学校教育に求められるSDGs-学校教育の現状から文科省の取り組みまで徹底解説

##SDGs目標4##教育#SDGs 2022.09.06

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SDGsに関する取り組みは世界各地で広がっており、学校教育においても取り入れられるようになりました。

では学校現場にはどのような現状があり、SDGs教育はどの程度広まっているのでしょうか。

今回は SDGsと学校教育について解説します。

SDGsと学校教育

そもそもSDGsと学校教育にはどのような関連があるのか日本を中心にご紹介していきます。

SDGs教育は学校でいつ始まったか

海外では少し前からSDGsの教育に着目していましたが、日本でSDGsの教育が本格的に開始されたのは、つい最近のことです。
小学校は2020年度から、中学校は2021年度から、高校は​2022年度から「新学習指導要領」が導入され、その中に「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されたのが、明確な始まりであるとされています。

文部科学省の方針

SDGs目標4を参考に2030年までに持続可能な開発のための教育を行うことを目標に、ESDと題して教育にSDGsを盛り込む方針を固めています。

ESDとは(Education for Sustainable Development)の頭文字をとった言葉で、「持続可能な開発のための教育」です。具体的には、地球規模の課題を自分事として捉え、その解決へ向けて自ら行動を起こす力を身につけるための教育です。

ESDを推進するため、ユネスコ主導のESD実施枠組み作りにも積極的な参加をしています。

例えば、文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点と位置付け、その活動に対する支援等を行っています。

ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理想を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校です。現在、世界182の国と地域に11,000校以上のユネスコスクールがあり、日本国内の加盟校数は1,120校(2019年11月現在)と世界最多となっています。

なぜSDGsが学校教育において必要なのか

学校教育の現状

学校教育の現状として、時代の変革の中で求められる人材像が変化しており、それに伴い教育体制も柔軟に対応していく必要があります。
そのため、基礎知識に加え、思考力・判断力・表現力といった点に関する育成、多様性の享受の習慣化を重視する必要があります。

また、いじめや不登校に対する対応、特別支援教育の充実といった課題に対しても対策のための取り組みを行うことが求められています。

学校教育にSDGsを取り入れるメリット

学校教育にSDGsを取り入れるメリットとして、「持続可能な社会」を手に入れるための近道になることが挙げられます。

具体的には、子どもたちが現代の社会課題について学び「持続可能な社会を創る」ということを目的に思考を深めることで、社会課を他人事ではなく、自分事として捉える能力が身につきます。

持続可能な社会の構築を担う人材が育つことで、より良い未来の現実につながります。

SDGsがもたらすメリットについて詳しくはこちら>>

これからの学校教育に求められること

これからの学校教育に求められることとして、基礎知識に加えて、思考力・判断力・表現力・学びへ向かう姿勢などを生徒が身につけられるように教育することが挙げられます。
課題解決のためには、解決策を模索し、実行していくという一連のプロセスができるようになる必要があり、そのためには、解決策を思考する力、実現可能か否かなど判断する力、自分の考えを提示するための表現する力などを教育現場で構築していくことが重要となります。
また、主体的に学ぶ力も必須の力であり、客観的に物事を捉え、協調性を持って課題解決へ向かえるようになることが求められているのです。

学校教育におけるSDGsの取組事例3選

江東区立八名川小学校

江東区立八名小学校では、1年を通してSDGsについて学ぶために「カリキュラム・マネジメント」を行っています。
これは科目横断型の取り組みとなっており、複数の教科を組み合わせて6年かけてSDGsの1つ1つの目標をテーマに学ぶカリキュラムとなっています。
科目横断で学ぶことで、教科や領域を超えて学びたい意欲を掻き立てる作用があります。
校外活動などにも参加するなどさまざまな場で実践が行えることも特徴の1つです。

参考:https://globe.asahi.com/article/11994381

岡崎市立男川小学校

岡崎市立男川小学校では、理科学習において自然を生かした授業を行っています。
昆虫の標本作成や昆虫の体のつくりの詳細を調査し、モールを使用し、手作りで表現しました。
最終的に昆虫図鑑の作成を行い、協調性も育むことができる教育となっています。

参考:http://www.jp-esd.org/img/gra_report2014.pdf

岡山大学

岡山大学では、ESDを実施するための指導者を育成する取り組みを行っています。
各国と協力を行いながら、取り組みを実施しています。
そのほかにも、イベントやアンバサダー制度の導入などの取り組みを実践しています。

企業も学校教育を改善する取り組みを行なっています。

SDGs4への取り組みについて詳しくはこちら>>

学校でできるSDGs達成に向けた取り組み3選

北九州市 「第1回 高校生SDGs選手権大会」

北九州市では、高校生によるSDGs選手権大会を開催する予定でした。
残念ながら、コロナウイルスの影響で実施はできませんでしたが、代わりにプレゼンテーションの様子が動画の形で公開されています。
それぞれ学校ごとにテーマを決め、発表を行っています。

読売新聞教育ネットワーク

読売新聞教育ネットワークでは、SDGsの活動に取り組んでいる学校を応援するために、「SDGs@スクール チャレンジ校」を招集しています。
参加校の取り組みは毎月読売新聞で「SDGs@スクール」と題して掲載されたり、教育ネットワークのWEBサイトで紹介したりされています。

学校以外でもできる個人の取り組みについてはこちら>>

まとめ

このように、SDGsの重要性を子どものうちから教育を通して学ぶことで持続可能な社会の実現につながります。
教育現場での取り組みはもちろん、生徒自らできることも多くあるため、ぜひ積極的に参加してみてください。

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