日本のLGBTの割合は人口の約10%-高校生での割合や海外との比較も紹介

#LGBT#LGBTQ#ジェンダー 2023.03.15

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日本のLGBTの割合は、人口の約10%いると言われています。

この値は、日本の左利きの人の割合と同じです。約1000万人の人がLGBTとして生活しています。

今回は、日本のLGBTの割合について最新のデータや様々な調査結果を比較するとともに日本での増加理由や高校生での割合についても紹介します。

▼SDGsについて詳しくはこちら

【この記事でわかること】

LGBTとは-分かりやすく簡単に説明

まず、LGBTについて説明していきます。

LGBTとは、「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー」の頭文字をとった言葉です。

それぞれ性的指向や性自認が違います。レズビアンは「女性の同性愛者」、ゲイは「男性の同性愛者」、バイセクシュアルは「両性愛者」、トランスジェンダーは「心の性と身体の性が一致していない人」を指します。

また、LGBT以外にも「LGBTQ+」や「SOGI」などの言葉も使われています。

LGBTQ+

「Q」は、「クィア」、「クエスチョニング」と呼ばれ、自分の性自認や性的指向が定まっていない人を指します。「+」はLGBT以外の分類できない性別を含んでいる事を表します。

「LGBTQ+」という言葉は、表現できていないセクシュアルを含み、全てのセクシュアルマイノリティに配慮を示す表現です。

 

SOGI(ソジ)

「SOGI」とは、性的指向(sexual orientation)と性自認(gender identity)の頭文字を取った言葉です。SOGIは、全ての人が持っている「属性」を表す言葉です。

 

日本のLGBTの割合-10人に1人

続いて、日本のLGBTの割合について説明します。

日本のLGBTの割合は、人口の8〜10%と言われています。この割合は、利き手が左手の人の割合に相当します。私たちが思っているよりもLGBTの人は身近に存在するのです。
今回は、日本のLGBTの割合について詳しく見ていきます。

最新版-2020年12月のデータでは8.9%

株式会社電通の運営する「電通ダイバーシティ・ラボ」の行った調査では、LGBTに該当すると回答した割合は全体の8.9%でした。
この調査は、全国の20歳から59歳の計60,000人を対象に、インターネットで行われました。

LGBTに該当すると回答した割合は、2018年に同社が実施した調査と同じ結果でした。しかし、LGBT以外のセクシュアルである「クエスチョニング」「アセクシュアル・アロマンティック」「エックスジェンダー」など、多様なセクシュアルの存在が確認されました。

アセクシュアル・アロマンティック

「アセクシュアル」は他者に恋愛感情も性的感情も抱かない人、「アロマンティック」は、恋愛感情を抱かないが性的感情は抱くことのある人を指します。

 

エックスジェンダー

性自認が男性にも女性にも当てはまらない人を指します。エックスジェンダーには、「中性」「両性」「無性」「不定性」の4種類の性別が存在すると言われています。

 

中性

自身の性が、男性と女性の中間に自身が存在していると認識している性自認です。

 

両性

自身の性が男性でもあり、女性でもあると認識し、両方に属している感覚のある性自認です。

 

無性

自身の性が男性、女性のどちらにも属していない性自認です。

 

不定性

自身の性が流動的な性自認です。日によって自分の中での男性・女性の割合が変わるという人が当てはまります。

 

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日本のLGBT割合-調査データの比較

日本国内で、LGBTの割合調査はさまざまな団体が行ってきました。

日本の民間団体の行った調査では、LGBTの割合は約8〜10%となっています。

上記のグラフから、LGBTの調査はここ10年以内に行われています。LGBTの認識も広まっている現代だからこそ、LGBTへの配慮や理解をしていくことが重要です。

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日本の高校生のLGBTの割合は不明

LGBTの割合調査は増えてきましたが、高校生のLGBTの割合を調査したアンケートは現在ありません。

中学生や高校生の思春期である学生は、周りの環境や自身の性について悩む時期でもあります。そのため、アンケートに回答したくない人や自身の性が分かっていない場合も多くあります。

高校生に限らず、性別を決めることが苦手な人もいます。今後、LGBTの割合は若い世代に増えてきます。柔軟な対応をしていくことが大事です。

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日本のLGBTの割合は左利きの割合と同じ-他の割合と比較

日本にいるLGBTの割合は約1割であり、全国の左利きの割合とほぼ同じです。

 

ほかに日本の1割に該当する例をあげると、

  • 車いすの利用者数
  • アトピー性皮膚炎の方

 

などがあります。

これらの割合は、正確な数値や調査方法は時期によって異なります。

日本のLGBT認知度の現状

日本では、「LGBT」という言葉の浸透率が80.1%となっています。この認知度は、2015年の調査では37.6%、2018年の調査では68.5%です。時間が経つにつれて、認知度が増し、LGBTに配慮した対策も増えてきています。

しかし、「LGBT」以外のセクシュアルについて8割の人が聞いたことがないと回答しています。

「クエスチョニング」や「アセクシュアル・アロマンティック」など、「Q+」に該当するセクシュアルの認知がかなり低い状態です。セクシュアル毎に認知度の違いがある理由は、分類される人の数や、分類できないセクシュアルを持っている人がいるからです。

セクシュアルマイノリティに該当する人は上記のみに分類できない場合もあります。認知が広まることで自身の性に気づくこともあります。LGBTの浸透率上昇に伴い、「Q+」や今後出てくる新たなセクシュアルも認知度が高まっていくでしょう。

日本に10%いるのにLGBT当事者に遭遇しにくい理由

日本のLGBTの割合は、左利きの人に相当します。しかし、LGBTの人が周囲にいるという人は少ないです。

上のグラフから、職場内でLGBTであることをカミングアウトしている人は全体のうち17.6%であることがわかります。つまり、8割近くの人がカミングアウトせず過ごしているということになります。

LGBTの該当者が生きづらいと感じる場面は「性自認や性的指向に対してハラスメントを受ける」や「偏見から決めつけられてしまう」ことです。また、日本企業の半数以上はLGBTへの取り組みを行っていません。

社会は依然としてLGBTへ積極的とは言えず、LGBTの方が「カミングアウトできず、生きづらい」と感じる状況は残っています。

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日本ではLGBTの数が上昇傾向-その理由とは

続いて、日本のLGBTの数が上昇傾向にあることについて説明します。

日本のLGBTの割合は、近年増加しています。その理由とは一体何なのでしょうか。日本のLGBTに対する配慮や、LGBTの数が上昇している理由についてみていきます。

LGBTへの配慮の拡大

LGBTの割合は理解が進み、LGBTと名乗る人やLGBTであると気づく人が増えています。
これは、LGBTへの配慮が拡大し、カミングアウトする人が増えている点が理由としてあげられます。特に小中高校では、制服によるLGBT配慮が増えています。

上記のグラフでは、服装の配慮をしている学校の割合は39.3%、検討している学校の割合は20.3%です。

服装に配慮している学校では、スカート・スラックス・リボン・ネクタイを男女関係なく選べるようにしています。さらに、男女共通のデザインの制服を採用している学校もあります。

今後も、LGBTに配慮する学校が増え、カミングアウトする人やLGBTであることに気づく人も増えると予想できます。

LGBTに関する情報の増加

近年、LGBTに関する情報が増えています。セクシュアルマイノリティの増加やLGBT診断できるサイトもつくられています。

2021年、アメリカのギャラップ社が行った調査ではLGBTの割合が増えている結果が出ました。調査は成人した12,000人を対象に電話で行いました。

結果は、異性愛者が86.3%、LGBTが7.1%、無回答が6.6%でした。

そして7.1%のLGBTのうち、1997〜2003年生まれは20.8%、1981〜1996年生まれは10.5%、1965〜1980年生まれは4.2%でした。若い世代のLGBT率が高くなっています。

これは、情報が入りやすく自分で調べることができるようになったことが一つの理由であると考えられています。また、日本でも若年層にLGBTの割合が高いという調査結果もあります。

海外のLGBTの割合-日本との比較

海外と日本のLGBTの割合を比較していきます。

日本のLGBTの割合は約8〜10%と言われていますが、他の国ではどのくらいの割合なのでしょうか。

海外のLGBTの割合のグラフ

LGBTの割合 データ年
アメリカ 4.5% 2017
ヨーロッパ 5.9% 2016
スペイン 6.9% 2016
イギリス 6.5% 2016
ドイツ 7.4% 2016

引用:LGBTの割合がバラつく理由【13人に1人? 100人に1人?】|JobRainbow

一つの国でも、地域によってばらつきがあるため正確ではありませんがどの地域にもLGBTであると答える人はいました。さらに、一概には言えませんが、データを比較すると日本のLGBTの割合が一番多いです。

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世界一LGBTの割合が高い国「スウェーデン」の取り組み事例

スウェーデンは、LGBTQ+の権利を巡る歴史があります。

性別適合手術を行ったトランスジェンダーの人へ、性別変更を認めた最初の国でもあります。スウェーデンの同性間パートナーシップは1995年に合法化され、2009年には同性婚も合法になりました。

さらに、観光客にセクシュアルマイノリティの差別をすることは、1987年から違法となっています。

スウェーデンに暮らしている人だけでなく、観光客までが気持ちよく過ごす権利が保護されています。

まとめ

LGBTの割合について紹介しました。

LGBTの割合は年々増えています。今は身近にいなくとも、今後配慮が必要になってくるかもしれません。

この機会に、セクシュアルマイノリティへの理解を深めていってはいかがでしょうか。

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