

株式会社ノバレーゼは「Rock your life」を企業理念とし、主にブライダル業やレストラン業に特化した事業を行っている。ブライダルに直接関連したCSR(Chotto Sutekina Revolution)だけでなく様々な取り組みを行っている。
今回は、人材開発部長の前野徹志氏と財務経理部マネージャー岩井雄紀氏に企業理念やSDGsに関する具体的な取り組みについて伺った。

世の中に元気を与える存在であるために|「Rock your life」とは

ーー自己紹介をお願いします。

前野:人材開発部長の前野徹志と申します。入社してからは15年経っていて、初めの6年間はプランナーとして現場に居ました。2015年に採用チームにジョインし、現在は採用チームの部長をしています。

岩井:財務経理部マネージャーの岩井雄紀と申します。私は2012年に入社して11年目になります。入社後3年ほどプランナーとして現場を経験した後に、人材開発部に異動しました。そこから6年間採用の部署で働くうちに、前野とCSRのプロジェクトも一緒にやるようになり、今では二人三脚でサステナビリティに関して取り組んでおります。

ーー企業理念である「Rock your life」について教えてください。

前野:企業理念である「Rock your life」には、世の中に元気を与え続ける存在でありたいという意味が込められています。働いてるスタッフだけでなく、お客様にも仲間にも ステークホルダーにもノバレーゼに関わる全員に理念を伝え、それが私たちの存在意義であると浸透させています。
また、理念はCSRの繋がりが強く、私たちが社訓として掲げる「人のために生きよ」もCSRの活動目的に繋がっています。

ーー実際どんな時に「Rock your life」を感じますか。

岩井:何事においても、 本当に目の前の人の心を揺さぶるものになるかという軸で物事を考えることです。例えば、SDGsに関しても数をこなすというのは簡単だと思います。しかし、それが本当に人のためになっているのか、本当に当社がやるべきなのかどうかを真剣に考え、本質的に動く会社であると思っています。

ー推進体制を教えてください。

前野:2008年5月からなので15年以上CSRについては取り組んでいます。僕が入社する前からCSR活動自体はかなり積極的に取り組んでいました。しかし、コロナで実施が難しい状況において、今何をやるべきなのか、今会社として何ができるのかという部分を改めて話し合いました。
昨今、パーパスが流行っていますが、流行に乗り、取り組みを行うのは果たして本質的と言えるのでしょうか。うちに元々あった社訓や企業理念にしっかりと繋がる形でSDGsやCSR を捉えている面においては、非常に本質的な活動だと思います。SDGsをやろうとしているわけではなく、結果としてSDGsに繋がっている形です。
サステナビリティ推進室は特になく、基本的に3人でサステナビリティの推進活動を行っています。広報室の松井を含め、いつの間にか集まった3人で役割分担をしながら、導入しプロジェクトを進めて行く形です。一緒にSDGsについてやっていくきっかけは、営業本部長の声かけからです。「時代は変わったけど、これからどういうCSRにする?SDGsに絡めなきゃね」ときっかけをもらい、そこで3人で考えていく中で始まりました。

ーーダイバーシティに関する取り組みについて教えてください。

前野:まず、ノバレーゼの人事方針は、スタッフの幸福度の最大化です。この人事方針に対して私たち人材開発部、教育研修部、労務や制度を管理してる総務部の3部署が一緒になってやっていて制度も研修も採用も行っています。
採用周りだと、障害者雇用はコロナ禍を機に受け入れ体制を整えました。等級制度や評価制度を総務部と一緒に取り組んだので、 これから一斉に求人を出していこうと考えています。あとはLGBTに関しても丁度、取り組みを進めている段階です。今までLGBTの方々に向けた強いアプローチはしてこなかったのですが、間もなくリリースされる予定です。
積極的に制度や研修をやっているというよりかは、これまで当たり前のようにダイバーシティに関する取り組みをしていました。国籍、年齢、学歴、性別関係なく、誰かのために仲間と一生懸命になれる人、 なりたい人であれば、採用しているので、日本が近年「ダイバーシティを積極的にやっていこう」という風潮があることに少し違和感を感じていました。

遊具設置で見えたノバレーゼの意義

ーー遊具設置CSRを具体的に始めたきっかけを教えてください。

前野:当時、色々案を考えたんですけど、 最終的に既存のNPO と共同するのがいいと考えました。既に動き始めてる=世の中からのニーズがあるということです。また自分たちが発信をしても、現場が求めてなければ意味がないなとも思いました 。そのため、以前から遊具設置のサポートをされている プレイグラウンド・オブ・ホープと共同で取り組みを行いました。プレイグラウンド・オブ・ホープの方々が描くビジョンも素敵で、子供たちと一緒に遊具を作り上げるというのも、うちのスタッフの特性をすごく活かせるなと考えたのが始めたきっかけです。

ーー当日の様子はどうでしたか。

前野:当日は、全スタッフに応募をかけて20人で現地である茅ヶ崎に向かい、 遊具を作って、みんなでバーベキューを振る舞い、子どもたちと一緒に遊びました。子どもたちは楽しそうにしていましたが、事前に子どもたちの家庭環境やなぜ施設にいるのかについて聞いていたので少し複雑でした。ただ、子どもの笑顔を見ると、事情や背景は全部吹っ飛んでしまいます。いつか素敵な出会いや幸せな結婚ができるような循環が生まれたら最高です。

ーー今回の取り組み後どのようなところに意義を感じましたか。

前野:結婚式は家族を作り出すタイミングです。子どもはその延長線上にいると思います。人生には色々なライフステージがあって、家族を構成するタイミングやその後のことも、僕らにとっては無視できることではありません。
こうした問題に取り組んでいくことで結婚と繋がりを感じることが出来ました。そのため今後もエリアを拡大したり、回数を増やしたりしつつも、今回出会った子どもたちとも繋がりは持ち続けたいと思っています。一度訪問して終わるのではなく、通い続けて貢献していきたいです。
さらにこうした社会問題を捉え、ステークホルダーに対して、ノバレーゼがどうすれば良い存在となれるのかを改めて考えさせられるきっかけとなりました。

ーー社員の方々の反応はどうでしたか。

前野:イベント後の反響はかなり良く、社員の満足度もかなり高かったです。子どもたちは「また来てね」と帰り際何度も言っていて、このエリアで勤めてるスタッフはこれだけで絶対終わらせずに、関係を継続していきたいと熱い気持ちを伝えてくれました。
社員の声をとっても、子どもたちの声をとっても継続して、初めて貢献できたという意味になると思います。

巡り続けるウエディングドレスに込められた想いとは

ーードレスのアップサイクルを始めたきっかけを教えてください。

岩井:SDGsが世の中に広まっていった頃、弊社でできることが何かを考えていたところ、ウエディングドレスの廃棄問題が浮かびました。
実は、ウエディングドレスは規定のレンタル回数を迎え、役目を終えたら捨てるしかなかったのです。
この現状はノバレーゼだけでなく、長い期間ウェディング業界で問題になっています。そこで、ノバレーゼでできることはないかということで、役目を終えたドレスを子ども用のレンタルドレスにアップサイクルすることにしました。

ーードレスをアップサイクルする際に苦労されたことはありますか。

岩井:当社の考え方として、ウエディングドレスや結婚式は1つの作品であるという捉え方があります。
デザイナーが丹精を込めて作った衣装が数回しか使えないのはもったいないという考え方もあると思うのですが、既存のドレスをまた形を変えて新婦様用にするというのは、やり方によっては今までドレスをお召しになられていらっしゃった新婦様の気持ちにも関わってきてしまいます。
そのため、作り変えるというのはかなり難しいことだと思いました。1枚のドレスが1つの最高作品として輝ける瞬間には限りがあります。だから役目を終えたら廃棄をする、それが誰の心も傷つけない方法だと考えています。
だからこそ、ドレスのアップサイクルはかなり高いハードルの提案でした。再利用するのであれば、どのような形で再利用するかがかなり重要で、キッズドレスに作り変えることが、今回の取り組みでは大きなポイントになったと思います。

ーーアップサイクルに対する評価などありましたか。

岩井:未来に可能性が花開いていくお子様たちの様々な記念シーンに、1度役目を終えたドレスを再構築していくことに関しては、社内でも非常に評価が高かったです。
また、近年結婚式をあげる方々は、サステナビリティに対して理解も深まってきています。そういった方々にもご納得いただけるであろうという部分では新郎新婦様から、ご評価いただけるだろうという自負もありました。

ブライダル業界に新たな発信を

ーー今後の課題・展望について教えてください。

岩井:SDGs関連ですと、当社に限らずブライダル業界でまだ課題に残っている部分はあると思います。衣装廃棄問題は他のブランドさんも抱えている課題だと思うので、 当社発信でやっていったことが、ゆくゆくは業界全体に広まり、業界のムーブメントになれば良いなと思います。
前野:コロナ禍や未婚化の増加で、ウエディング業界の未来についてかなり心配されるんですけど、すごく優秀な人が多いと自負しています。だからこそ、CSR活動から先進的な取り組みまで、挑戦して業界全体で日本を元気にできるような存在になっていくのが使命だと感じています。ブライダル業界の方々自身が優秀なことに気づいていない方々もいるので、自覚をしてもらうことも必要だと思っています。

さいごに

今回の取材で「結婚式はひとつの作品」と捉えていることに魅力を感じた。ドレスを、結婚式を、お客様の幸せを本気で願っているからこその考え方であり、こうした考えだからこそのドレスアップサイクルが実現可能なのだろう。

さらに結婚式だけでなく、子どもに貢献する取り組みはきっと将来ノバレーゼでの結婚式に巡っていくと思う。多方面の幸せに全力でアプローチをし続けるノバレーゼはまさに「Rock your life」だ。

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