SDGsが流行語大賞候補に選出されるなど、近年SDGsがますます注目を集めています。
SDGsと同じく「サステナブル」という言葉をよく耳にしますが、みなさんはサステナブルの意味をしっかりと答えることはできるでしょうか?サステナブルとSDGsの定義についても曖昧な部分が多いのではないでしょうか。
今回は、SDGsとサステナブルの関係性について説明し、サステナブルな暮らしについて解説していきます!
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サステナブルとは
サステナブルの意味
サステナブルは、元々英語の「Sustainable」が由来となっています。
sustainableは、sustain(持続する)という言葉と、able(〜できる)という2つの言葉が合わさってできた言葉であり、「持続可能」という意味になります。
そのため最近よく耳にする、サステナブルな社会やサステナブルな暮らしというのは、末長く継続し得る社会や暮らしのことを指します。サステナブルは、形容詞なので名詞を修飾する際に使います。例えば、「サステナブルな暮らし」や「サステナブルファッション」などがあります。
サステナブルの類語
サステナブルに似た言葉として、サステナビリティ(sustainability)という言葉がありますこれは、サステナブルの名詞形で「持続可能性」という意味です。サステナビリティは名詞なので「サステナビリティに対する取り組み」や、「ビジネスとサステナビリティの関係」などといった使われ方をします。
ほかにも、エシカルやエコといった言葉も地球に配慮した言葉という点で混同されがちですが、実際の意味は異なります。
エシカルは、英語のethicalが由来となっており「倫理的」「道徳的」という意味の言葉です。「エシカル消費」という言葉がありますが、こちらは地球環境や人、そして社会に対して配慮されたものを購入・消費することを指します。
エコは、生態系を表すecology(エコロジー)と経済を表すeconomy(エコノミー)に由来していて、環境にやさしいという意味使われることが多い言葉です。
SDGsとサステナブルの関係性
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。簡単に言えば、持続可能な社会を作るための目標です。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
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SDGsとサステナブルの違い
SDGsとサステナブルの意味を理解すれば明らかですが、SDGsは「目標」であり、サステナブルは「概念」です。SDGsは持続可能な社会を築き上げるための目標であり、サステナブルな社会を築き上げるためにSDGsが設定されているのです。
しかし、このことを理解せずにブランディングの材料としてこれらの言葉を使用している人もいます。このように、SDGsやサステナブルという言葉を使用して活動を行なっているものの、実態が伴っていないビジネスや取り組みのことを「SDGsウォッシュ」と言います。
SDGsはサステナブルを達成するための手段であるという、本質を理解して行動していくことが大切です。
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サステナブルな暮らしするために必要なこと3選
サステナブルな暮らしはどのように進めていけばいいのでしょうか。
①サステナビリティについての理解を深め、現状を見直す
まず、サステナブルな暮らしを実践するためには普段生活している上で、何がサステナブルで何がサステナブルでないのかを見極める必要があります。
私たちがサステナビリティに関わる機会は、私たちの消費生活の中に多く存在していると思います。本当にその行動は、環境に配慮されているのかを考えながら行動することが大切です。
商品を購入する際にも、材料に何が使用されていて、リサイクルは可能なのかという視点で、現在の生活を見直すことで自ずと今自分にできることが見えてきます。
もちろん、消費生活以外でもサステナビリティに関わる機会があると思います。
SDGsがどのような目標を設定しているのかを知るだけでも、すべき行動がわかるかもしれません。
②購入する・使用している商品やサービスの全体像を掴む
商品のラベルに「環境に優しい」や「エコ」などという言葉が書いてあるからといって、飛びついてはいけません。
しっかりと、その商品・サービスがどのような製造過程を経て、私たちの手に渡っているのかを理解しないとその商品が本当にサステナブルなものなのか判断できません。例えば、下記のような商品やサービスに対しては疑いの目を持つことが大切です。
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商品やサービス以外でも、私たちの行動の1つひとつが社会・環境に与える影響について考える癖をつけるといいかもしれません。
③「1人でやっても意味ない」という考えを捨てる
SDGs達成に貢献し、サステナブルな社会を築いていくためにすべき行動は意外と簡単で、誰にでもできることが多くあります。これらの行動は、実際に貢献している実感が湧きづらいため「どうせ自分がやっても変わらない」というふうに考えてしまう人がいるかもしれません。
しかし、そう思っている人全員が前向きに考えて行動していく必要性があります。
一人ひとりの小さな行動の積み重ねが、持続可能な社会を作り上げていくのです。
サステナブルな生活スタイルの例3選
①節水・節電を心がける
節水・節電に関してはサステナブルな生活スタイルの最もメジャーな行動と言ってもいいほど、さまざまな場所で啓発されています。しかし、未だに意識できていない人も多いのではないでしょうか。
食器を洗う際やシャワーを浴びる際に1分間、水を流しっぱなしにするだけでも、約12リットルの水を消費すると言われています。
そもそも、節水することで本当に節電につながるのかと疑問に思っている方もいるかもしれませんが、水道水が家庭に届くまでには、浄水場や下水処理場、水を供給するポンプなど、たくさんの電力が使われています。そのため、節水をすることは、節電をすることでもあるのです。
電力(エネルギー)を節約することに関しては、こまめに電気を消すことも大切ですが、公共交通機関や自転車をなるべく使用するようにすることも方法の1つです。こまめに節水・節電をすることで、家計にも地球環境にも優しくなりましょう。
〈取り組み例〉
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②ゴミを出さないことを心がける
ゴミを減らすための方法はたくさんありますが、ものを購入する際に意識できることがあります。例えば、長く使えるものを選んだり、そもそも必要のないものは買わないようにすることで、ゴミを減らすことができます。
また、マイバックやマイ箸、マイボトルなどを持ち歩くこともゴミを減らすための活動の1つです。最近レジ袋が有料化したこともあり、経済的な面からも取り組んでいる人が多いのではないでしょうか。
ゴミの分別を徹底して、リサイクル活動を行うことも身近な取り組みです。リサイクルをするためには、地域で指定されているゴミの分別方法を確認して正しく分別することが大切です。またすぐ捨てるのではなく、まだ使えないか考えてフリマアプリなどに出品するなど、リユースの意識も重要です。
〈取り組み例〉
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③サステナブルな商品を買う
サステナブルな商品を購入することもサステナブルな暮らしの1つです。サステナブルな商品とは、具体的に次のような商品のことを指します。
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これらの条件を満たしている商品を購入することで、間接的に持続可能な社会に貢献することができます。サステナブルな商品の条件は、具体的に決まっていないので、私たちはその商品が環境や社会に配慮されているか見極める必要があります。見極める際の判断基準の1つとして、「認証ラベル」があります。「認証ラベル」の一例を紹介します。
・レインフォレスト・アライアンス
認証された商品または原料が、社会・環境・経済の3つに配慮して生産されたものであることを意味します。
・GOTS認証(オーガニック繊維)
原料の収穫から消費者に届くまでの過程において、「繊維製品が正しくオーガニックである」という状況を確保するためのマークです。
・FSC認証
FSC認証は環境、社会、経済の観点から、管理された森林から生産された商品を消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組みで、基準を満たした商品につけられています。
まとめ
この記事では、サステナブルの意味とSDGsとの関係性、サステナブルな暮らしの送り方について紹介しました。
今回紹介したサステナブルな暮らしの例はほんの1部です。この記事を参考にぜひ、1人の行動が地球を救うという意識を持って、持続可能な社会に向けて行動してみてください。