LGBTQQIAAPPO2Sとは-性別診断サイト、相談窓口、私たちにできることも紹介

#LGBTQ#ジェンダー#ダイバーシティ 2023.04.06

この記事をSNSでシェア!

 

【更新日:2023年4月22日 by 藤井 大豊

LGBTQQIAAPPO2Sという言葉をご存知でしょうか。

LGBTやLGBTQ+の認知度は急上昇していますが、LGBTQQIAAPPO2Sの認知度は依然として低い状態です。L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)の他にもさまざまな性のあり方があるのです。

今回は、LGBTQQIAAPPO2Sの意味と読み方を解説すると共に、性別診断サイト、相談窓口、私たちにできることも紹介します。

【この記事でわかること】

セクシュアリティ(性のあり方)を決める4つの要素

セクシュアリティを決める要素は4つあります。
それぞれが性のあり方について深い関わりを持っています。

セクシュアリティ(性のあり方)を決める4つの要素について紹介します。

身体の性

身体の性とは、主に生物学的に外性器、内性器、染色体等の分化状況をあらわす、戸籍に記載されている性のことです。

性自認

性自認とは、自分自身が認識している性別を表します。

前述した「身体の性」と一致せず、自分自身の体に違和感を持っている人や、男性でも女性でもないと感じている人もいます。

「男性」、「女性」、「男性と女性のどちらでもある」、「男性と女性のどちらでもない」といったように自分がどの性別であると認識をしているかのことを表します。

性的指向

性的指向とは、人の恋愛や性愛がどのような対象に向かうかを示す概念のことを表します。

異性に向かう場合を「異性愛」、同性に向かう場合を「同性愛」男女両方に向かう場合を「両性愛」といいます。

性表現

性表現とは、「言葉遣いや服装、振る舞いなどの自分の個性が社会からどのような性別と捉えられているのか」ということを表します。

前述した性自認と混同されがちですが、性自認が女性であっても性表現が女性とは限りません。現代の社会では、日常でも幅広い選択肢があることの理解が必要です。

▼関連記事
LGBTの人が困ること14選-現状から解決策まで徹底解説

LGBTQQIAAPPO2Sとは-意味と読み方を紹介

LGBTQQIAAPPO2Sとは、それぞれのセクシュアルマイノリティの頭文字などから構成されている言葉です。LGBTQQIAAO2Sは、「エルジービーティーキューキューアイエーエーオーツーエス」と読みます。

▼参考
LGBTQQIAAPPO2Sの意味と読み方は?種類別の解説

LGBTではなくLGBTQQIAAPPO2Sと表現される理由

LGBTではなくLGBTQQIAAPPO2Sと表現される理由は、現代の「性の多様性」が関係しています。

「性の多様性」という表現のとおり、現代ではセクシュアルマイノリティは数多く存在しており、LGBTだけが全ての性と言い切ることは困難になっています。

▼参考
LGBTQQIAAPPO2Sの意味とは?意味をわかりやすく解説。性別には様々な形がある。

LGBTQ+とは

LGBTQ+とは、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称のことを表します。

Lはレズビアン(Lesbian)、Gはゲイ(Gay)、Bはバイセクシュアル(Bisexuality)、Tはトランスジェンダー(Transgender)、Qはクィア(Queer)やクエスチョニング(Questioning)の各名称の頭文字を取っています。

また、+の意味はLGBTQに代表される5つの性以外のセクシュアリティを表しています。
現代の社会はLGBTQだけでなく、多様性のある社会なのです。

▼参考
LGBTQ+とは何のこと? 「パレットーク」編集長が基礎知識をわかりやすく解説!

多様な性(LGBTQ+)”のこと 性を表す4つの要素とは?

▼関連記事
LGBTQのQとは-クエスチョニングとクィアの意味とは| SDGs CONNECT

LGBTQQIAAPPO2Sの種類-それぞれについて解説

LGBTQQIAAPPO2Sは、LGBTに含まれないが、マジョリティでもないというセクシュアル層に対して、あたらしい総称のことを表します。

LGBTQQIAAPPO2Sのそれぞれのアルファベットの意味について、下記で解説します。

1. レズビアン(Lesbian)

レズビアンとは、恋愛感情や性的指向が女性であり、性自認が女性である人のことを言います。日本語では女性同性愛者ともいいます。

2. ゲイ(Gay)

ゲイとは、恋愛感情や性的指向が男性であり、性自認が男性である人のことを言います。
日本語では男性同性愛者ともいいます。

注意しなければならないのは、「ゲイ」は過去に「ホモ」と表現されることがありました。しかし、「ホモ」は差別的用語として使われるケースが多かったため、現在では「ゲイ」と表現されています。

▼関連記事
LGBTへのハラスメントとは-SOGIハラスメントの例や法律を解説| SDGs CONNECT

3. バイセクシャル(Bisexuality)

バイセクシャルとは男女両方に恋愛感情を抱き、性的趣向が男女両方を対象とする人を表します。

バイセクシャルの特徴は、相手の男性性、女性性の両方の魅力に惹かれるという点です。
例を紹介すると、「男らしい引き締まった肉体に惹かれる」と同時に「女性らしい柔らかな曲線に惹かれる」ということになります。

そのため、バイセクシャルの人は中性的な人に惹かれづらく、恋愛対象になることは少ない傾向です。

4. トランスジェンダー(Transgender)

トランスジェンダーとは、「体は男性だけど心は女性」「心は女性だけど体は男性」といったように自分の性別の認識と実際の体の性別が異なる人を表します。

性同一性障害と混同される場合がありますが、トランスジェンダーは性自認と体の不一致が原因での精神疾患ではありません。「自分の体が男(女)なのが耐えられない」という辛さがあるかないかが、トランスジェンダーと性同一性障害のちがいです。

▼関連記事
LGBTプライド月間とは?-詳細と私たちに出来ることまで解説| SDGs CONNECT

5. クイア(Queer)

クイアとは、性行動での分類や差別に対して批判をし、LGBTを個性的で素晴らしいと捉える思想を持っている人を表します。

クイアは「セクシュアルマイノリティで人を判断するな、多様性があっていいじゃないか」と考えているため、自分がセクシュアルマイノリティか否かは関係していません。

また、「Queer」英語を直訳すると「不思議な」、「奇妙な」、「風変わりな」といった意味を表し、過去では異性愛者などの恋愛少数派を軽蔑して表す言葉を表していました。

現在では「性行動で人の価値は決まらない」「多様性は認められるべきもの」というポジティブな思想を持つ人の総称となっています。

6. クエスチョニング(Questioning)

クエスチョニングとは、自分の性別がどれであるか定まっていない人を表します。

自分を男性とも女性とも言い切れず、どちらの性なのか悩んだり迷ったりしている人たちのことを指します。、セクシャルマイノリティを含め現在の分類の「どれにも当てはまらない」と感じている場合もクエスチョニングに含まれます。

クエスチョニングには「自分の性を決めたいのに決められない」と悩んでいる人たちがいる一方、「あえて性を決めたくない」と感じているケースもあります。

▼関連記事
LGBTが職場で困ること6選-就職活動での悩みや企業の対策事例も紹介

7. インターセックス(Inter-sex)

インターセックスとは、体の性に関する機能が典型的な発達過程や状態と一致していない部分がある人たちのことを表します。(正式名称はDSD)

身体的には男性、女性の特徴が明確に表れ、生殖器の機能もそれに準ずるセクシャルマイノリティとは、厳密に異なった存在です。

DSD
DSDの正式名称は(Disorders of Sex Development)です。
DSDは、生殖器形態や性分化が通常とは異なる状態で生まれた人々を指し、多様な形態があります。
具体的には、生殖器の形態が両性具有的、染色体が男女混在、性ホルモンの分泌不全などが含まれます。

8. アセクシャル(Asexual)

アセクシャルとは、性別問わず人に対して恋愛感情や性的欲求がない人を表します。
日本語では無性愛者といいます。

性別関係なく誰に対しても恋愛も性的な感情も湧かないため、「好きな人が欲しいけどできない」という状態とは違い、恋愛や性的なスキンシップを必要としないのが特徴です。

しかしながら、人に興味がないわけでもなく、友達や家族の愛情を感じるアセクシャルは多く、アセクシャルであっても必要性を感じて交際するケースもあります。

アセクシャルは日本での認知が浅く、自覚がむずかしいセクシャルマイノリティです。

9. アライ(Ally)

アライとは、LGBTQQIAAPPO2Sの活動を支援している人を表します。
英語を直訳すると「仲間」、「同盟」という意味になります。

過去、アライは異性愛者(ストレート)に限って表現される言葉でした。
しかし現代では性的趣向に関係なく、相手の性的趣向を尊重し、支持する人のことを表します。

同じセクシャルマイノリティでも、「ゲイ」「バイセクシャル」「トランスジェンダー」など、立場が違う場合に理解が及ばず、自分のセクシュアルマイノリティに自信を無くしてしまい、相手を同じように傷つけてしまうケースがあります。

そのため「アライです」と提示することで、セクシュアルマイノリティに対する考え方のすれ違いが起きないようにLGBTQQIAAPPO2Sの活動をしている人の総称となりました。

▼関連記事
ALLY(アライ)とは?-LGBTを理解・支援するALLYにできることや活動事例を紹介| SDGs CONNECT

10. パンセクシャル(pansexual)

パンセクシュアルとは性別にこだわらずに恋愛感情を抱く方を表します。

全性愛、全人愛と訳され、男性や女性、中性など、性にこだわらずに愛情を注ぐ人たちを表現する場合もあります。

11. ポリアモラス(Polyamorous)

ポリアモラスとは、複数の人を同じように愛することのできるセクシュアルマイノリティを持つ人のことを表します。

ポリアモラス(Polyamorous)は、ポリアモリー(Polyamory)が入る場合もあり、「多性愛」と訳されることもあります。

12. オムニセクシャル(Omnisexual)

オムニセクシュアルとは、パンセクシュアルのような「全性愛」と訳されるセクシュアルマイノリティを表します。

パンセクシュアルと異なる点は、性の役割やニーズの違いなどを認めて意識する点です。

性の役割やニーズの違いを意識しないパンセクシュアルとは内容が少し違う点は、理解が必要です。

13. トゥースピリット(Two Spirit)

トゥースピリットとは、身体的性は男性、女性でありながら、それとは異質の性質などを持つ人を表します。

また、北アメリカの先住民の間で認められてきている第三の性といわれており、女性の魂と男性の魂が二つ同時にあると感じている人に対して使われる言葉でもあります。

日本のLGBTの現状

日本国内では、LGBTの人々への理解がまだ足りていないというのが現状です。
結婚、医療、教育や仕事など、さまざまな場面での配慮不足が目立ちます。

一方、海外ではLGBTについて学校で学ぶケースが多々あります。
LGBTについて日本と海外の理解度の差はこのような点から生まれています。

▼参考記事
何が違う?LGBTの教育事情【日本と海外を比較】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」

日本のLGBTの割合-人口の10%が該当

日本のLGBTの割合は、およそ10人に1人以上だといわれています。

また、この調査結果は実際にカミングアウトしている人の割合のため、実際はもっと多い可能性が高いとされています。

LGBTの人が性的思考をオープンにして生きられる社会の実現を目指しましょう。

▼関連記事
日本のLGBTの現状-教育や仕事など分野別に課題を紹介| SDGs CONNECT

LGBTQQIAAPPO2Sの認知度

LGBTQQIAAPPO2Sの認知度についてですが、厚生労働省の調査によると、9割の企業が性的少数者の存在を認知しているのに対して、具体的な取り組みをおこなっている企業は全体の2割ほどと低い結果となっています。

認知度が高くても、取り組みを行わないのは悪い傾向だと感じます。
他者について理解をすることで取り組みにつながると考えます。

▼関連記事
LGBTビジネスの現状と課題

自分の性を知るには-ひとりで悩まない

自分の性を知るには、性別診断サイトや、性的指向のテストを行うことで解決する場合があります。

専門のサイト等を利用し自己分析をすることで、自分では気づけなかったことに気づくことができます。

性別診断サイトの紹介

性別診断サイト及び、セクシュアリティ診断ができるサイトがあります。
自分の性について理解することで、他者の理解もすることができます。

▼性格診断サイトはこちら
セクシュアリティ診断〜LGBTもそうでない人も まだ見ぬ自分に出会おう〜

相談窓口の紹介

現代では、LGBTについての相談窓口が幅広く開設されています。

​​どのような悩みなのか、悩みを持っている友達のために、さまざまな視点から相談に乗ってくれる窓口が多い印象です。

▼相談窓口先リストはこちら
LGBTQ相談先リスト

​​

LGBTQQIAAPPO2Sのために私たちにできること

LGBTQQIAAPPO2Sのために私たちにできることは、複数あります。
その中でも一番大切なことは自分の発言に対して疑問を持つことです。

LGBTの人々対しての理解が乏しい場合、気づかないうちにLGBTの人々を傷つけてしまう場合があります。

差別的発言、屈辱的発言でないと思った言動であっても、それが相手に対してどう捉えられるのかを疑問を持つこと。また、お互いに相手を尊重した行動や発言、思いやりを心がけることが大切です。

相手を傷つけないためにも、LGBTの人たちへの理解をし、自分の発言に疑問を持つことでお互いの考え方のすれ違いを防ぐことができます。

相手が自分と対等な存在であること、真摯に向き合う相手だと思って接することを心がける必要があります。

▼参考
何が違う?LGBTの教育事情【日本と海外を比較】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」

▼関連記事
LGBTフレンドリーな企業の取り組み6選-業界別の取り組み事例も紹介| SDGs CONNECT

まとめ

LGBTQQIAAPPO2Sについて新しく知ったことはありましたでしょうか?

私たちにできることは、お互いが他者を理解し、考え方を尊重、リスペクトすることの大切さを伝えることです。

他者の理解を深めることでLGBTQQIAAPPO2Sの人も、そうでない人も生きやすい社会が構築されていくと思います。

まずはLGBTQQIAAPPO2Sについて理解を深め、お互いを尊重することから始めていきましょう。

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    新着記事

    アシックスの新しいランニングシューズNIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    SDGs検定とは-合格のメリットに加え、勉強法や問題数、おすすめテキストも紹介

    食品ロスが問題である3つの理由-原因から食品ロスを減らすための対策を紹介